令和2年11月17日

 11月17日(現地時間同日)、アフガニスタン・イスラム共和国の首都カブールにおいて、我が方、髙橋良明在アフガニスタン日本国臨時代理大使と先方アブダッラー・アル・ダルダリ国連開発計画(UNDP)アフガニスタン常駐代表(Mr. Abdallah AL DARDARI, Resident Representative, UNDP Afghanistan)との間で、9億9,100万円を供与限度額とする無償資金協力「タジキスタン-アフガニスタン国境地域における生計改善促進計画」に関する書簡の交換が行われました。

  1. アフガニスタンは、長期化する紛争や近年頻発する災害により、国民の所得が依然として低い状況にあり、特に全人口の約8割が居住する農村部は、基礎インフラ整備が不足しており、主要な市場へのサプライチェーンが脆弱です。タジキスタンは、国土の93%が険しい山岳地帯であり、農村部は依然として十分なインフラ整備が進んでおらず、加えて国内及び国外周辺地域の主要な市場へのアクセスが困難な状況です。アフガニスタン及びタジキスタンは長い国境を接する隣国であり、特に国境地域において、低所得、不十分なインフラ整備等による貧困問題を抱えています。
  2. この協力は、両国の国境地域において、道路、灌漑用水路、農業関連機材等の基礎インフラを整備しつつ、職業訓練の実施や国境を跨いだ経済活動の促進を支援することにより、同地域における生計向上と両国間の関係強化を図り、ひいてはアフガニスタン、タジキスタンの持続的な経済・社会発展が可能な国づくりに寄与するものです。継続的な雇用が、アフガニスタンでは約2,800人、タジキスタンでは約1,500人創出され、また、基礎インフラの整備等による一時的な雇用は、アフガニスタンでは約9万人、タジキスタンでは約5万人創出されることにより、両国の国境付近の住民の生計が向上し、両国の国境を跨いだ経済活動が活性化することが期待されます。

[参考1]アフガニスタン・イスラム共和国基礎データ
 アフガニスタン・イスラム共和国の面積は約65.2万平方キロメートル(日本の1.7倍)、人口は約3,717万人(2018年、世界銀行)、1人当たりの国民総所得(GNI)は550米ドル(2019年、世界銀行)。

[参考2]タジキスタン共和国基礎データ
 タジキスタン共和国の面積は約14.3万平方キロメートル(日本の0.4倍)、人口は約930万人(2018年、世界銀行)、1人当たりの国民総所得(GNI)は1,030米ドル(2019年、世界銀行)。