2020年3月23日

経済産業省は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)における2020年度の買取価格・賦課金単価等を決定しました。

1.2020年度の買取価格

調達価格等算定委員会の「令和2年度の調達価格等に関する意見」を尊重し、以下の赤字箇所のとおり決定しました。

(1)太陽光発電

①住宅用太陽光発電(10kW未満)

電源 規模 (参考)
2019年度
 
2020年度
住宅用太陽光発電
(出力制御対応機器設置義務なし)
10kW未満 24円 21円
住宅用太陽光発電
(出力制御対応機器設置義務あり)
26円

②事業用太陽光発電(10kW以上50kW未満)

電源 規模 (参考)
2019年度
 
2020年度
事業用太陽光発電 10kW以上
50kW未満
14円+税 13円+税

※2020年度から、自家消費型の地域活用要件が設定されます。

③事業用太陽光(50kW以上250kW未満)

2020年度の買取価格を決定します。

電源 規模 (参考)
2019年度
 
2020年度
事業用太陽光発電 50kW以上
250kW未満
14円+税 12円+税

④事業用太陽光(250kW以上)

2020年度の買取価格は、入札により決定します。

(2)着床式洋上風力発電

2020年度の買取価格は、入札により決定します。

(3)一般木材等バイオマス発電・バイオマス液体燃料

①一般木材等バイオマス発電(10,000kW未満)

電源 規模 (参考)
2019年度
 
2020年度
バイオマス発電
(一般木材等)
10,000kW
未満
24円+税 24円+税

②一般木材等バイオマス発電(10,000kW以上)・バイオマス液体燃料(全規模)

2020年度の買取価格は、入札により決定します。

参考

上記以外の買取価格については、以下のとおり、これまでに決定しています。

(1)風力発電(着床式洋上風力発電以外)

電源 規模 (参考)
2019年度
(参考)
2020年度
陸上風力発電
 
全規模 19円+税 18円+税
陸上風力発電
(リプレース)
16円+税 16円+税
洋上風力発電
(浮体式)
36円+税

(2)地熱発電

電源 規模 (参考)
2019年度
(参考)
2020年度
(参考)
2021年度
地熱発電 15,000kW未満
 
 
40円+税
地熱発電 15,000kW以上
 
 
26円+税
地熱発電
(全設備更新型リプレース)
15,000kW未満 30円+税
地熱発電
(全設備更新型リプレース)
15,000kW以上 20円+税
地熱発電
(地下設備流用型リプレース)
15,000kW未満 19円+税
地熱発電
(地下設備流用型リプレース)
15,000kW以上 12円+税

(3)中小水力発電

電源 規模 (参考)
2019年度
(参考)
2020年度
(参考)
2021年度
中小水力発電 200kW未満
 
34円+税
中小水力発電 200kW以上
1,000kW未満
 
29円+税
中小水力発電 1,000kW以上
5,000kW未満
 
27円+税
中小水力発電 5,000kW以上
30,000kW未満
 
20円+税
中小水力発電
(既設導水路活用型)
200kW未満 25円+税
中小水力発電
(既設導水路活用型)
200kW以上
1,000kW未満
21円+税
中小水力発電
(既設導水路活用型)
1,000kW以上
5,000kW未満
15円+税
中小水力発電
(既設導水路活用型)
5,000kW以上
30,000kW未満
12円+税

(4)バイオマス発電(一般木材等バイオマス発電・バイオマス液体燃料以外)

電源 規模 (参考)
2019年度
(参考)
2020年度
(参考)
2021年度
バイオマス発電
(メタン発酵バイオガス)
全規模 39円+税
バイオマス発電
(未利用材)
2,000kW未満 40円+税
2,000kW以上 32円+税
バイオマス
(建設資材廃棄物)
全規模 13円+税
バイオマス
(一般廃棄物・その他)
全規模 17円+税

2.2020年度の賦課金単価

1.の買取価格を踏まえて算定した結果、2020年度の賦課金単価は、1kWh当たり2.98円と決定しました。目安として一ヶ月の電力使用量が260kWhの需要家モデルの負担額を見ると年額9,288円、月額774円となります。

なお、2020年度の賦課金単価は、2020年5月検針分の電気料金から2021年4月検針分の電気料金まで適用されます。

賦課金単価算定根拠

賦課金単価 2.98円/kWh=

買取費用 3兆8,478億円 - ②回避可能費用 1兆4,774億円 + 費用負担調整機関事務費 3.2億円
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
販売電力量 7,967億kWh

内訳

  2019年度における想定 2020年度における想定 主な要因
①買取費用 3兆5,833億円 3兆8,478億円
  • 2020年度から新たに運転開始する再エネ発電設備
②回避可能費用等 1兆1,546億円 1兆4,774億円
  • 再エネ電気の買取量の増加
  • 燃料価格に連動する回避可能費用単価の減少
  • 2018年度までに導入が見込みを下回ったことに伴う剰余金の活用
③販売電力量 8,237億kWh 7,967億kWh
  • 前年の販売電力量実績とこれまでの販売電力量の減少傾向を反映して推計

※減免費用のうち、賦課金負担となる分の電力量を控除

担当

資源エネルギー庁 省エネルギー・新エネルギー部 新エネルギー課長 清水
担当:梶、樋口、鴨志田、小松、瀧桐

電話:03-3501-1511(内線 4551~6)
03-3501-4031(直通)
03-3501-1365(FAX)