令和2年10月30日

 10月29日(現地時間同日)、ブラジル連邦共和国の首都ブラジリアにおいて、我が方、山田彰駐ブラジル連邦共和国日本国特命全権大使と先方クラウジア・ヴァレンズエラ国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)ブラジル事務所長(Ms. Claudia Valenzuela)との間で、供与額5.03億円の無償資金協力「医療機材供与を通じた保健システム強化計画(UNOPS連携)」に関する書簡の交換が行われました。

1 ブラジルにおいては、10月21日現在、新型コロナウイルス感染症の累積感染者数は529万8,772人(世界第3位)、累積死亡者数は15万5,403人(世界第2位)と新型コロナウイルスにより深刻な被害が生じており、同国の保健・医療体制の強化が喫緊の課題となっています。本計画は、ブラジルに対し、保健・医療関連機材を供与するもので、本計画を通じ同国の感染症対策及び保健・医療体制の強化に寄与することが期待されます。

2 新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大は、人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日、日本を含む全ての国の経済・社会にとっても大きな脅威であり、まさに人間の安全保障に直結した世界全体にとっての深刻な危機として国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ、途上国等の保健・医療体制が脆弱な地域における感染拡大防止は、在留邦人の健康・安全に直結するのみならず、我が国への感染症流入を予防する観点からも極めて重要であり、我が国の経済・社会にも大きく影響し得る喫緊の課題です。

3 我が国としては、新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化に向けて、引き続き、国際社会の取組を主導すべくこれらの国々の保健・医療体制の強化を支援していきます。更に、この支援が、「誰の健康も取り残さない」という目標の下、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現を含むSDGs達成のための基盤づくりに役立つことを期待しています。

[参考]ブラジル連邦共和国基礎データ
ブラジル連邦共和国は、面積約851.2万平方キロメートル(日本の22.5倍)、人口約2億947万人(2018年、世界銀行)。人口1人当たりの国民総所得(GNI)は約9,140米ドル(2018年、世界銀行)。