令和元年11月6日
水産庁

太平洋クロマグロの加入量水準について、2018年生まれの全体の加入量水準(第4報(最終))及び2019年の南西諸島海域生まれの加入量水準(第1報)を公表いたします。

1. 経緯

水産庁は、20137月及び20147月の北太平洋まぐろ類国際科学委員会(ISC)の勧告(注1)に基づき、国立研究開発法人 水産研究・教育機構と協力し、太平洋クロマグロの加入(注2)動向を迅速に把握するためのモニタリングを強化しています。

今回は、2018年生まれについての加入量水準の推定結果及び2019年の南西諸島海域生まれについての加入量水準をお知らせします(注3)。

(注1)ISCの管理勧告(抜粋) 「親魚資源量が低水準にあること及び加入の不確実性を考慮し、加入動向を迅速に把握するための、加入モニタリングを強化すべき。」
(注2)生まれた個体が成長、生残して新たに漁業の対象に加わることをいいます。太平洋クロマグロでは、ふ化後23ヶ月、体長20センチメートル程度から漁業の対象となります。
(注3)2014年から、その年に生まれた太平洋クロマグロの加入量水準について、モニタリングで順次得られるデータに応じて、概ね10月、12月、翌年5月を目途にモニタリングに基づく速報を公表するとともに、翌年10月を目途に過去のデータと比較した推定結果を公表しています。太平洋クロマグロの加入量情報更新の流れについては、添付資料を御覧ください。

2. 概要

2018年生まれの全体の加入量水準(第4報(最終))
「2018年生まれの加入量指標は、2014年や2015年を上回るが、過去38年の平均を下回る水準だった。」
・資源評価に使用している、1980年からの各年漁期(7月から翌年6月)の曳縄漁船の小型魚CPUE(漁獲努力量あたり漁獲量)を長期加入量指標として分析しました。
・正式な加入量の推定値は、資源評価において、本加入量指標に加え他の漁業データも合わせて総合的に分析され、確定されます。

2019年の南西諸島海域生まれの加入量水準(第1報)
「2019年の南西諸島海域生まれの加入量は、前年より高く、2011年以降の調査期間において最も高水準である可能性が高い。」

・太平洋側南部および九州西部(注4)で操業した曳縄モニタリング船(注5)について、夏季(7~8月)のCPUE(漁獲努力量あたり漁獲尾数)を南西諸島海域生まれの加入動向の指標として分析しました。

・2019年における夏季の曳縄モニタリング船CPUEは、2011~2018年平均の172%、前年の133%でした。

詳しい内容については、水産研究・教育機構作成の添付資料を御覧ください。
なお、2019年生まれの次回の速報(第2報)は、本年12月頃を予定しています。

(注4)太平洋側南部は、宮崎県、高知県、和歌山県、三重県。九州西部は、長崎県。
(注5)2011年からモニタリングを開始。 2019年は31隻のヨコワ曳縄漁船の操業データを使用しています。

(参考)
平成30年10月17日付けプレスリリース「太平洋クロマグロ「2017年の全体加入量水準」及び「2018年の南西諸島海域生まれの加入量水準」(2018年10月)について」
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/sigen/181017.html
平成30年12月26日付けプレスリリース「太平洋クロマグロ「2018年の日本海生まれの加入量水準」について(2018年12月)」
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/sigen/181226.html
令和元年5月31日付けプレスリリース「太平洋クロマグロ2018年生まれの加入量水準について(2019年5月)」
http://www.jfa.maff.go.jp/j/press/sigen/190531_22.html
水研HPリンク「太平洋クロマグロの加入量モニタリング速報」※最新版及び過去の記事をご覧いただけます。
http://fsf.fra.affrc.go.jp/maguro20/maguro20.htm

<添付資料>
太平洋クロマグロ2018年生まれ加入量モニタリング情報(第4報)
太平洋クロマグロ2019年生まれの加入量モニタリング速報(第1報)
太平洋クロマグロ(20xx年生まれ)の加入量情報更新の流れ

お問合せ先

増殖推進部漁場資源課

担当者:国際資源班 森田、清水、屋敷
代表:03-3502-8111(内線6803)
ダイヤルイン:03-6744-2380
FAX番号:03-3592-0759

(モニタリングの内容について)
国立研究開発法人水産研究・教育機構 国際水産資源研究所
担当者:くろまぐろ資源部 岡本、塚原、中塚
電話:054-336-6032