冒頭発言

(1)TICAD7開幕

【河野外務大臣】明日8月28日から30日まで,横浜で第7回のアフリカ開発会議(TICAD7)が開催されます。私(大臣)は,今日,横浜で閣僚準備会合の議長を務める予定にしております。8月28日から30日まで,TICAD7のテーマ別会合(ブルーエコノミー)で議長を務めるほか,訪日される各国の外務大臣などと会談を行いたいと思っております。また,TICADと併せて,アフリカの角,サヘル,それから西インド洋,こうしたことに関する特別会合が開かれますので,それに出席します。
 この会議にはアフリカの首脳が非常に多くいらっしゃいます。またアフリカの地域機関,国際機関,パートナー国,アジア各国,民間企業,市民社会,様々な分野から非常に多くの方が参加をしてくださることが見込まれており,アフリカの成長に焦点を当て,どちらかというとこれまでの援助主体の議論から,民間投資主体の議論にしていきたいと思っております。
 TICAD7のテーマ,「アフリカに躍進を!ひと,技術,イノベーションで。」というテーマの下,21世紀,最大のフロンティアとも呼ばれておりますが,アフリカのオーナーシップの下での発展を日本の官民挙げて,むしろできれば民に主導的にリーダーシップをとっていただいて,後押しをしていきたいと思っております。また8月30日には東京都内で第3回野口英世アフリカ賞授賞式,および記念晩餐会に出席する予定にもしております。

(2)ABEイニシアチブ広報動画(ODAマン)

【河野外務大臣】私(大臣)が外務省のODAキャラクターに任命をしたことになっている「ODAマン」の新作アニメ動画が,今月13日から公開されています。TICADの前に,国民の皆さまに日本とアフリカのつながりをより身近に感じていただけるように,アフリカからABEイニシアチブで日本に学びに,あるいはインターンに来るアフリカの若者を紹介する動画となっております。外務省YouTubeチャンネルでご覧いただけますので,多くの方に是非見ていただきたいと思っております。

イラン情勢(ザリーフ外相の訪日)

【共同通信 丹羽記者】先ほど外務省から,河野大臣が今日イランのザリーフ外相と会談されると発表されましたけれども,いま具体的にどういったことを話そうと考えていらっしゃるのでしょうか。

【河野外務大臣】いつでしたか,ザリーフ外務大臣に訪日をしていただきましたが,引き続き中東の緊張緩和について意見交換をしっかりとやりたいと思っております。

【時事通信 越後記者】イランは9月の上旬にも,ウランの濃縮率を更に高める可能性を示唆していますけれども,イラン核合意については日本の立場を改めて今回お伝えになるお考えなのでしょうか。

【河野外務大臣】イランに対しては,日本はJCPOAを一貫して支持している旨お伝えしてきております。日本としては,先般安倍総理と私(大臣)がテヘランを訪問させていただき,ハメネイ最高指導者並びにローハニ大統領から,イランは核兵器を開発する意思はないということを明言していただいております。平和利用のための濃縮であるならば,当然にその量あるいは濃縮の割合といったものには一定の制約があると思っておりますので,イランに対してはこのJCPOAに定められた枠組みに,一刻も早く戻っていただきたいと思っております。

G7,首脳会議での総括文書採択

【読売新聞 阿部記者】昨日閉幕したG7で,マクロン大統領は首脳宣言を採択しない方針を示されていましたが,最終的に5項目について文書がとりまとめられました。政府としてはこの文書は首脳宣言としてとらえていらっしゃいますでしょうか。

【河野外務大臣】首脳宣言という紹介をされているのではないかと思っております。詳細は事務方に確認をしていただきたいと思います。

南シナ海問題

【ベトナム通信社 ダオ記者】
(以下は英語にて発言)

 最近,多くの国々が,中国の一方的な活動による南シナ海の緊張の高まりに深刻な懸念を表明しています。この活動は,国際法,主権,主権的権利,管轄権を重大に侵害し,ベトナムの排他的経済水域や南シナ海で長年にわたり正当に行われている石油やガスの掘削活動を妨げています。この問題について,大臣はどのようにお考えでしょうか。

