令和3年1月29日

 1月28日(現地時間同日)、ウクライナの首都キエフにおいて、我が方倉井高志駐ウクライナ特命全権大使と先方ドミトロ・クレーバ・ウクライナ外務大臣(H.E. Mr. Dmytro KULEBA, Minister for Foreign Affairs of Ukraine)との間で、供与額2億円の保健・医療関連機材のための無償資金協力(「経済社会開発計画」)に関する書簡の交換が行われました。

  1. ウクライナは陸上国境で7か国、黒海を挟んだ海上国境を含めると計10か国と接しており、また欧州とアジアを結ぶハブ地点として航路でも多くの旅客の流入があるため、新型コロナウイルス感染症の海外からの流入リスクが高い国となっています。さらに、クリミア半島及び東部2州の被占領地域(同国政府の管理が一時的に及んでいない地域)からの感染者流入も懸念されており、保健・医療体制の強化が喫緊の課題となっています。本計画は、ウクライナに対し、MRIシステム等の保健・医療関連機材を供与することを通じて、同国の感染症対策及び保健・医療体制の強化に寄与することが期待されます。
  2. 新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大は、人の往来やモノの流通がグローバルに進展している今日、日本を含む全ての国の経済・社会にとっても大きな脅威であり、まさに人間の安全保障に直結した世界全体にとっての深刻な危機として国際社会全体が一致して取り組むべき課題です。とりわけ、保健・医療体制が脆弱な国々における感染拡大防止は、在留邦人の健康・安全に直結するのみならず、我が国への感染症流入を予防する観点からも極めて重要であり、我が国の経済・社会にも大きく影響し得る喫緊の課題です。
  3. 我が国としては、新型コロナウイルス感染症の一日も早い沈静化に向けて、引き続き、国際社会の取組を主導すべく保健・医療体制が脆弱な国々を支援していきます。さらに、この支援が、一人ひとりの健康を含む人間の安全保障を推進するとともに、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現を含むSDGs達成のための基盤づくりに役立つことが期待されます。

 ウクライナの面積は約60.36万平方キロメートル、人口は約4,205万人(クリミアを除く。2019年、ウクライナ国家統計局)、1人当たりの国民総所得(GNI)は3,370米ドル(2019年、世界銀行)。