(令和3年8月4日(水曜日)20時57分 於:省内大臣接見室)

冒頭発言

 昨日の日ASEAN外相会議、ASEAN+3外相会議に続きまして、先ほど、EASの外相会議に参加をいたしました。会議の方、まだ続いておりますけれど、とても有意義な議論が行われているところであります。
 私からは、まず新型コロナの対応について、ワクチン協力を中心とした日本の取組を説明したところであります。これらにつきましては、昨日のASEANの会議でも日本のコロナ対応また支援策については高い評価、感謝が示されているところであります。
 ミャンマー情勢に関しまして、8月1日の暫定政権の発足を含みます現在の状況については、民主的政治体制への早期回復という観点から、事態が改善していると言えず、日本として注視をしているところであります。今日の会議でも、私からあらためて拘束者の解放や民主的な政治体制への早期回復を強く求めた上で、ASEANの特使派遣を含みます「5つのコンセンサス」の履行のためASEANの取組を支持していく旨述べました。
 本日、エルワン・ブルネイ外相がASEAN特使に任命されたことを歓迎し、日本としてエルワン特使の活動を全面的に支援するとお話をしました。特使が早期に活動を開始して、当事者間の対話などコンセンサスを速やかに具体的成果につなげていくことが重要であると考えております。
 東シナ海、南シナ海については、力による一方的な現状変更の試みに強く反対する、このように述べました。また、南シナ海における法の支配や紛争の平和的解決の重要性をあらためて強調し、比中仲裁判断が遵守されることの必要性を指摘したところであります。
 更に香港情勢、新疆ウイグルの人権状況について深刻な懸念を持っている、このことを述べました。この点については、多くの国がこの認識を共有している、このように考えているところであります。
 北朝鮮情勢については、北朝鮮によります全ての大量破壊兵器、そしてあらゆる射程の弾道ミサイルのCVIDの実現に向けて、「瀬取り」対策を含めて、安保理決議の完全な履行が不可欠である旨述べ、拉致問題に関しまして、各国の引き続きの理解と協力を求めたところであります。
 また、最後になりますが、「自由で開かれたインド太平洋」、FOIPについてでありますが、FOIPとASEANのAOIP、法の支配、航行の自由、自由貿易、開放性、包摂性など本質的な原則を共有しているわけでありまして、このことを踏まえて、AOIPの進展につながる具体的な協力の推進、これを強調いたしました。
 昨日行われました日ASEAN外相会議及びASEAN+3外相会議でも、外交・安全保障から経済まで幅広い議論を行ったところであります。今後も「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組を含め、ASEAN各国と緊密に連携していきたい、このように考えております。

質疑応答

【記者】昨日から含めてですね、これまでの会議の中で、大臣の方からは中国の南シナ海、東シナ海の進出を含めて懸念を示していらっしゃると思うんですけれども、そうした訴えに対して、これまで会議に参加してきた各国とのやりとの中で、どういった手応えを感じてらっしゃるのか、日本がそういうふうに訴えているということは、どこまで響いているのか、その辺何か大臣として感じたことはありますでしょうか。それと、今後の外交、この実績を踏まえてどう展開していくのか、その辺をお願いいたします。

【茂木外務大臣】先ほども申し上げましたが、法の支配であったりですね、また、航行の自由、開放性、包摂性、こういった原則については、ASEANとの間で共通認識ができあがっていると思いますし、これについては昨日の日ASEAN外相会議でもそういった理解を改めて共有したところでありまして、AOIP、そしてFOIP、これが同じ共通の原則を共有していると、こういう認識の下でですね、AOIPの掲げる原則に沿った協力を進めたい、ということで一致をしている、このように考えております。

【記者】今日、対ミャンマーの特使が決まったということなんですけども、これまで日本も特使が決まることについて、ASEANにしても早く決まるように支援してましたけども、決まったことについてもう少しちょっと大臣の受け止めと期待することをお願いいたします。

【茂木外務大臣】まずですね、今日も、今日決まったわけでありまして、そのことを歓迎する、ということ、さらにエルワン特使、この活動を全面的に支持したい、また、各国にそれを呼びかけたところでありますが、昨日の日ASEANでもですね、おそらくエルワンさんになるんでしょ、ということを私から言いました。ミャンマーもいる場で。で、早く決めてですね、実際に特使が派遣され、そして、すべての当事者側の対応が進むこと、こうしたことが重要だということは強調しておりまして、決まったことによってですね、このプロセスが具体的に動き出すということに期待したいと思いますし、期待するだけではなくて、日本としてもですね、それを後押しし、また、ミャンマー側にも建設的に対応するように求めているところであります。