令和3年8月3日

オンライン日ASEAN外相会議

茂木外務大臣オンライン風景

茂木外務大臣

 8月3日、午後3時30分から1時間30分、オンライン形式にて、日ASEAN外相会議(共同議長:茂木外務大臣及びソン・ベトナム外相)が開催され、我が国から茂木敏充外務大臣が出席したところ、茂木大臣の発言を中心に概要以下のとおりです。

1 冒頭

 冒頭、ソン・ベトナム外相から、ベトナムが対日調整国を務めた過去3年間に亘り、日ASEAN関係が着実に進展していることを歓迎しつつ、日本とASEANの戦略的パートナーシップ関係を更に深化させたい旨述べました。

 これに対して、茂木大臣から、ASEAN各国のアスリートの活躍にお祝いを述べるとともに、引き続き最高の競技を繰り広げることを期待している旨述べました。続けて、ASEAN諸国で多くの新型コロナ感染者が発生していることへのお見舞いを述べ、日本はASEANの真の友人として、保健・医療分野での支援、ワクチンの提供、ASEAN包括的復興枠組等への支援を通じて、この難局を共に乗り越えていきたい、新型コロナの難局にある今こそ、法の支配、開放性、透明性、包摂性といった原則をインド太平洋地域で維持・強化していくことが重要であり、「自由で開かれたインド太平洋」実現の要であるASEANが発出した、インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)への日本の支持及びAOIPの進展につながる具体的な協力を惜しまない旨述べました。また、スールー・セレベス海等周辺地域の安定化に向けても協力を強化していきたい旨述べました。

 加えて、茂木大臣からは、2023年に、日本とASEANが友好協力関係50周年を迎えることに言及の上、50周年の機会にASEAN各国首脳を日本にお迎えし、特別首脳会議を開催し、日ASEAN関係を新たなステージに引き上げたい旨述べました。

2 日ASEAN協力のレビューと将来の方向性及び地域情勢

 ソン・ベトナム外相から、ASEANを代表して、政治安全保障、経済協力、社会文化の各分野における日ASEAN協力の成果をレビューした上で、更なる協力の進展に期待が表明されました。また、各国から、日ASEAN協力の進展への評価、2023年の日ASEAN友好協力50周年にあたって、特別首脳会議を開催することへの賛意が示されました。

 茂木大臣から、ワクチンへのアクセスが、各国の置かれた状況や経済力によって左右されることがあってはならない旨述べつつ、日本としてCOVAXファシリティへの資金拠出等を通じて途上国を含めた「ワクチンへの公平なアクセス」の確保に貢献していることや、日本で製造されたワクチンを、これまでASEAN向けに計960万回分供給しており、今後も継続を前向きに検討していきたい旨を述べました。さらに、茂木大臣より、ワクチンを接種現場まで届けるために必要なコールドチェーン整備のための「ラスト・ワン・マイル支援」として、ASEAN向けに約25億円の協力を行った、これ以外にも新型コロナ対策として医療物資供与、技術協力を実施しており、直近では、感染が急拡大している一部のASEAN諸国への酸素濃縮器の供与も決めたところである旨述べた上で、今後も「ワクチンへの公平なアクセス」の実現に向け、日本として国際的な取組を主導するとともに、ASEAN諸国を全力で支えていきたい旨発言しました。

 これに対し、各国からワクチンの供与はじめコロナ対応での日本の支援に対し、高い評価と感謝が表明されました。

3 地域・国際情勢

(1)東シナ海・南シナ海

 茂木大臣から、東シナ海及び南シナ海では、力による一方的な現状変更の試みが継続・強化されており、強く反対する旨述べました。また、比中仲裁判断から5年の節目に外務大臣談話を発表したことに言及しつつ、南シナ海における法の支配や紛争の平和的解決の重要性を強調し、同判断は当事国によって遵守されるべき旨を述べました。さらに、南シナ海に関する行動規範(COC)は国連海洋法条約に合致する必要があり、南シナ海を利用する全てのステークホルダーの正当な権利や利益が擁護される必要がある旨述べました。

 ASEAN側からは、南シナ海における航行・上空飛行の自由や非軍事化の重要性、国連海洋法条約を始めとする国際法に沿った紛争の平和的解決の重要性等について発言がありました。

(2)北朝鮮

 茂木大臣から、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルのCVIDの実現に向けて、安保理決議の完全な履行が不可欠である旨を述べるとともに、拉致問題に関し、各国の引き続きの理解と協力を求めました。

 ASEAN側から、朝鮮半島の非核化及び安保理決議の完全な履行の重要性に関する発言がありました。また、拉致問題解決を支持する発言がありました。

(3)ミャンマー

 茂木大臣から、ASEANの事態打開のための努力を高く評価し、「5つのコンセンサス」の速やかな履行が重要である旨述べました。また、特使の派遣や全ての当事者との対話の開始など目に見える成果が必要である旨述べ、ミャンマー側に対して建設的な対応を求めました。更に、日本はASEANの取組を力強く後押ししていく旨を述べました。

 各国から、ミャンマー情勢について「5つのコンセンサス」の迅速な実施に向けて協力していくこと及びミャンマー国民への人道支援の重要性について言及がありました。

4 結語

 最後に、茂木大臣からは、各国からの2023年の特別首脳会議開催への賛意に謝意を述べつつ、日ASEANの戦略的パートナーシップを新たなステージに引き上げる機会とすべく、緊密に連携していきたい旨述べました。各国から、東京オリンピック競技大会の開催への祝意と日本の尽力への高い評価が改めて述べられるとともに、大会の成功を祈念する旨の発言がありました。

