(令和3年8月10日(火曜日)10時42分 於:本省会見室)

冒頭発言

茂木大臣の中東訪問

【茂木外務大臣】私(大臣)の方から冒頭、中東出張についてお話をいたします。
 今度の日曜日、8月15日から24日まで、中東のエジプト、パレスチナ、イスラエル、ヨルダン、トルコ、イラン、カタールを訪問する予定であります。
 中東地域の平和と安定は、我が国を含みます国際社会にとって極めて重要であります。今回の訪問では、長年に亘って、中東地域の平和と繁栄に貢献をし、強固な関係を築いてきた日本の中東地域へのコミットメントを改めて強調するとともに、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性を確認したい、このように考えております。
 また、新型コロナの世界的な拡大によりまして、中東地域、感染が広がっている国もあります。様々な影響が生じている中、新型コロナ対策における連携や協力についても、これまでの日本の支援の実績を含め、今後どうしていくか、よく協議をしたいと思いますし、また、要望についてもお聞きしたいと思っております。
 中東地域では、こういった高い緊張状態が続く一方で、イランとイスラエルでは新政権がまさに発足したばかりということでありまして、従来の対立軸を越えた域内対話等、新たな動き、これも見られるところであります。このような中で、地域情勢に関する率直な意見交換を行いまして、地域の安定に向けた緊密な連携を図っていきたいと思っております。私(大臣)の方からは以上です。

茂木大臣の中東訪問(イラン)

【NHK 山本記者】今、発表ありました中東訪問に関して、特にイランについて伺いたいんですけれども、イランでどのような議題について意見交換されるのか、また、特に核合意については、米国とイランの間で間接協議を行われていますけど、6月以降は交渉を中断したままになっていますけれども、この核合意についても意見交換されるのか、日本としての立場、どのような考えを伝えられるのか、お教えください。

【茂木外務大臣】日本としては、これまで一貫してイランの核合意、これを支持をしてきたわけでありまして、イランに対しても核合意への復帰、これを呼びかけたい、このように考えております。間接的でありますけれど、イランとまた、米国の間の対話、これが行われることも極めて重要だと、こんなふうに考えております。
 イランは地域における大国でありまして、まさにイランの安定というものは、地域全体の安定にも繋がっていくと、こんなふうに考えております。それは、海上交通においても全く同じことが言えるのではないかなと思っておりまして、イランに対して、やはり地域の安定に大国としての貢献をしてほしいと、また地域が安定することが、イランの発展にも繋がっていくんだと、こういったことを話してきたいと思っております。
 ちょうど、ライースィ新政権ができたばかり、外相も就任したばかりということでありまして、まさにイランとして、これから対外的な様々な政策も作っていくと、こういう良いタイミングでの訪問になると、こんなふうに考えております。

日韓関係(相馬前在韓大公使に対する対応)

【東亜日報 キム記者】相馬弘尚公使について、お伺いしたいんですけれども、今月1日に外務省は帰国命令を出しました。韓国側からは、引き続き相馬公使に対して適切な措置を求めているところですけれども、今後の対応についてどうなりますでしょうか、大臣のご意見を伺いたいです。また、今回の帰国命令に対して、事実上更迭という報道も出ているんですけれども、大臣もそういう認識をされていますでしょうか、お伺いしたいです。

【茂木外務大臣】相馬前公使については、8月1日付で帰朝を命じたところであります。そして、在外に勤務する職員の人事については、これまでも申し上げておりますように、勤務地での在任期間であったり、全体のローテーション等を考慮して、適時適切に判断をしているものであります。
 また、相馬前公使の発言については、これまで申し上げてきましたが、いかなる状況、文脈の下で行われたものであったにしても、外交官として極めて不適切な発言がなされたことを、大変遺憾だと思っております。