(令和3年7月6日(火曜日)11時10分 於:本省会見室)

冒頭発言

台湾へのワクチン追加供与

【茂木外務大臣】私(大臣)の方から1件。海外のワクチンの供与についてでありますが、先般申し上げました台湾への第2弾となりますワクチンの供与につきまして、所要の準備が整いましたので、明後日、7月8日にアストラゼネカ社製ワクチン113万回分を台湾へ空輸いたします。
 台湾からは、10年前の東日本大震災の際にも、いち早く義援金をいただくなど、心温まる様々な支援をいただきました。現在、台湾の方々が困難に直面する中、我が国からのワクチンの供与が、台湾におけます新型コロナの感染拡大の防止に寄与することを期待いたしております。私(大臣)からは以上です。

インドネシアにおける移動規制

【朝日新聞 佐藤記者】おつかれさまです。インドネシアの出入国規制の関連でお伺いします。インドネシア政府が出国する外国人にワクチンの接種を求め、日本人の帰国に支障が生じるとも報じられておりますが、その後、規制が一部緩和されたという報道もありますけれども、今の事実関係と日本政府の対応をお伺いします。

【茂木外務大臣】インドネシア政府、新型コロナの感染の拡大、今、インドネシアで続いておりまして、7月4日に通達を出しまして、外国人によります入国及び出国規制を強化すると、このように発表いたしております。
 そこの中で、インドネシア国内に滞在中の外国人が国内外へ移動する場合、国内でワクチン接種を受けなければならないとされておりました。
 この発表を受けまして、外務省そして在インドネシア日本国大使館からインドネシア政府に対して、措置の詳細について照会をするとともに、在留邦人の移動が過度に制限をされないように、申入れを行ったところであります。
 その結果、インドネシア滞在中の外国人が、日本人を含めてでありますが、直接国外へ移動する場合は、ワクチン接種証明書の提示は不要であるということが確認されたところであり、既に領事メールを通じまして、インドネシアの在留邦人等にも周知をいたしているところであります。
 インドネシアの国内の移動につきましては、ワクチン接種証明書が必要となるということでありまして、引き続き、インドネシア政府に対して、在留邦人の国内での移動というものが、過度に制限されないよう働きかけを行っていきたいと思っております。

台湾・蔡英文総統のメッセージ(熱海の土石流被害)

【台湾中央通信社 楊記者】どうもありがとうございます。静岡県熱海市の土石流災害が発生した件について、台湾では多くの人が心を痛めています。台湾の蔡英文(さい・えいぶん)総統が、3日夜、ツイッターに「日本を必要な支援を提供できるよう用意しています」とメッセージを投稿しました。台湾の人々も、日本のワクチン提供への恩返しをしたいと考えています。このことについて、大臣のお考えをお伺いしたいです。

【茂木外務大臣】心から感謝をしたいと思います。今回の大雨によります被害に対して、台湾・蔡英文総統をはじめ多くの国・地域・機関から、心温まるお見舞いのメッセージや、支援の申し出をいただいたことに対して、日本政府として、心から感謝申し上げたいと思っております。
 台湾との間、東日本で震災のお話を先ほど申し上げましたが、様々な形で、相互の支援であったりとか援助が進んでおります。まさに日本と台湾の友好の証ではないかなと思っておりまして、今回どういった形でと、具体的に今後詰めていくことになると思うんですが、まずそういう気持ちを表明していただいたと、心から感謝を申し上げたいと思います。

インドネシアへのワクチン供与

【トリビューン・ニュース スシロ記者】28日の外務大臣の会談の件なんですけれども、25日、茂木大臣の記者会見のときにおっしゃったように、約100万回分のワクチンの供与を。

【茂木外務大臣】ごめんなさい。28日の何の会見ですか?

【トリビューン・ニュース スシロ記者】大臣の会見、会談ですね、イタリアで。

【茂木外務大臣】誰との会談ですか?

【トリビューン・ニュース スシロ記者】外務大臣の会談なんですけれども。

【茂木外務大臣】外務大臣は私ですが。

【トリビューン・ニュース スシロ記者】日本とインドネシアの外務大臣。

【茂木外務大臣】ああ、インドネシアのルトノ大臣ですね。

【トリビューン・ニュース スシロ記者】そうですね。

【茂木外務大臣】はい。

【トリビューン・ニュース スシロ記者】なんですけれども、ホームページの中に発見されましたので、その発表ですね。いろいろ書いていないので。お話戻るんですが、25日の記者会見が、インドネシアの場合は約100万回分のワクチンなんですが、でもルトノ外務大臣、インドネシアの外務大臣からの正式な発表が200万回分なんですけど、どっちが正しいでしょうかね。
 そのアストラゼネカ、日本製か米国製のどちらの製造か、気になるんですが、治療薬の件を書いてないですね。よろしくお願いします。そのときも話したことあるのですけれども、ルトノ外務大臣ですね。

