令和3年3月15日

 3月15日(現地時間同日)、アフガニスタン・イスラム共和国の首都カブールにおいて、我が方、髙橋良明在アフガニスタン・イスラム共和国日本国臨時代理大使と先方デイビッド・レイ世界保健機関(WHO)アフガニスタン事務所長代行(Dr. David LAI, Representative, Officer in Charge, WHO Afghanistan Country Office)との間で、1億8,400万円を供与限度額とする無償資金協力「感染症対応能力強化計画」に関する書簡の交換が行われました。

  1. アフガニスタンは感染症の患者数が多い国の一つであり、同国の死因のうち感染症は24%を占めています。中でも結核による年間推定患者数は、2017年で約6万人以上と依然として多く、年間推定死亡者数は約1万人に上っています(2018年、WHO)。また、2019年にはクリミア・コンゴ熱の感染が全34県のうち33県という広範囲で確認される等、他の感染症の症例も多数確認されており、加えて、新型コロナウイルスの感染者数は増加が続いており、感染者は2021年3月時点で5万5千人以上に達しています。
  2. この協力は、WHOと連携して、アフガニスタンの感染症対策の中心であるカブール 市の感染症病院及び地方3県の県立病院に対して、感染症関連の検査及び医療機材の整備、並びに技術指導を行うことにより、感染症への対応能力の強化を図るものです。この協力により、感染症検査の対応能力(対象全病院合計の検査数)が、2020年実績値である96件/日から、234件/日に改善され、延べ人数316名の医療従事者が、感染症検査・治療対応の研修を受講することが可能となります。これらの機材整備及び技術指導により、新型コロナウイルスを含む感染症への対応能力の強化が期待されます。

 アフガニスタン・イスラム共和国の面積は約65.2万平方キロメートル(日本の1.7倍)、人口は約3,890万人(2020年、世界人口白書)、1人当たりの国民総所得(GNI)は550米ドル(2019年、世界銀行)。