1.  本4日,午後7時25分から約1時間30分間,河野太郎外務大臣は,訪日中のビビアン・バラクリシュナン・シンガポール共和国外務大臣(H.E. Dr. Vivian Balakrishnan, Minister for Foreign Affairs of the Republic of Singapore)と夕食を交えつつ会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
     本会談に先立ち,両大臣は,「21世紀のための日本・シンガポール・パートナーシップ・プログラム(Japan-Singapore Partnership Programme for the 21st Century:JSPP21)」の改訂討議議事録(Memorandum of Discussion:MOD)への署名を行いました。

    1. 河野大臣から,バラクリシュナン大臣の訪日を歓迎し,一年間にわたるASEAN議長国としての活躍に敬意を表した上で,安倍総理大臣及び河野大臣のシンガポール訪問時の歓待に感謝を伝え,シンガポールによる会合の運営を来年のG20の参考にしたい旨述べました。これに対し,バラクリシュナン大臣から,訪日できて嬉しい,ASEAN関連の一連の会議に対する日本の貢献に感謝,引き続き二国間関係を強化していきたい旨述べました。
    2. また,両大臣は,北朝鮮問題及び南シナ海問題,ミャンマー・ラカイン州情勢を含む地域情勢,TPP11,RCEPを始めとする自由貿易の推進についても意見交換を行い,今後も緊密に連携していくことで一致しました。特に,北朝鮮情勢に関し,両大臣は,朝鮮半島の非核化に向け,安保理決議の完全な履行が必要との立場で一致しました。また,拉致問題の早期解決に向けてもバラクリシュナン大臣の理解と支持を得ました。

    [参考]21世紀のための日本・シンガポール・パートナーシップ・プログラム(JSPP21)

    1. 日本とシンガポールが協力して第三国に対し技術協力を行うプログラム。1994年からJSPPとして実施され,1997年にはイコール・パートナーシップに基づくJSPP21として合意文書に署名。アジア・大洋州・中東・アフリカ諸国などから研修員をシンガポールへ招聘し,研修を実施。
    2. 2007年12月,高村外務大臣(当時)とジョージ・ヨー・シンガポール外務大臣(当時)の間で,JSPP21をASEANの統合強化により資する形で強化すること等を謳った新たな討議議事録(MOD)に署名。
    3. 本会談前に署名された改訂MODでは,当該事業の目的として連結性の強化や法の支配を追記し,研修の優先分野も目的に沿ったものが含まれることとなった。