2019年11月28日

宮本経済産業大臣政務官は11月27日、マニラにおいて開催された、第一回CEFIA官民フォーラムに出席いたしました。初回を記念し、オープニングは、ASEAN+3新再生可能・省エネルギーフォーラムと合同によるオープニングセッションを開催し、多くの関係者にご参加いただきました。
また、フィリピンのクシエネルギー大臣と会談を行い、今後のエネルギー分野での協力について意見交換を行いました。
第一回CEFIA官民フォーラムでは、多くの発表者が、低炭素技術導入と関連する制度整備をセットで、かつ官民協働で取り組むことでファイナンスに接続することが重要であると強調し、今後のCEFIAを通じた活動への期待が表明されました。

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1.ASEAN+3新再生可能・省エネルギーフォーラム及び第一回CEFIA官民フォーラム合同オープニングセッション

ASEAN10ヶ国に加え、日、中、韓のエネルギー分野における政府関係者、国際機関、大学、民間企業等が参加した合同オープニングセッションでは、エネルギー需要が増大するアジアにおいて、ASEAN地域のエネルギー転換と低炭素社会の実現をビジネス主導で目指すことの重要性が確認されました。また、これを実現するため、各国の官民関係者が国際協力に向けて連携していくことが確認されました。なお、日本からは宮本経済産業大臣政務官が出席し、ASEANでの低炭素社会実現に向けて、開会挨拶を行いました。

今回のハイレベルセッションのポイントは以下の通りです。

(1)クシエネルギー大臣、宮本大臣政務官による開会挨拶

  • クシエネルギー大臣からは、自国及びASEAN大での省エネルギー・再生可能エネルギー推進に向けた取組が紹介されるとともに、これらを一層促進するプラットフォームとしてCEFIAへの期待が表明されました。
  • 宮本大臣政務官からは、CEFIAは、政府、民間企業、国際機関、金融機関が一同に会し、技術と制度とファイナンスが一体となった低炭素社会実現のあり方を議論する貴重な機会であると強調されました。

(2)ASEAN Center for Energy(ACE)、韓国貿易産業エネルギー省、アジア開発銀行による挨拶

  • ACEからは、これまでASEAN+3エネルギー大臣会合の下で取り組んできた政府レベルでの活動に加えて、官民連携による活動を推進することの必要性が強調されました。
  • 韓国貿易産業エネルギー省からは、本年G20アクションプランを具現化したものがCEFIAであることを評価するとともに、自国のASEANへのエネルギー協力内容を紹介。
  • アジア開発銀行からは、気候変動への資金協力の4原則(経済成長、貧困層への配慮、持続可能性、強靱性・適応)の紹介があるとともに、気候変動の対応には低炭素技術のイノベーションが重要であると表明された。
  • 合同ハイレベルセッション①の画像合同ハイレベルセッション①
  • 合同ハイレベルセッション②の画像合同ハイレベルセッション②

2.クシエネルギー担当大臣とのバイ会談

今回の会合でホストを務めたクシエネルギー大臣と会談を行いました。
フィリピンにおける電力、省エネルギー等の分野での協力や連携、今後のCEFIAの活動を深化させるための意見交換を行いました。具体的には、島嶼部における電力アクセスの改善や、運輸部門の低炭素化といったテーマについて、CEFIAを通じた協力を行うことを確認しました。

  • クシ大臣との会談の画像クシ大臣との会談

3.第一回CEFIA官民フォーラムの開催

第一回CEFIA官民フォーラムでは、CEFIAのキーコンセプトと今後の協力に向けた可能性、CEFIAにおいて活動するプロジェクト(フラッグシッププロジェクト)の紹介及び各国におけるベストプラクティスの共有、ファイナンス等エネルギー転換と低炭素化を加速させる事項について議論しました。

今回のCEFIA官民フォーラムのポイントは以下の通りです。

(1)セッション1:CEFIAのコンセプトと今後の協力について

CEFIA創設の目的、活動、3要素(低炭素技術・制度・資金)、ACEからの協力可能性に関する紹介、ASEAN+3各国民間企業及び国際エネルギー機関(IEA)からの期待等についてのプレゼンテーションと意見交換が行われました。

(2)セッション2:フラッグシッププロジェクトアイデアの紹介

CEFIAにおいて活動するフラッグシッププロジェクトの候補として、ゼロ・エナジー・ビルディング(ZEB)、工場等の自動制御技術(RENKEI)、Fin-Tech技術、台風下でも稼働可能な風力発電が紹介されました。また、ACEからはASEANエネルギー行動計画が紹介され、CEFIAフラッグシッププロジェクト組成の優先事項が示されました。また、経産省からは、アジアにおけるグリーンファイナンス獲得のための企業価値向上であるTCFDの概念が紹介されました。

(3)セッション3:CEFIAを通じた企業価値、ファイナンス獲得の向上

ACE、アジア開発銀行、フィリピン土地銀行、アジア太平洋開発金融機関協会の専門家によるパネルディスカッションが行われ、低炭素技術導入による市場創出に向けた政府と民間の役割、金融機関の役割、CEFIAの活動とSDGsやESGとの接続の在り方等について活発な意見が交わされました。

本フォーラムを通じて、環境と成長の好循環の実現のためには、官民による協働が重要であり、具体的には、ビジネス主導で低炭素技術の導入を進めるとともに、それを支援するための制度を政府が構築して運用する、という体制を築くことが不可欠だと考えております。
今後も、次回開催に向けて、本議論を踏まえ、低炭素技術やグリーンファイナンスの取組の推進に向け、ASEAN各国と連携していきます。

  • 第一回CEFIA官民フォーラム①の画像第一回CEFIA官民フォーラム①
  • 第一回CEFIA官民フォーラム②の画像第一回CEFIA官民フォーラム②

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