令和3年5月20日

  1. 5月20日(現地時間19日)、国連開発計画(UNDP)は、人間の安全保障に関する特別報告書ハイレベル諮問パネルの設置を発表しました。昨年9月の国連総会一般討論演説において、菅総理大臣が、新たな時代の人間の安全保障について、世界の英知を集め、議論を深めていくことを提案したことに合致したものであり、日本政府はこのパネルの設置を歓迎します。
  2. 今後、このパネルは、UNDP人間開発報告書室が作成する人間の安全保障に関する特別報告書に対して助言を行います。このパネルの共同議長として、ラウラ・チンチージャ元コスタリカ大統領とともに、我が国から、武見敬三参議院議員が参加し、特別報告書作成に向けた議論をリードしていくこととなります。
  3. 政府としては、このパネルで活発な議論が行われ、持続可能な開発目標(SDGs)達成を始めとする地球規模の課題への取組を加速するため、新たな時代の人間の安全保障についての議論が深まることを期待しています。

 有識者・政策立案者が個人の資格で参加する独立したグループ。人間の安全保障については、1994年に国連開発計画(UNDP)の人間開発報告書にて初めて公に取り上げられ、その後、2001年に設立された緒方貞子元国連難民高等弁務官とアマルティア・セン教授を共同議長とする人間の安全保障委員会の下で議論が行われ、2003年に「人間の安全保障の今日的課題」と題する報告書が公表されている。
 本件グループは、新たな時代の人間の安全保障のあり方といかにして現下の地球規模の課題に対処するかについて議論する。今後、計3回の会合が予定されており、UNDP人間開発報告書室が作成する人間の安全保障に関する特別報告書に対して、戦略的な助言を行う。

 本パネルのメンバー(計12名)

  1. 共同議長
  • 武見敬三参議院議員、ラウラ・チンチージャ元コスタリカ大統領
  1. メンバー
  • アマット・アル・アリム・アルソスワ元UNDP総裁補兼アラブ地域担当局長
  • アブドゥライ・マール・ディエイ・サヘル開発担当国連事務総長特別調整官
  • マリア・フェルナンダ・エスピノサ元国連総会議長
  • カウシィク・バス元世界銀行チーフエコノミスト
  • ジェニファー・リーニング・ハーバード大学公衆衛生学リサーチフェロー
  • ベリンダ・レイヤーズ(科学者)
  • トーマス・ヘンドリク・イルヴェス前エストニア大統領
  • ハイシャン・フー世界銀行開発データ・グループ長
  • イルワド・エルマン(社会活動家)
  • エイミー・ジャデシミ(実業家)