令和2年9月12日

第27回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合1

第27回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合2

 9月12日午前10時頃から午後1時半頃まで、オンライン形式にて、第27回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合が開催され、日本側から茂木敏充外務大臣が出席しました。

1 新型コロナウイルス感染症への対応
 茂木大臣からは、「新型コロナの世界的拡大の局面転換には、ワクチン・治療薬の開発・普及が不可欠。人口が少ない国や途上国に対しても、公平にワクチンへのアクセスが確保されることが極めて重要。このためには、CEPI、Gavi等を通じたCOVAXファシリティといった、国際的な枠組みが必要であり、日本も協力していく。」と述べました。
 これに対し、各国からは、新型コロナ対策やワクチンの開発・普及に関して、国際連携が重要である旨の発言がありました。

2 北朝鮮情勢
 茂木大臣から、「日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指す方針に変わりはないと述べ、米朝プロセスが、朝鮮半島の完全な非核化に向けた具体的な動きにつながることへの強い期待を表明しました。
 これに対し、各国からは、朝鮮半島の非核化及び安保理決議の完全な履行の重要性等を強調する旨の発言がありました。

3 東シナ海・南シナ海
 茂木大臣から、「インド太平洋の広大な海を自由で開かれた海とすることは、我々の共通の利益。」と述べた上で、「東シナ海及び南シナ海の現場の状況は悪化しており、こうした状況についてARF参加国と深刻な懸念を共有する。」と述べました。
 これに対し、各国からは、南シナ海における最近の事案への懸念が表明されるとともに、航行の自由や非軍事化の重要性、南シナ海行動規範(COC)が国連海洋法条約に合致する必要性等について発言がありました。

4 香港情勢
 茂木大臣から、昨今の香港情勢に関する重大な懸念を表明した上で、国家安全維持法の制定及びその後の運用を含む一連の動向は、『一国二制度』の原則に対する国際社会の信頼を損ねるものであり、香港が『一国二制度』のもとに自由で開かれた体制を維持し、香港市民や各国の国民・企業の自由と権利が尊重され、香港が民主的、安定的に発展していくことが重要と表明し、各国からも香港情勢への懸念が表明されました。

5 軍備管理・軍縮
 茂木大臣から、「主要核兵器国間の信頼醸成措置の実施は、この地域における繁栄及び安全な環境を確保するために、これまで以上に強く必要とされている。」旨述べた上で、中国が核兵器国として、また国際社会の重要なプレーヤーとしての責任を果たし、米中二国間で軍備管理に関する対話を行うことを関係各国と共に後押ししたい旨表明しました。