【河野外務大臣】
(以下は英語にて発言)

 南シナ海は日本をはじめ多くの国にとって重要なシーレーンであり,地域の平和と安定に直結するため,日本を含む国際社会は南シナ海情勢に細心の注意を払っています。日本は,いかなる主体によるものであれ,南シナ海の緊張を高める行為に反対します。私は,先般バンコクにおいて開催されたEAS外相会議においても,南シナ海における厳しい情勢や,一方的な現状変更の試みに関して深刻な懸念を表明し,いかなる国によるものであっても,他国に対する威圧的な行為に対して,国際社会は反対を表明するべきだと述べました。私は,全ての関係国に,南シナ海に設置された施設の非軍事化,及び国連海洋法条約を含む国際法に従った紛争の解決を要請します。我が国は,南シナ海の緊張を高めるいかなる行為にも反対し,国際法に基づく紛争の解決を支持してまいりました。今後とも,南シナ海だけでなく,世界中どこにおいても法の支配を維持することが必要だということを強調していきたいと思います。

GSOMIA破棄(韓国国務総理発言)

【産経新聞 力武記者】李洛淵(イ・ナギョン)韓国首相が,昨日,日本の輸出管理見直しが元に戻ればGSOMIA破棄の見直しも検討するという考えを示しました。輸出管理をめぐっては,明日28日に政令が施行されることになっていますけれども,これを施行する考えに今のところお変わりはないかということについて,今の日本政府の考えを教えてください。

【河野外務大臣】輸出管理の問題については,経産省にお問い合わせいただきたいと思います。

G7サミット(ロシアの復帰)

【時事通信 越後記者】今回のG7のサミットの中で,ロシアのサミット復帰について協議されましたけれども,ロシアがG8から抜けた経緯にはクリミア半島の併合という事案があったんですけど,これに関して日本の立場は,今いかがでしょうか。

【河野外務大臣】クリミア併合は認めないというのが,我が国の立場でありまして,それに変わりはございません。

【時事通信 越後記者】ロシアのG7復帰についての日本の立場はいかがでしょうか。

【河野外務大臣】かつてG8という会合があったわけですから,諸般の条件が整えばロシアが戻ってくるG8というのは,決して考えられないことではないと思っておりますが,諸般の条件が整うのにどれくらいの時間がかかるかというのは,これは分からないところです。かつてG7の外相会合の中で,私(大臣)もいずれ将来,ロシアを含むG8ということは様々な条件が整えば,考慮の対象になり得るということを申し上げたことはございます。

GSOMIA破棄(韓国国務総理発言)

【東亜日報 キム記者】日韓関係なんですけれども,昨日,李洛淵総理から輸出管理のみならずGSOMIAについても,日本の措置が元に戻ればGSOMIAを再検討する可能性があると発言がありましたけれども,これについてどう受け止めていますか。

【河野外務大臣】GSOMIAと輸出管理というのは全く次元の違う話だということは申し上げております。我が国としては,様々な問題について一貫した立場に基づいて,韓国側に懸命な対応をしていただきたいと思っております。

イラン情勢(ザリーフ外相の訪日)

【NHK 高野記者】イランのザリーフとの会談について戻るんですが,有志連合の参加の是非等について,どのような議論を今日交わそうと思ってらっしゃいますか。

【河野外務大臣】どういう話題になるかまだ何も決まっておりません。

日韓関係

【フランクフルター・アルゲマイネ ウェルター記者】
(以下は英語にて発言)

日韓関係についてお伺いします。韓国政府関係者,外務省関係者からは,日本は歴史の理解が十分ではないという声が聞かれ,このことが韓国側にとって,GSOMIAや輸出管理運用をめぐる対立の根本になっているように見えます。韓国側の日本に対する批判に,どのようにお答えになりますか。

【河野外務大臣】
(以下は英語にて発言)

日韓間において今最大の問題は,1965年の協定に関するものです。もし韓国が歴史を書き換えようとするならば,それは実現できないことを韓国側は理解すべきです。