 8月3日、午後3時30分から1時間30分、オンライン形式にて、日ASEAN外相会議(共同議長:茂木外務大臣及びソン・ベトナム外相)が開催され、我が国から茂木敏充外務大臣が出席したところ、茂木大臣の発言を中心に概要以下のとおりです。

 冒頭、ソン・ベトナム外相から、ベトナムが対日調整国を務めた過去3年間に亘り、日ASEAN関係が着実に進展していることを歓迎しつつ、日本とASEANの戦略的パートナーシップ関係を更に深化させたい旨述べました。

 これに対して、茂木大臣から、ASEAN各国のアスリートの活躍にお祝いを述べるとともに、引き続き最高の競技を繰り広げることを期待している旨述べました。続けて、ASEAN諸国で多くの新型コロナ感染者が発生していることへのお見舞いを述べ、日本はASEANの真の友人として、保健・医療分野での支援、ワクチンの提供、ASEAN包括的復興枠組等への支援を通じて、この難局を共に乗り越えていきたい、新型コロナの難局にある今こそ、法の支配、開放性、透明性、包摂性といった原則をインド太平洋地域で維持・強化していくことが重要であり、「自由で開かれたインド太平洋」実現の要であるASEANが発出した、インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)への日本の支持及びAOIPの進展につながる具体的な協力を惜しまない旨述べました。また、スールー・セレベス海等周辺地域の安定化に向けても協力を強化していきたい旨述べました。

 加えて、茂木大臣からは、2023年に、日本とASEANが友好協力関係50周年を迎えることに言及の上、50周年の機会にASEAN各国首脳を日本にお迎えし、特別首脳会議を開催し、日ASEAN関係を新たなステージに引き上げたい旨述べました。

 ソン・ベトナム外相から、ASEANを代表して、政治安全保障、経済協力、社会文化の各分野における日ASEAN協力の成果をレビューした上で、更なる協力の進展に期待が表明されました。また、各国から、日ASEAN協力の進展への評価、2023年の日ASEAN友好協力50周年にあたって、特別首脳会議を開催することへの賛意が示されました。

 茂木大臣から、ワクチンへのアクセスが、各国の置かれた状況や経済力によって左右されることがあってはならない旨述べつつ、日本としてCOVAXファシリティへの資金拠出等を通じて途上国を含めた「ワクチンへの公平なアクセス」の確保に貢献していることや、日本で製造されたワクチンを、これまでASEAN向けに計960万回分供給しており、今後も継続を前向きに検討していきたい旨を述べました。さらに、茂木大臣より、ワクチンを接種現場まで届けるために必要なコールドチェーン整備のための「ラスト・ワン・マイル支援」として、ASEAN向けに約25億円の協力を行った、これ以外にも新型コロナ対策として医療物資供与、技術協力を実施しており、直近では、感染が急拡大している一部のASEAN諸国への酸素濃縮器の供与も決めたところである旨述べた上で、今後も「ワクチンへの公平なアクセス」の実現に向け、日本として国際的な取組を主導するとともに、ASEAN諸国を全力で支えていきたい旨発言しました。

 これに対し、各国からワクチンの供与はじめコロナ対応での日本の支援に対し、高い評価と感謝が表明されました。

 茂木大臣から、東シナ海及び南シナ海では、力による一方的な現状変更の試みが継続・強化されており、強く反対する旨述べました。また、比中仲裁判断から5年の節目に外務大臣談話を発表したことに言及しつつ、南シナ海における法の支配や紛争の平和的解決の重要性を強調し、同判断は当事国によって遵守されるべき旨を述べました。さらに、南シナ海に関する行動規範(COC)は国連海洋法条約に合致する必要があり、南シナ海を利用する全てのステークホルダーの正当な権利や利益が擁護される必要がある旨述べました。

 ASEAN側からは、南シナ海における航行・上空飛行の自由や非軍事化の重要性、国連海洋法条約を始めとする国際法に沿った紛争の平和的解決の重要性等について発言がありました。

 茂木大臣から、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルのCVIDの実現に向けて、安保理決議の完全な履行が不可欠である旨を述べるとともに、拉致問題に関し、各国の引き続きの理解と協力を求めました。

 ASEAN側から、朝鮮半島の非核化及び安保理決議の完全な履行の重要性に関する発言がありました。また、拉致問題解決を支持する発言がありました。

 茂木大臣から、ASEANの事態打開のための努力を高く評価し、「5つのコンセンサス」の速やかな履行が重要である旨述べました。また、特使の派遣や全ての当事者との対話の開始など目に見える成果が必要である旨述べ、ミャンマー側に対して建設的な対応を求めました。更に、日本はASEANの取組を力強く後押ししていく旨を述べました。

 各国から、ミャンマー情勢について「5つのコンセンサス」の迅速な実施に向けて協力していくこと及びミャンマー国民への人道支援の重要性について言及がありました。

 最後に、茂木大臣からは、各国からの2023年の特別首脳会議開催への賛意に謝意を述べつつ、日ASEANの戦略的パートナーシップを新たなステージに引き上げる機会とすべく、緊密に連携していきたい旨述べました。各国から、東京オリンピック競技大会の開催への祝意と日本の尽力への高い評価が改めて述べられるとともに、大会の成功を祈念する旨の発言がありました。