令和3年8月7日

第28回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合の出席者の様子(オンライン画面)

第28回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合の様子(会議室内の様子)

第28回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合に臨む,茂木外務大臣の様子

 8月6日、午後8時から3時間40分、オンライン形式にて、第28回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合が開催され、日本側から茂木敏充外務大臣が出席したところ、概要以下のとおりです。

  1. 日本の冒頭発言
     茂木大臣から、日本は、COVAXワクチン・サミットの共催、バイ及びCOVAXを通じた各国へのワクチンの提供、コールドチェーン整備を含む保健・医療分野での支援を実施しており、今後も安全で有効なワクチンへの公平なアクセスの実現に向け、国際的な取組を主導していく旨述べました。また、本6日は76年前に広島に原爆が投下された日であり、ヒロシマ、ナガサキを二度と繰り返してはならない旨決意を表明しました。
  2. 自由で開かれたインド太平洋
     茂木大臣から、新型コロナの難局にある今こそ、法の支配、開放性、透明性、包摂性といった原則をインド太平洋地域で維持・強化することが重要と述べた上で、昨年の日ASEAN首脳会議の「AOIP協力に関する首脳共同声明」に沿って、AOIPが掲げる原則を具体化する協力案件を進めていく旨述べました。
  3. 東シナ海・南シナ海
     茂木大臣から、東シナ海及び南シナ海において、力による一方的な現状変更の試みが継続・強化されており、強く反対すると述べた上で、比中仲裁判断は最終的であり、紛争当事国を法的に拘束すること、また、南シナ海行動規範(COC)は国連海洋法条約に合致し、南シナ海を利用する全てのステークホルダーの正当な権利や利益が擁護される必要がある旨を強調しました。
     各国から、南シナ海における航行・上空飛行の自由の重要性、国連海洋法条約を始めとする国際法に沿った紛争の平和的解決の重要性等について発言がありました。
  4. 北朝鮮情勢
     茂木大臣から、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指す方針に変わりはないと述べるとともに、米朝の対話が再開され、完全な非核化に向けた具体的な動きが進展することへの強い期待を表明しました。また、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意であるとの菅総理の方針に変わりはない旨述べました。
     各国から、朝鮮半島の非核化及び安保理決議の完全な履行の重要性等が指摘されました。
  5. ミャンマー情勢
     茂木大臣から、ミャンマー情勢への重大な懸念を表明するとともに、「5つのコンセンサス」を暴力停止や対話開始に向けた前向きな一歩としてとらえており、エルワン・ブルネイ第二外相がASEAN特使に任命されたことを歓迎し、我が国としてエルワン特使の活動を全面的に支援する旨述べるとともに、特使が早期に活動を開始し、当事者間の対話など、早期の進展を期待する旨述べました。
     各国から、ミャンマー情勢について、ASEAN特使の任命を歓迎するとともに「5つのコンセンサス」を履行することの重要性を強調し、ミャンマーの事態の改善に向けたASEANの努力を支持する旨の発言がありました。
  6. 新たな軍備管理
     茂木大臣から、本年の米露間の新START延長に言及した上で、中国が核兵器国として、また国際社会の重要なプレーヤーとしての責任を果たし、米中二国間で軍備管理に関する対話を行うことを関係各国と共に後押ししたい旨表明しました。
  7. 東京オリンピック
     茂木大臣から、現在開催中の東京オリンピック競技大会について、世界が新型コロナを乗り越えるべく戦っている中で、世界の絆を深める機会としたい旨述べました。