平成31年2月22日(金)

 本日の閣議においては,法務省案件として「表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律案」が閣議決定されました。今国会における成立に向け,慎重かつ丁寧な御審議をお願いしたいと考えています。
 この法律案は,所有者不明土地問題への対策の一環として,歴史的な経緯により不動産登記簿の表題部所有者欄の氏名・住所が正常に登記されていない,例えば,「○○外10名」などと登記された表題部所有者不明土地を解消するために法律上の措置を講ずるものです。
 こういった表題部所有者不明土地は,他にも,例えば住所が記載されておらず,所有者名のみが記載されているケースもあります。そういうケースも含めてしっかりと対応するための法案であり,今国会において十分に御審議いただいた上で,速やかに成立させていただけるよう努力してまいりたいと考えています。

民事執行法及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律の一部を改正する法律案に関する質疑について

【記者】
 政府は2月19日,民事執行法改正案を閣議決定し,衆議院に提出しました。離婚した国内の夫婦間の子どもの引渡しをめぐっては,司法判断に対する実効性の乏しさが課題となっており,最高裁によれば,「強制執行」は年間約100件あるものの,成功率は3割程度にとどまっています。法曹界からは「子どもへの悪影響も懸念される現状は早期に改善すべきだ」との法改正に前向きな声が上がっていますが,改めて法案の意義と大臣の所感をお伺いします。

【大臣】
 この法律案は,大きく言って3つの目的があります。第1は債務者の財産状況の調査に関する制度の実効性を向上させること。第2は不動産競売における暴力団員の買受けを防止すること。第3は子の引渡し及び国際的な子の返還の強制執行に関する規律の明確化を図ることです。このような目的で,民事執行法及びハーグ条約実施法の一部を改正しようとするものです。
 お尋ねのあった子の引渡しの強制執行については第3の改正点に関するところですが,この法律案は,強制執行の実効性を確保しながら,子の心身の負担にも最大限配慮するなど,子の利益の保護に資する規律を整備するものです。非常に大きな意義を有するものであると考えており,今国会において十分に御審議をいただいた上で,速やかに成立させていただくよう努力していきたいと考えています。

櫻田国務大臣の衆議院予算委員会遅刻に関する質疑について

【記者】
 昨日,閣僚の一人である櫻田大臣が,衆議院予算委員会に遅刻し,予算委員会が一時中断しました。その影響で与党側が新年度予算案の衆議院通過の予定を遅らせる事態になるなど,影響が少なからず出ていますが,閣僚のお一人として所感等があればお聞かせください。

【大臣】
 御指摘の事柄については,詳細な事情を把握してないので,コメントは差し控えさせていただきます。
 ただ,現在も平成31年度予算案の審議は続いています。法務省においても関係予算をお願いしているところですので,私としても気を引き締めて国会審議の場に臨んでいきたいと考えています。

(以上)