農林水産省
農林水産省は、東京都中央卸売市場に出荷される野菜の生育状況及び価格見通し(令和2年10月)について、主産地等からの聞き取りを行いましたので、その結果を公表します。
1.概要
近年、天候不順により野菜の価格変動が大きくなっている中で、野菜の生育状況や価格の見通しを情報発信するため、平成23年より、主産地、卸売会社、中間事業者等から聞き取りを行い、その結果を農林水産省ホームページに掲載しています。
今般、令和2年10月の野菜の生育状況及び価格見通しの聞き取り結果を次のとおり公表します。
なお、聞き取りを行った14品目の野菜の生育状況は、東京都中央卸売市場外において流通するものについても、同様の傾向です。
また、これまでの公表資料は、次のURLページで公開しております。
https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/yasai_zyukyu/
2.目的
この見通しは、直近の生育状況及び今後の生育と出荷の見通しから予測される、今後の価格見通しを公表することで、産地の出荷判断と消費者の購買行動の最適化を促し、野菜の供給及び価格の安定を図ることを目的としています。
このため、本見通しにおいて、安値水準で推移することが見込まれる品目については、産地は出荷数量の調整に努めるとともに、消費者は積極的な購入を行う等により消費の拡大に繋がることが望まれます。
また、高値水準で推移することが見込まれる品目については、産地は出荷数量の調整に努めるとともに、消費者においては一時的に安値品目の購入に切り替える等の行動に繋がることが望まれます。
野菜産地では、日頃から安定的な生産と供給に努めていますが、天候等の影響により出荷数量や価格が不安定になることがありますので、最適な出荷判断と購買行動へのご理解とご協力をお願いします。
3.現在の生育状況
品目 | 現在の生育状況 |
根菜類 (だいこん及びにんじん) |
・ だいこんは、平年並み。 ・ にんじんは、夏場の少雨や高温による乾燥の影響で、肥大が停滞し、細物傾向であったが、降雨や気温の低下に伴い、肥大は回復傾向。 |
葉茎菜類 (はくさい、キャベツ等) |
・ はくさいは、長野県において、9月半ば前後の少雨等による乾燥の影響で、生育がやや停滞していたが、適度な降雨に伴い、生育が徐々に回復してくる見込み。後続産地の茨城県は、生育良好。 ・ キャベツは、群馬県及び岩手県において、8月の少雨等による乾燥の影響で、肥大が遅延し、小玉傾向であったが、適度な降雨に伴い、肥大は回復傾向。後続産地の千葉県及び茨城県は、生育良好。 ・ ほうれんそうは、夏場の高温の影響で、生育不良が生じていたが、気温の低下とともに、回復傾向。 ・ ねぎは、平年並み。 ・ レタスは、9月の適度な降雨等に伴い、生育が良好で、肥大が進み、大玉傾向。 |
果菜類 (きゅうり、なす等) |
・ きゅうりは、概ね平年並み。気温の低下とともに、肥大が緩慢になっている。 ・ なす及びピーマンは、平年並み。 ・ トマトは、概ね平年並み。一部産地では、8月の高温の影響で、肥大遅延や着果不良が生じている。 |
土物類 (ばれいしょ、さといも 及びたまねぎ) |
・ ばれいしょ及びたまねぎは、平年並み。肥大が進み、大玉傾向。 ・ さといもは、平年並み。 |
4.今後の生育、出荷及び価格見通し
品目 | 主産地 ( )書きは令和元年 10月の入荷 シェア |
今後の生育及び出荷見通し | 価格見通し (平年(直近5か年 平均)比) |
|
10月前半 | 10月後半 | |||
だいこん | 青森(40%) 北海道(32%) 千葉(15%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、10月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。出荷終盤の青森県及び北海道と後続産地の千葉県との切り替わりは、順調に進む見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
にんじん | 北海道(92%) |
・ 主産地において、夏場の少雨や高温による乾燥の影響で、肥大が停滞し、細物傾向であったが、降雨や気温の低下に伴い、肥大は回復傾向であるため、10月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
はくさい | 長野(78%) 茨城(11%) |
・ 主産地の長野県において、9月半ば前後の少雨等による乾燥の影響により、生育が停滞していたが、適度な降雨に伴い、生育は回復してくる見込みであり、後続産地の茨城県において、生育が良好であるため、10月の出荷数量は平年をやや上回り、価格は平年を下回る見込み。 |
安値水準 で推移 |
安値水準 で推移 |
キャベツ |
群馬(54%) 千葉(14%) 岩手(11%) 茨城(11%) |
・ 主産地の群馬県及び岩手県において、8月の少雨等による乾燥の影響で、肥大が遅延し、小玉傾向であったが、適度な降雨に伴い、肥大は回復傾向であり、後続産地の千葉県及び茨城県とともに、生育が良好に推移する見込みであることから、10月の出荷数量は平年をやや上回り、価格は平年を下回る見込み。 |
安値水準 で推移 |
安値水準 で推移 |
ほうれんそう |
群馬(45%) 栃木(19%) 茨城(17%) |
・ 主産地において、夏場の高温の影響で、生育不良が生じていたが、気温の低下とともに、回復傾向であるため、10月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 | 平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
ねぎ |
青森(21%) 秋田(19%) 北海道(18%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、10月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
レタス | 茨城(57%) 長野(26%) |
・ 主産地において、9月の適度な降雨に伴い、生育が良好であるため、10月前半の出荷数量は平年をやや上回り、価格は平年を下回る見込みだが、出荷終盤の長野県は徐々に出荷数量の減少が見込まれるため、10月後半の出荷数量、価格ともに平年並みに戻る見込み。 |
安値水準 で推移 |
平年並み に戻る |
きゅうり |
群馬(26%) 埼玉(25%) 福島(14%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、10月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
なす |
高知(35%) 栃木(20%) 群馬(19%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、10月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
トマト |
福島(14%) 北海道(12%) 千葉(12%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、10月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 | 平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
ピーマン |
茨城(54%) 岩手(20%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、10月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
ばれいしょ |
北海道(99%) |
・ 主産地において、肥大が進み、大玉傾向であるが、出荷数量の大幅な増加までは見込まれないため、10月の出荷数量、価格とも平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
さといも | 埼玉(60%) 千葉(19%) |
・ 主産地において、生育が平年並みであるため、10月の出荷数量、価格ともに平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
たまねぎ | 北海道(93%) |
・ 主産地において、肥大が進み、大玉傾向であるが、出荷数量の大幅な増加までは見込まれないため、10月の出荷数量、価格とも平年並みで推移する見込み。 |
平年並み で推移 |
平年並み で推移 |
注:「平年並み」とは、平年との比率が80%以上、120%未満であることを示している。
<添付資料>
東京都中央卸売市場における指定野菜の価格の平年比(PDF : 51KB)
お問合せ先
生産局園芸作物課
担当者:朝倉、福田、熊谷
代表:03-3502-8111(内線4822)
ダイヤルイン:03-3502-5961
FAX番号:03-3502-0889