2019年1月10日
経済産業省は、「価値協創ガイダンス※」(以下「ガイダンス」)を活用した企業と投資家の対話の場として、「統合報告・ESG対話フォーラム」(以下「フォーラム」)を開催しました。
その上で、フォーラムにおける議論の結果を整理し(2018年5月報告資料公表)、今後の取組として「4つのアクション」1を示しました。そのうちの1つである「中小型株における開示・対話のあり方の検討・情報発信」として、関西地方に本社を置く中小規模の上場企業8社からの参加を得て、2018年4月に「関西分科会」(以下「本分科会」)を設立しました。
本日、本分科会での検討結果を報告書としてとりまとめましたので、公表します。
※価値協創ガイダンス:「価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス‐ESG・非財務情報と無形資産投資‐」(2017年5月29日公表)
1.問題意識・背景
本分科会の設立に先立ち、フォーラムにおいて、IR2に多くのリソースを割けない企業においても、情報開示や対話の質が上がることが重要などといった課題が指摘されました。また、同じくフォーラムの分科会であり、アクティブ・ファンドマネージャーの対話の場である「アクティブ・ファンドマネージャー分科会」においても、ガイダンスを用いた情報開示・対話について、中小規模の上場企業がこれに対応できるようにすることが重要との指摘がされました。
そのような中で、経済産業省は、フォーラムの参加者の協力も得つつ、以上のような企業にとってのガイダンスの有効な活用方法の検討や、取組事例の共有を目的として、IR担当者が数名である関西本社企業によって構成される本分科会を設立しました。
2インベスター・リレーションズ(Investor Relations)の略語。企業が投資家に向けて行う情報発信活動一般を指します。
2.論点
本分科会においては、以下の点などを検討論点として議論が行われました。
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「開示」と「対話」に関する課題認識(ビジネスモデルと価値創造ストーリー、ESG情報等)について
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ガイダンスの活用のあり方について
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シンプルな統合的開示のあり方について
3.内容
本分科会での議論を受け、本報告書では以下のようなことが示されています。
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ESG情報の開示について、十分な取組ができていない段階であっても、まずは対話をして、投資家に対し、現況と問題意識、今後取り組みたいことをぶつけてみることが重要。
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ビジネスモデルや「強み」をシンプルに開示し、次につながる対話を目指すべき。
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「強み」の持続可能性やリスクに対する対策を示すべき。
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投資家や評価機関など、誰に向けたものかを意識したメリハリのある情報開示を行うべき。
本報告書や本分科会における議論の内容も参照し、各企業がそれぞれの実情に応じた効果的・効率的な情報開示を行い、投資家との間で建設的な対話を行っていくことが期待されます。
4.報告資料等
5.関連ウェブサイト
- ポータルサイト(企業と投資家の対話のための「価値協創ガイダンス」)
- 「価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス」を策定しました-ESG・非財務情報開示と無形資産投資の促進-
- 開示・対話に関する“4つの視点”と“4つのアクション”をとりまとめました~企業の「稼ぐ力」向上のため、統合報告、ESG開示・投資を促進します~
- アクティブ・ファンドマネージャー宣言
- アクティブ・ファンドマネージャー宣言賛同者(2018年5月18日時点)
- アクティブ・ファンドマネージャー分科会報告書
担当
経済産業政策局 産業資金課長 福本
担当者:中野、髙津戸、村山
電話:03-3501-1511(内線 2641~5)
03-3501-1676(直通)