(令和3年7月9日(金曜日)10時53分 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)茂木大臣の中米カリブ訪問

【茂木外務大臣】私(大臣)の方から、まず2点報告があります。
 まず来週の中米カリブの出張であります。諸般の情勢が許せば、7月15日から21日まで、中米カリブの4か国、グアテマラ、パナマ、キューバ、ジャマイカ、この4か国を訪問する予定であります。
 私(大臣)にとって、今年の1月に中南米・南米を中心に、メキシコもありましたが、訪問して、これに続く二度目の中南米訪問ということになりまして、合計で今年中南米9か国を訪問すると、歴代の外務大臣の中で最多となると思います。もちろん国の数を競っているわけでありません。
 今回の訪問では、各国の外務大臣や首脳との会談に加えまして、オンラインも使って、中米にはいくつかの機構等がありますので、中米統合機構であったりとか、カリブ共同体のメンバー国との外相会談も行って、この地域全体との関係強化を図りたいと考えております。
 伝統的な友好関係にあり、重要なパートナーであります中米カリブ諸国との間で、経済関係の強化、そして、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けた連携を確認するとともに、新型コロナや気候変動をはじめとするグローバルな課題・地域情勢についても、対面でじっくり意見交換したいと考えております。
 中米特有の移民等の問題もあるわけでありますし、また中米の地域、米国にとっても極めて重要な地域であると同時に、中国承認国・台湾承認国と、いろいろな国もあるわけでありまして、しっかりと意見交換をしてきたいと思いますし、また国際場裡での協力ということを考えたときに、非常に中米には多くの国があるわけでありまして、そういった国々との連携・強化を図っていくということは、日本は今後、様々な、国際場裡における対応をしていく上で極めて重要になってくると、こんなふうに考えております。

(2)孤独・孤立及びそれに付随する問題への対応

【茂木外務大臣】もう1点、孤独・孤立対策についてであります。今、国内でいろいろな対策が進んでおりますが、本日より、外務省としても、海外に滞在される在外邦人の方々の孤独・孤立及びそれに付随する様々な問題に対応するため、国内の5つのNPO法人と連携した取組を開始をいたします。
 それぞれの団体、海外の邦人の方々とネットワーク等々を持っている団体でありまして、具体的には、在外邦人の方々に対しまして、外務省の海外安全ホームページ、在外公館のホームページや領事メール等を通じて、外務省と連携する5つのNPO団体、これを紹介いたします。
 これによって在外邦人の方々が、これらのNPO団体にチャットやSNSを通じて直接相談するということを支援したいと思います。
 また、邦人から寄せられる相談内容の中には、非常に深刻であったりとか、緊急に対応すべきと判断される、こういう案件も出てくる可能性がありますので、そういう場合に備えて、NPO団体と外務省との間の連絡体制を確立したいと思っております。
 日本にいてもそうですけれど、海外にいると、特にこういった孤立・孤独問題に直面をされている方もいらっしゃるだろう。そういった方々の声にも、丁寧に耳を傾けていくと、こういう努力を図っていきたいと思っております。
 在外邦人の保護、昨年来コロナが世界的に広がる中で、海外からの邦人の帰国支援等々を行ってまいりましたけれど、外務省にとって最も重要な責務の一つである、そういう思いを強くしております。引き続き、外務省としてきめ細かい邦人保護に努めてまいりたいと考えておりまして、今回の対応はその一環であります。
 詳細につきましては、領事局の海外邦人安全課、こちらの方にお尋ねいただければと思います。私(大臣)からは以上です。

東京オリンピック・パラリンピック(外国要人の来日)

【朝日新聞 菅原記者】五輪に合わせた外国の要人来日についてお伺いできればと思います。要人を招待するのは、各国のNOCではありますけれども、外務省は来日した場合の接遇を担っておられますので、昨日、五輪の4都県での無観客開催が決まりましたけれども、それが外国、それぞれの首脳の来日にどのように影響するかどうかというのをご覧になっているか、お伺いできますか。

【茂木外務大臣】おっしゃるように、来日をされると決められた要人の方については、外務省として接遇をするということでありますけれど、お越しになるかどうかと、これはまさに、それぞれの国の判断でありまして、そういった、どこに対して働きかけをするかと、これはまさに、主催される団体の問題であると、こんなふうに考えております。