1. 1 本1日,東京において,阿部俊子外務副大臣とレー・クイ・ヴオン公安次官(Mr. LE Quy Vuong, Deputy Minister of Public Security of the Socialist Republic of Viet Nam)との間で,「刑を言い渡された者の移送に関する日本国とベトナム社会主義共和国との間の条約」(日・ベトナム受刑者移送条約)和文(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)の署名が行われ,安倍晋三内閣総理大臣及びグエン・スアン・フック首相(H.E.Mr. NGUYEN Xuan Phuc, Prime Minister of the Socialist Republic of Viet Nam)立会いの下,同条約本書の交換が行われました。

    2 この条約は,我が国とベトナムとの間で,相手国の裁判所が拘禁刑を言い渡した者について,一定の条件を満たす場合その本国に移送する手続等について定めるものです。

    3 この条約によって,ベトナムにおいて刑に服している邦人受刑者及び我が国において刑に服しているベトナム人受刑者に母国において刑に服する機会を与えることが可能になり,これらの受刑者の改善更生及び社会復帰の促進に寄与することにつながるとともに,刑事分野における二国間協力の発展に貢献することが期待されます。

    4 今後,締結について承認を得るべく国会に提出する予定です。

    [参考1]主な規定は以下のとおり。

    • 締約国は,この条約に従い,一定の条件(移送国,受入国及び受刑者の同意等)の下で,受刑者を受入国に移送することができる。
    • 受刑者を移送する手続(移送の同意に関する確認,関連する情報提供等)を定める。
    • 移送国のみが再審を行うことができる。
    • 移送後の刑の執行の継続は,移送国が決定した刑の性質及び期間に基づき,受入国の法令により規律される。

    [参考2]受刑者数
     2019年3月末現在,ベトナム社会主義共和国における日本人受刑者は3名,我が国におけるベトナム人受刑者は133名。

    [参考3]我が国が締結した受刑者移送に係る条約
     我が国は,2003年,欧州評議会が作成した「刑を言い渡された者の移送に関する条約」(以下「CE条約」という。)に加入したことにより,CE条約の締約国(現在,我が国を含む68か国が締約国となっている。ベトナム社会主義共和国はCE条約非加盟国。)との間では,外国人受刑者を一定の要件の下で母国に移送することが可能となっている。我が国は,CE条約に加え,これまでにタイ,ブラジル及びイランとの間で二国間の受刑者移送条約を締結している。