令和3年7月6日

テレビ会議で発言する鷲尾外務副大臣

オンライン会議の様子

 7月5日、鷲尾英一郎外務副大臣は、核軍縮と核兵器不拡散条約(NPT)に関するストックホルム・イニシアティブ第4回閣僚会合に、テレビ会議形式で参加しました。概要は、以下のとおりです。

  1. 本会合は、マリア・アランサス・ゴンサレス・ラヤ・スペイン王国外務・EU・協力大臣(H.E. Ms. María Aranzazu GONZALEZ Laya, Minister for Foreign Affairs, the European Union and Cooperation of the Kingdom of Spain)、アン・リンデ・スウェーデン王国外務大臣(H.E. Ms. Ann LINDE, Minister for Foreign Affairs of the Kingdom of Sweden)及びハイコ・マース・ドイツ連邦共和国外務大臣(H.E. Mr. Heiko MAAS, Federal Minister for Foreign Affairs of the Federal Republic of Germany) が共催したものです。
  2. 本会合では、軍縮分野における現在の傾向と課題及び第10回NPT運用検討会議に向けた優先事項等について議論が行われました。
  3. 鷲尾外務副大臣からは、現実の安全保障上の脅威と核兵器使用の人道的結末の双方の観点を考慮しつつ、各国が共に取り組むことのできる共通の基盤となり得る具体的措置を見出すこと、及び、第10回NPT運用検討会議における意義ある成果を収めることの重要性を訴えました。また、共通の基盤構築のための我が国の取組を紹介するとともに、ストックホルム・イニシアティブの成果を活用し、国際社会への働きかけを強化することを呼びかけました。さらに、北朝鮮の核・ミサイル開発に対する我が国の強い懸念を改めて表明し、関連する安保理決議の完全な履行の重要性を強調しました。
  4. 各国は、第10回NPT運用検討会議に向け、引き続き協力して取組を進めることで一致しました。

 スウェーデンは、第10回核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議に向け、各国の閣僚レベルが積極的に関与し、行動することが必要との立場から、2019年6月11日、問題意識を共有する非核兵器国16か国(注)による「核軍縮とNPTに関するストックホルム会合」を開催(我が国からは河野外務大臣(当時)が出席)。2020年2月には、ベルリンにて第2回会合が開催され(我が国からは小笠原軍縮代大使が出席)、閣僚宣言及び附属文書を採択。同年6月には、テレビ会議形式で閣僚会合が開催された(我が国からは若宮副大臣(当時)が出席)。さらに、本年1月にはアンマンにて第3回閣僚会合(対面式とオンラインによるハイブリッド方式)が開催された(我が国からは鷲尾副大臣が出席)。
(注)アルゼンチン、インドネシア、エチオピア、オランダ、カザフスタン、カナダ、韓国、スイス、スウェーデン、スペイン、ドイツ、日本、ニュージーランド、ノルウェー、フィンランド、ヨルダン

  • (1)概要
     1968年に署名開放され、1970年に発効(25年間の時限条約)。我が国は1970年署名、1976年批准。1995年にNPTの無期限延長に合意。NPTは、核軍縮・不拡散体制の基礎となる、核兵器国を含む最も普遍的かつ重要な条約となっている。
  • (2)条約の目的と内容
    • ア 核不拡散:米、露、英、仏、中の5か国を「核兵器国」と定め、「核兵器国」以外への核兵器の拡散を防止。
        (参考)条約第9条3「この条約の適用上、「核兵器国」とは、1967年1月1日以前に核兵器その他の核爆発装置を製造しかつ爆発させた国をいう。」
    • イ 核軍縮:各締約国による誠実に核軍縮交渉を行う義務を規定(第6条)。
    • ウ 原子力の平和的利用:原子力の平和的利用は締約国の「奪い得ない権利」と規定するとともに(第4条1)、原子力の平和的利用の軍事技術への転用を防止するため、非核兵器国が国際原子力機関(IAEA)の保障措置を受諾する義務を規定(第3条)。
  • (3)NPTへの加入状況
     締約国は191か国・地域(2021年7月現在)。非締約国はインド、パキスタン、イスラエル、南スーダン。