1. 1 本20日(現地時間同日),ケニア共和国の首都ナイロビにおいて,我が方堀江良一駐ケニア大使と先方ウクル・ヤタニ財務・計画長官代行(Hon. Ukur Yatani, Acting Cabinet Secretary of the National Treasury and Planning)との間で,円借款2件及び無償資金協力1件に関する交換公文の署名及び書簡の交換が行われました。

    2 円借款案件の概要及び供与条件

    (1)案件概要

    ア 「モンバサ経済特区開発計画(第一期)」(供与限度額:370億9,000万円)
     この計画は,モンバサ港南岸のドンゴクンドゥ地域において,モンバサ経済特区の港湾,基幹道路及び電力供給施設等のインフラを整備することにより,物流能力の向上及び電力供給の安定化を図り,同経済特区の投資環境の改善に寄与するものです。これにより,経済特区内に建設される港湾において,60,000台/年の車両取扱及び15,000TEU/年のコンテナ取扱(事業完成2年後(2026年))が見込まれます。

    イ 「モンバサゲートブリッジ建設計画(第一期)」(供与限度額:478億円)
     この計画は,モンバサ島と南部のリコニ地区を繋ぐ橋梁建設及び道路改良をすることにより,モンバサ島内の交通渋滞緩和及びモンバサ地域の交通や物流の円滑化を図り,ケニア共和国及び近隣諸国の経済活動の活性化に寄与するものです。これにより,年平均日交通量が約5,700台/日から約30,400台/日(事業完成2年後(2029年))に増加することが見込まれます。

    (2)供与条件

    ア  金利 年0.10%(ただし,コンサルティング・サービス部分:年0.01%)
    イ  償還期間 40年(12年の据置期間を含む)
    ウ  調達条件 本邦技術活用条件(STEP)

    3 無償資金協力「ドンゴクンドゥ地域モンバサ経済特区におけるインフラ整備計画」(供与額:60億円)の概要

     この計画は,モンバサ港南岸のドンゴクンドゥ地域において,モンバサ経済特区開発に必要な給水施設の建設,雨水排水路の改修及び土地の造成等を行うことにより,給水能力の強化及び雨水排水の安定化等を図り,同経済特区における投資環境の改善に寄与するものです。これにより,対象地域で2,000㎥/日の給水が可能となることが見込まれます。

    4 我が国は,2019年8月に開催した第7回アフリカ開発会議(TICAD7)において,「質の高いインフラ投資に関するG20原則」を踏まえた質の高いインフラ投資の推進を表明(PDF)別ウィンドウで開くしており,この協力は同表明を具体化するとともに,東アフリカ北部回廊の玄関口であるモンバサ地域の開発を通して,自由で開かれたインド太平洋の実現に寄与するものです。

    [参考]ケニア共和国基礎データ
     ケニア共和国の面積は約58万平方キロメートル(日本の約1.5倍),人口は約5139万人(2018年,世界銀行),一人当たり国民総所得(GNI)は1,620米ドル(2018年,世界銀行)。