【茂木外務大臣】インドネシアにつきましては、100万回分のワクチン、既に7月1日に供与したところであります。その件につきましては、イタリアでG20の外相・開発大臣会合等のフリンジの時間で、ルトノ外相とも会談を行いましたので、7月1日に約100万回分供与しますということを申し上げて、先方からは、感謝の言葉がありました。
 インドネシアにおいて、今、感染状況、いまだ大変厳しい状況にあるという中で、今後追加のワクチンの提供についても検討・調整したい、このように私(大臣)から申し上げました。治療薬の話はその場で出ておりません。

日本による各国へのワクチン供与

【ロイター スウィフト記者】
(以下は英語にて質問)
 先ほど台湾やインドネシアへのワクチン供与について言及がありましたが、今月開始される予定であった他のアジア諸国へのワクチン供与について、最新情報をお聞かせください。また、なぜこれらの供与は大臣が先月初めに発表されたCOVAXファシリティを通じてではなく、バイの枠組みでなされたのか、ご説明いただけますでしょうか。

【茂木外務大臣】まず我が国としては、決してバイだけということではなくて、多国間主義、そして国際協調の観点から、ワクチンの公平な供給のための唯一の国際的枠組みでありますCOVAXファシリティや、その他の国際機関を支援してきておりまして、ご案内のとおり、6月2日にはワクチン・サミットをGaviの間でも共催いたしまして、年内に必要となる資金目標と、これもしっかりと達成することができたわけであります。
 こういった、日本の国際的な枠組みにおける貢献というものは、国際社会からまず評価されていると思いますし、今後も多国間の枠組みであったりとか、また、国際機関等ともしっかり連携をしていきたいと思っております。
 これまでで申し上げますと、日本で製造しましたアストラゼネカ社製のワクチン、これがWHOによる承認取得等の条件を満たしていなかったということも踏まえて、各国からの緊急の供与要請を受けて、既に同社と契約を有している国や地域に対して、バイの枠組みで供与を行ってきたところであります。こういったマルチとバイ、これを両方行うというのは、今、主要国の間では多くの国で行われていることだと、このように考えております。
 これまでの実績でありますが、既に台湾にまず124万回分、その後、ベトナム、インドネシア、マレーシアにそれぞれ100万回分を供与した他、今週中に、タイ、フィリピンに対してもそれぞれ100万回を供与するとともに、ベトナムには100万回分の追加供与も完了する予定であります。
 また、台湾については今申し上げたように、7月8日に第2弾となります113万回分供与いたします。
 一方、COVAXを通じた支援でありますが、WHOによる承認取得等の条件が整えば、関係機関と調整の上、7月の中旬以降になると思いますが、COVAXファシリティを通じて、東南アジア、南西アジア、太平洋島嶼国等に対する合計1,100万回分のワクチン供与を行っていく予定であります。
 太平洋島嶼国につきましては、先日のPALM9で、菅総理から年内に300万回分を目処として、7月中旬以降にスタートしまして、ワクチンを供与することを発表したところであります。

中東情勢(米国による親イラン勢力拠点空爆、イスラエル外相のUAE訪問)

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 中東情勢についてお伺いします。報道によると、米国はイラク・シリア国境地域の親イラン勢力拠点に対する空爆を実施したとされています。また、イスラエル外相が平和的な関係構築のためにUAEを訪問しました。中東地域においては、いまだに戦争と平和が重要事項であるようです。さらに、茂木大臣が中東地域を訪問される可能性があるとの報道もあります。中東地域の現状及び今後の見通しについての日本の立場をお聞かせください。

【茂木外務大臣】先月、お話のように、イスラエルでベネット新政権、成立をしまして、ラピード外相、イスラエルの外相として初めてUAEを訪問しましたが、我が国はこうした動きが、中東地域の緊張緩和及び安定化に繋がることを期待いたしております。
 一方で、我が国として、先般の米国によりますイラク・シリア国境地域の親イラン勢力拠点に対する空爆が及ぼす影響を含めて、引き続き、高い緊張感を持って、中東情勢、注視をしているところであります。
 ご案内のとおり、我が国は中東各国とも長年にわたって、良好な関係を築いてきておりまして、こういった各国との関係を生かしながら、中東の平和と安定に向け、関係国とも緊密に連携しながら、外交努力を継続していきたいと思っております。

東京オリンピック・パラリンピック

【トリビューン・ニュース スシロ記者】五輪のことなんですけれども、VIPの招待状を出したと思いますので、今のところ、どちらの国が来る予定でしょうか。

【茂木外務大臣】招待状は、政府から出すものではありません。