2019年5月20日
石川経済産業大臣政務官は、チリ共和国ビニャ・デル・マールに出張し、5月17,18両日に開催されたAPEC貿易担当大臣会合(MRT)へ出席しました。
また、チリのアンプエロ外務大臣はじめ各エコノミーの代表と、会合の成功に向けた協力や二国間経済関係について意見交換を行いました。
1.APEC貿易担当大臣会合
会合では、チリのアンプエロ外務大臣の会合議長の下、「APECのWTO支持の推進」、「地域経済統合の推進」、「デジタル時代における包摂的かつ持続可能な成長の強化」のテーマを中心に、精力的な議論を行いました。
石川経済産業大臣政務官からは、以下の主張を行い、多くの点について他のエコノミーから賛同を得ました。
(1)「APECのWTO支持の推進」については、主に以下の発言を行いました。
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多角的貿易体制は、現在かつてない危機に直面している。我々はWTO改革に真剣に取り組んでいく必要がある。
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不公正な貿易慣行を含む保護主義と闘い、市場歪曲の除去のための産業補助金ルールの強化に取り組み、レベル・プレイング・フィールドを実現すべき。
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その他の論点も含め、有志エコノミー間で着手可能な論点からどんどん議論を進め、成果を上げていくべき。多角的貿易体制への人々の支持を得るため、我々は休むことなく成果を出し続けなければならない。
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APECは、WTOの機能強化やルールの適切な履行に資する取組を積極的に継続するべき。
(2)「地域経済統合の推進」については、主に以下の発言を行いました。
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APECエコノミーは、域内の貿易投資の自由化や地域経済統合に取り組んできたが、引き続き残された課題が存在。APECエコノミーがWTO貿易円滑化協定(TFA)、情報技術協定(ITA)、APEC環境物品リストの履行により、ボゴール目標達成に向けて更なる努力を行うことを促す。
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全てのAPECエコノミーは、「FTAAPに関するリマ宣言」に基づき、質が高く包括的なFTAAPの実現を目指し、「次世代貿易投資課題」を含めた幅広い分野での検討作業や能力構築事業に取り組むべき。
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改訂版「APECインフラ開発・投資の質に関するガイドブック」で定めた指針が、実際の現場で活用されていくことが重要。
(3)「デジタル時代における包摂的かつ持続可能な成長の強化」については、主に以下の発言を行いました。
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情報・データの自由流通の確保は、本年日本が議長を務めるG20の主要議題の1つ。自由なデータ流通と、プライバシー保護やセキュリティ確保の両立、すなわち「DataFreeFlowwithTrust」が重要。
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急速に発展するデジタル経済の恩恵を最大化するべく、この分野の取組をさらに迅速に進めることが重要。
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2020年以降のAPECはDigitalizedAPECとなり、この流れを公正かつ競争的な環境下で更に進め、中小・小規模事業者を含むあらゆる個人や企業が成功のためのチャンスをつかみ、地域の繁栄を全体として実現できるようにすべき。
会合での議論の結果、共同声明をコンセンサスにより採択し、発表しました。
Ministers Responsible for Trade Meeting Joint Statement 2019
2.バイ会談等
チリのアンプエロ外務大臣、ジャニエス貿易副大臣をはじめ、各エコノミーの代表と、APEC貿易担当大臣会合の成功に向けた協力や二国間経済関係について意見交換を行いました。
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アンプエロ・チリ外相 -
ジャニエス・チリ貿易副大臣
3.チリ政府主催環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)メディアブリーフへの出席
MRT開催前日の5月16日、チリ・サンティアゴにて行われたアンプエロ・チリ外相主催のCPTPPメディアブリーフに、辻外務大臣政務官、カー・カナダ国際貿易多様化大臣、パーカーNZ貿易・輸出振興担当大臣、チャン・シンガポール貿易産業大臣などCPTPP締約国の閣僚とともに出席し、特に中小企業・小規模事業者等にとっての本協定の具体的なメリットについて説明しました。
4.チリ鉱業省との協力覚書への署名
MRT開催期間中の5月17日、チリのプロクリカ鉱業大臣と会談し、2014年に締結した経済産業省とチリ鉱業省による協力覚書の更新に署名しました。
会談では、今後、覚書に基づき実施する官民政策対話で議論すべき双方の関心事項について意見交換を行うとともに、同大臣より8月のAPEC Mining weekへの参加要請がありました。
関連資料
担当
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APECに関する事項
通商政策局 アジア太平洋地域推進室長 矢田
担当者:中山、澤野
電話:03-3501-1511(内線 3062~3065)
03-3501-1407(直通)
03-3501-5909(FAX) -
APEC以外の事項
通商政策局 中南米室長 三浦
担当者:中山
電話:03-3501-1511(内線2996~2998)
03-3501-2817
03-3580-4610