2020年12月25日

経済産業省はトランジション・ファイナンス環境整備検討会を金融庁、環境省とともに開催し、トランジション・ファイナンスの基本指針を策定します。さらに、モデル事業の実施により、低炭素化に向けた移行への資金供給の環境整備を進めます。

1.背景

世界的に脱炭素社会の実現への関心が高まっています。パリ協定の目標達成、2050年のカーボンニュートラルの実現のためには、省エネやエネルギー転換など着実な低炭素化に向けた「トランジション(移行)」への資金供給が不可欠です。

令和2年9月、経済産業省は、トランジション技術と革新的技術等の開発・実装/普及をファイナンス面で促進する「クライメート・イノベーション・ファイナンス戦略2020」を策定しました。このなかで、トランジション・ボンド、ローン等の新しい金融商品による資金調達の推進にあたっては、発行体・金融機関間の信用構築が重要との認識のもと、トランジション・ボンド、ローン等による資金調達を行う際の基本指針の策定および好事例の創出によるトランジションへの理解促進を政策課題に設定しました。

令和2年12月9日(水曜日)には、グリーンボンド原則等を公表している国際資本市場協会(ICMA)から、「トランジション・ファイナンス・ハンドブック」(以下、ハンドブック)が公表されました(和訳版は関連資料をご参照)。ハンドブックでは、「クライメート・イノベーション・ファイナンス戦略2020」についても紹介されています。

経済産業省は金融庁、環境省とともに、令和3年1月から「トランジション・ファイナンス環境整備検討会」を開催し、ハンドブックの内容も踏まえた上で、トランジション・ボンド、ローン等による資金調達を行う際の国内基本指針の策定を行います。
また、令和3年度には、トランジション・ボンド、ローン等による資金調達のモデル事例を公募し、好事例を創出するとともに、第三者評価機関によるレビュー費用への一部補助も行っていく予定です(令和3年度政府予算案に、関連予算を計上)。これらの取組を通じて、トランジションへの資金供給の環境整備を推進してまいります。

2.トランジション・ファイナンス環境整備検討会の概要

目的

国際原則を踏まえたトランジション・ファイナンス基本指針の策定

座長

伊藤邦雄 一橋大学CFO教育センター長

主催

金融庁、環境省、経済産業省

スケジュール

令和3年1月27日(水曜日)に第一回検討会を開催、来春基本指針を公表予定

その他

会議は率直かつ自由な意見交換を確保するため、非公開とします。会議後、当省ウェブサイトにおいて、配布資料及び議事要旨を公表する予定です。

関連資料

関連リンク

担当

産業技術環境局
環境経済室長 梶川
担当者:小川、松本、吉倉

電話:03-3501-1511(内線3453)
03-3501-1770(直通)
03-3501-7697(FAX)