令和2年12月7日

12月5日及び6日、青森県三沢市にて「日米交流の促進・相互理解の増進のためのプロジェクト」の第一回イベントが開催され、閉会式に鈴木隼人外務大臣政務官が出席したところ、概要は以下のとおりです。

1 「日米交流の促進・相互理解の増進のためのプロジェクト」の狙い

在日米軍施設・区域が所在する地域において、日米の中高生が、文化・教育交流を通じて、相互理解を深めるとともに、国際社会で活躍する人材を育成することを目的としています。

今般開催された三沢市でのイベントでは、「三沢市の特産品や伝統の祭り等を活かしつつ、三沢の魅力を発信する方途を企画する」をテーマに、日米の中学生約30名が交流しました。

今後、明年1月及び2月に、長崎県佐世保市及び山口県岩国市において順次開催予定です。

2 概要

(1) 開会式(1日目:12月5日(土曜日))

日本側から川埜周外務省北米局日米地位協定室長が、米側からトッド・シュリッツ米国防省教育部(DoDEA)太平洋地区理事長補佐官及びジェシー・J・フリーデル三沢空軍基地第35戦闘航空団司令官が出席しました。開会式の中で、川埜室長が茂木外務大臣による挨拶文(PDF)を代読しました。また、ジョセフ・ヤング駐日米国臨時代理大使がビデオ・メッセージを寄せ、「日米安全保障条約が締結されてから60年が経つ中、日米間は経済、芸術など安全保障以外でも様々な分野で交流し、相互の繁栄を促進しています。その意味で、米軍施設・区域は、若者の友好関係を築き、両国の絆を強化する次世代の交流の場としてふさわしい場です。」と述べました。

(2)学生によるプレゼンテーション(2日目:12月6日(日曜日))

参加した学生は日米混合の7チームに分かれ、「三沢市の特産品や伝統の祭り等を活かしつつ、三沢の魅力を発信する方途を企画する」をテーマに、2日間様々なアイディアを出し合い、企画した成果物について、英語でプレゼンテーションを行いました。

(3)閉会式及び修了式(2日目:12月6日(日曜日))

日本側から鈴木隼人外務大臣政務官及び小檜山吉紀三沢市長が、米側からジェームズ・B・ウェロンズ在日米軍副司令官が出席し、アンドリュー・リー在札幌米国総領事がビデオ・メッセージを寄せ、それぞれ概要以下のとおり挨拶しました。

 (ア)鈴木政務官

個人レベルの交流はお互いを理解するための第一歩です。そして、語学はそのために不可欠です。これは、私自身、外交の場で日々感じていることです。皆さんがこのプログラムを楽しみ、また、このプログラムを通して、お互いの言語や文化を学びたいという意欲がさらに高まったと願っています。この2日間での出会いを大切にし、今後も皆さんで交流を続けてもらえれば嬉しく思います。そのような友情はひいては日米関係の強化につながることでしょう。

(イ)小檜山市長

三沢市は、米軍施設・区域が所在する市町村の中でも、特に米軍と良好な関係を築いている自治体として知られています。今回のような交流は、三沢市が掲げる基地との共存・共栄を象徴するものであり、相互の理解を深めるために大きな役割を果たしています。本プログラムは、日米の学生が友好を深めながら、三沢の魅力について学ぶ、相互理解の深化に繋がる機会であったものと感じています。この2日間の活動を通して、三沢の魅力について再発見し、意見やアイディアを発信する方法を身に付け、お互いの文化、習慣や考え方を理解し合う有意義な機会になったのではないかと思います。

(ウ)ウェロンズ副司令官

同盟がいかに機能するかを考えるのは重要なことです。そして、同盟関係とは、さほど複雑なものではありません。国家間の関係は友情関係のようなものです。私たちは自分と同じ考えを持つ人と共に時間を過ごすことを好みます。そして、そのような友人を信頼します。これは国家間の関係でも同じです。日米は、価値観など多くの共通点を持ち、このような人的交流により同盟が強化されます。このプログラムを通して得た友情を大切にし続けてほしいと思います。

(エ)リー総領事

このプログラムは、日米関係が単なる安全保障の同盟ではないことを示す素晴らしい一例です。私たちは、様々なレベルで協力し、お互いから学んでいます。まさにこの週末に皆さんが経験したことです。だからこそ、日米関係は60年間もの固い絆で結ばれてきたのです。日米同盟は、相互理解と友情で成り立っています。この機会に築いた異文化間の友情を今後も継続させてほしいと思います。みなさんの中から、将来教師、市長、外交官になる人財が出てくるでしょう。その時、日米関係を導くのは、皆さんであり、今回築いた友情が、日米同盟の礎になります。

3 参加した日本人学生の感想(一部紹介)

  • 相手に何か伝えようとしても、英単語がわからずにうまく伝えられないと当初感じましたが、相手に思いを伝えたいという強い意思がある限り、絵を描いたり、ジェスチャーなどあらゆる手段を使って、コミュニケーションを図ることが出来ることを学びました。異文化交流で大切なものは、「相手に伝えたいという意思」と「相手の言う事を理解しようという思い」であり、もはや言葉の壁を乗り越えられたと思います。
  • 今回深められた友情を大切にしていきたいですし、今後もこうした機会があれば、ぜひ参加したいと思います。

 [参考1]実施形態

  • 主催:外務省
  • 開催協力:米国防省教育部(DoDEA)、 米空軍三沢飛行場、青森県三沢市教育委員会

 [参考2]今後の日程とテーマ

長崎県佐世保市

  • 日時:令和3年1月16日(土曜日)・17日(日曜日)及び1月23日(土曜日)・24(日曜日)
  • テーマ:未来の学校をつくる企画(日米の中高生がチームを組み未来の学校をつくる。)

山口県岩国市

  • 日時:令和3年1月30日(土曜日)・31日(日曜日)及び2月6日(土曜日)・7(日曜日)(2日間完結プログラムを2回実施する形で開催予定。)
  • テーマ:アート制作(色・音・身体を使って世界に想いを発信する。)