令和2年10月22日

 10月21日(現地時間同日)、パレスチナのラマッラにおいて、我が方、馬越正之パレスチナ関係担当大使兼対パレスチナ日本政府代表事務所長と先方ムハンマド・シュタイエ・パレスチナ暫定自治政府首相(H.E. Dr. Mohammad Shtayyeh, Prime Minister, Palestinian Interim Self-Government Authority)との間で、パレスチナに対する「教育の質及び環境改善のための学校建設計画」(供与額:24億6,400万円)に関する書簡の交換が行われました。

1 パレスチナにおいては、学校数・教室数の不足から、狭小・老朽化した教室の活用、二部制・三部制での授業実施を余儀なくされており、学校での一日当たり学習時間が短縮されていることに加え、二部制及び過密教室は中途退学のリスクを高めることが報告されています。加えて、学校数の不足から、長距離通学を余儀なくされている児童・生徒の存在も確認されています。また、パレスチナの人口増加率は2.5%と高く、今後2050年までに学齢人口が100万人増加するとの予測もあり、増え続ける学齢人口に対して質の高い教育を提供するために、教室数・学校数の増加が喫緊の課題となっています。

2 この協力は、パレスチナのヨルダン川西岸地区及びガザ地区において、就学前教室を含む初等・中等学校の建設及び教育機材の整備を行うことにより、初等・中等教育における学習環境の改善を図り、もって教育の質の向上に貢献するものです。

3 この協力を通じて、対象校においては、間借り、狭小、老朽化した教室で学ぶ児童・生徒数が、2019年の約2,000人から2026年には0人に減少する見込みであり、パレスチナの教育サービスの質が改善することが期待されます。

[参考]パレスチナ基礎データ
 パレスチナの面積は約6,020平方キロメートル(西岸地区は三重県と同程度、ガザ地区は東京23区の約6割)、人口約495万人(2017年、パレスチナ中央統計局)、人口一人当たりの国民総所得(GNI)は3,710米ドル(2018年、世界銀行)。