(令和3年3月5日(金曜日)13時37分 於:本省会見室)

【茂木外務大臣】すみません、国会の方が午前中は少し遅れて、午後が少し早まっているみたいですので、そういう予定ですので、質問どうぞ。

中国全国人民代表大会

【NHK 山本記者】中国の全人代について伺います。今日から始まった全人代では、香港の選挙制度の整備が議題となり、審議される見通しとなっております。
民主派の影響力の排除につながる制度変更が行われると見られていますけれども、日本政府として、こうした中国側の動きをどのように見ていますでしょうか。

【茂木外務大臣】今日から、中国で全人代の開催をされておりまして、ご指摘の動きについても高い関心をもって注視しているところであります。昨今の香港情勢についての我が国の認識は、繰り返しお伝えしてきているとおりでありますが、これまでの一連の事案が、香港が享受してきた民主的、安定的な発展の基礎となる言論の自由や報道の自由にもたらす影響等について、重大な懸念を強めております。
 香港は、日本にとって緊密な経済関係及び人的交流を有する極めて重要なパートナーでありまして、「一国二制度」の下に、自由で開かれた体制が維持され、民主的、安定的に発展していくことが重要であるというのが、日本の一貫した立場であります。このような我が国の懸念と考えについて、これまでも様々な機会を捉えて、中国側に伝達をしてきております。
 いずれにしても、まずどういった情勢になるか、今日からですから、よく注視したいと思っております。

在日米軍による尖閣沖訓練計画

【読売新聞 福田記者】先日、在日米軍が尖閣諸島での有事を想定した訓練を計画していたという話があります。結局、悪天候によって実施されなかったようですが、尖閣有事を想定した訓練の実施について、バイデン政権が尖閣へのコミットを強化しているようにも見えますが、大臣の受けとめをお願いします。

【茂木外務大臣】在日米軍は、平素から日米安保条約の目的達成のために、必要な訓練等を実施してきておりますが、お尋ねにつきましては、米軍の運用に関わることでありまして、従来からお答えを差し控えております。
 米国との間では累次の機会に、日米安保条約第5条が尖閣諸島にも適用されることを確認してきておりまして、政府としては尖閣諸島を巡る情勢について、引き続き米国とも連携の上、冷静かつ毅然と対応していきたいと思っております。

日米豪印外ワクチン協力

【ロイター通信 竹中記者】今日、FT(Financial Times)の報道であったのですが、日本と米国とオーストラリアとインド、「クワッド」と言われるところが、アジア各国へのワクチンの供給、合同でそういったことをやろうじゃないかということで計画を練っているというものがございました。そういったような、今、動きというのは、どういった状況であるのかということが、日本はまだ自国のワクチンも頑張っているところですが、18日の「クワッド」の会合でもそういった話は出たんでしょうか。

【茂木外務大臣】日米豪印は「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、様々な分野で実践的な協力を進めるために、幅広く議論を行う場でありまして、ワクチンを含みます新型コロナ対策についても議論を行ってきております。2月18日の、日米豪印の外相電話会談においては新型コロナ対策について、途上国を含めて、ワクチンに対する公平なアクセスを確保するための国際協力の必要性、重要性について議論をし、日米豪印の連携を確認したところであります。そこまででありまして、それ以上のことは決まっておりません。

公務員倫理法

【インドネシアJIEF エコノミック・マンスリー スシロー記者】接待の問題ですけども、先ほど、総務大臣、谷脇総務審議官の調査が始まりますので、それは置いておいて、外務省の内部の規制を聞きたいですけれども、もし、そういう同じ問題が起きたら、どんな対応をすべきでしょうか。よろしくお願いします。

【茂木外務大臣】公務員倫理法、これはしっかりと守っていく、こういったことは極めて重要だと思います。

(国会日程の関係で終了)
【茂木外務大臣】主要な外交日程については、決まった時点で速やかに発表いたします。