(令和2年3月5日(木曜日)17時13分 於:本省中央玄関ホール)

冒頭発言

【茂木外務大臣】習近平国家主席のですね,国賓訪日につきましては,今年の春ということで調整を進めてまいりましたが,お互いが都合が良い時期に行うということで改めて調整を進めるということになりました。
 若干詳しく申し上げますと,習近平国家主席の国賓訪日につきましては,先週,日中の外相会談,さらには,訪日しました楊潔チ中国共産党政治局委員との間でですね,議論を行ったところであります。
 これらの議論を踏まえましてですね,日中間で引き続きやり取りを行ってきた結果,双方は,現下最大の課題であります新型コロナウイルス感染症の拡大防止を最優先する必要があり,また,習近平国家主席のですね,国賓訪日を十分成果が上がるものとするためには,両者でしっかりと準備を行う必要がある,こういう認識で一致しました。
 これまで,先ほど申し上げたとおりですね,訪日については,今年の春ということで調整を進めてきましたが,これらの観点からですね,双方の都合の良い時期に行うことで改めて調整していくこととしました。具体的な時期につきましては,今後,両国間の外交ルートを通じて,緊密に調整していくこととしました。
 習近平国家主席の国賓訪日については,日中両国が地域・国際社会が直面する課題に,共に責任を果たしていくことを内外に示す機会にしていくとの考えに変わりはありません。日中間でしっかりと調整していきたい,このように思います。

質疑応答

【記者】このタイミングでの決定というのは,何かフェーズが変化したという風にとらえられたということでしょうか。

【茂木外務大臣】これまでもですね,具体的な日程をどうするかということについては調整してまいりました。そして先週の外相会談,さらには楊潔チ政治局委員との会談などですね,現下のコロナウイルスについての状況,また,習近平国家主席のですね,十年に一遍というですね,国賓訪日,こういった意義,こういったことについては認識を一致させました。その上で,具体的日程は改めて調整する,そして,今日ですね,そうしたことが決まったということです。

【記者】改めて都合の良い時期を探るという作業自体は,新型コロナウイルスに何らかの目処がついた時点で始められるのか,あるいは不断に言い続けられるのか。

【茂木外務大臣】基本的にはこういった状況全体をみながらですね,調整・やり取りを進めていくということになると思っているのですが,冒頭申し上げたようにですね,今,日中双方にとって,また,国際社会にとっても新型コロナウイルス感染症の拡大を防止していく,そして沈静化を図っていく,最大の課題であると,これは間違いないと思っておりますし,同時にやはり習主席の国賓訪日,これを大きな成果の上がるものにしていく,これも日中共通の目標でありますから,そういったものを睨みながら改めて調整していきたいと思います。

【記者】国家主席の訪日延期に伴うという訳ではないですが,それほどの事態ということで,今後中国,あるいは韓国やイランといった国々に何らか日本への入国の制限をかけるということはお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】現時点でそいういうことは決まっておりません。ただ,水際対策を含めてですね,この感染症の拡大の防止,こういったことについては不断のですね見直し措置を行いながら,しったりした対策,これを執っていきたい。

【記者】時期が具体的には今後調整ということなんですが,秋以降が有力という見方も一部にありますけれども,それについてどうお考えかという点と,成果について,第五の政治文書というものを念頭に今後模索するのか教えてください。

【茂木外務大臣】今春予定しておりました,国賓訪日,日程を改めて調整するということに今日決まったわけでありますから,今後の日程についてはさらにですね,これから外交ルートで調整を行っていきたい,こんな風に思っておりますが,当然様々な外交スケジュール・政治日程等等もあるわけでありまして,そういったものをお互いに睨みながら決定をしていきたいそんな風に思います。

【記者】第五の政治文書についてはどうでしょうか。

【茂木外務大臣】様々な準備,しっかりと成果があるようにですね,準備を進めていきたいと思います。

【記者】今回,日中の間では尖閣諸島周辺の領海侵入ですとか,食品の輸入規制の問題など,こうしたそもそも訪日に合わせて首脳間で話す重要な機会であったと思うんですけれど,再調整になったことで日中関係に与える影響,大臣としてどのように考えているか御願いします。

【茂木外務大臣】御案内のとおりですね,日中の関係,2018年のですね首脳間の往来,これの再開によりですね,現在首脳レベル,そして外相レベルで頻繁な往来を重ねております。そういった意味で完全に正常な軌道に戻っているということは間違いないと思います。その一方で,日中間にはですね,解決しなければならない課題もあるわけでありまして,こういった往来,そしてまた交流を通じてですね諸懸案を同時に解決に持って行く,こういったことも重要だと思っております。当然ですね,習主席の訪日,大きな成果を上げるものにしたいと思っておりますが,同時に様々な課題につきましては日頃から外交ルートでですね,いろんなやり取りを行っている訳でありまして,そういった中でも解決できるものは一つ一つ解決をし,また前進できるものは一つ一つ前進をさせていきたい,こんな風に考えております。

【記者】一部報道で,中国と韓国からの入国制限措置を実施する,検討しているという報道ありましたけれども,これの検討状況について教えてください。

【茂木外務大臣】先ほどお答えしたとおりです。