経産省・新着情報
2021年8月6日
イタリアが議長を務め開催された今回のG20デジタル大臣会合では、「強靭で強力で持続可能で包摂的な回復のためのデジタル化の活用」を全体テーマとし、デジタル経済及びデジタルガバメントに関する以下11分野についての議論が行われました。
(1)デジタル経済
①持続可能な成長のための生産におけるデジタルトランスフォーメーション
②零細中小企業の包摂性やスタートアップ促進のための信頼できるAIの活用
③デジタル経済の測定、実践、影響
④グローバルなデジタル経済における消費者意識と消費者保護
⑤デジタル環境における青少年保護とエンパワーメント
⑥スマートシティ・コミュニティのためのイノベーション促進
⑦接続性と社会的包摂
⑧信頼性のある自由なデータ流通と越境データ流通
(2) デジタルガバメント
⑨公共サービスとその継続性のためのデジタルツール
⑩デジタルアイデンティティ
⑪アジャイル規制
会合はハイブリッド形式で行われ、佐藤経済産業大臣政務官と武田総務大臣が参加しました。
会合中、佐藤政務官からは、2019年のG20大阪サミットで日本が提唱したコンセプトであるDFFTの具体的な推進に向けて、データの越境移転に対する各国規制の共通項を見出し、相互運用性に関して議論することの重要性や、WTO電子商取引交渉等を通じて、より多くの国とデジタル経済の発展のための国際的なルール作りを加速させていく旨発信しました。
また、健全なデジタル市場の発展のために、リスクへの対応とイノベーションの創出を両立する、柔軟かつ機動的な「アジャイル・ガバナンス」の確立が急務である旨主張し、我が国での取組を紹介するとともに、国際的にも実装に向けた議論が加速している旨発信しました。
こうした議論を踏まえ、新型コロナウイルス感染症からの強靭で強力で持続可能で包摂的な回復に向けて、デジタル化の促進に、引き続き取り組んでいく旨のメッセージをG20デジタル大臣宣言として採択しました。
大臣宣言の主な内容は以下のとおりです。
(1)デジタル経済
①持続可能な成長のための生産におけるデジタルトランスフォーメーション
強固かつ強靭で持続可能性のある包括的な回復を促進するために、生産のデジタル化に向けた取組を進めるとともに、国際協力を強化することをコミットし、2021年6月に関連するマルチステークホルダーフォーラムを開催。
②零細中小企業の包摂性及びスタートアップ促進のための信頼できるAI活用
2019年にG20大阪サミットで合意したG20AI原則に基づき、信頼できるAIの実装及び人間中心のアプローチにコミットする意思を再確認するとともに、零細中小企業等へのAI導入促進に係る政策事例(附属書1)を歓迎。
③デジタル経済の測定、実践、影響
2020年にG20リヤドサミットで合意したデジタル測定のためのG20ロードマップが優先事項であることを再確認するとともに、マルチステークの対話を促進すべく、2021年2月に専門家ワークショップを開催。
④グローバルなデジタル経済における消費者意識と消費者保護
パンデミック下でオンライン取引が急増したことを踏まえ、消費者保護のために、消費者の意識向上、教育、支援に向けた行動をとることをコミットし、2021年5月に関連するマルチステークホルダーフォーラムを開催。
⑤デジタル環境における青少年保護とエンパワーメント
パンデミック下でデジタル技術の使用に伴う青少年へのリスクが増加したことから、今回初めて優先事項として取り上げ、 G20ハイレベル原則(付属書2)をまとめ、デジタル環境における青少年保護及びエンパワーメントに取り組むことをコミット。
⑥スマートシティ・コミュニティのためのイノベーション促進
適切な公共調達がスマートシティにおけるイノベーションの促進を進めるものであり、G20の取組を再確認するとともに、スマートシティ・スマートコミュニティのための革新的な公共調達の事例集を歓迎。
⑦接続性と社会的包摂
接続性のギャップを埋めるコミットメントを再確認し、2025年までの接続性確保という目標を促進。2021年4月にステークホルダーフォーラムを開催。デジタルインフラ投資に向けたG20財務大臣・中央銀行総裁会合の努力を歓迎。
⑧信頼性のある自由なデータ流通と越境データ流通
DFFT及び越境データ流通の推進の機会及び課題を再認識するとともに、DFFTの実現に向けて、OECDが実施した国境移転データに関する規制的アプローチの共通項マッピングに係る作業を認識。
(2)デジタルガバメント
⑨公共サービスとその継続性のためのデジタルツール
2018年にG20ブエノスアイレスサミットで策定されたG20デジタル政府原則の重要性を認識。リスクを管理しながら、デジタル技術及び必要な能力育成に取り組むコミットメントを再確認。OECDと取りまとめたデジタルツールG20大要を歓迎。
⑩デジタルアイデンティティ
プライバシーと個人情報保護のための技術サービスにより公共部門と民間のニーズと期待に応えうることができると認識。OECDと共同で作成したG20デジタルID実例集を歓迎。
⑪アジャイル規制
デジタル化や技術革新に対応するため、よりアジャイルで柔軟で強靭なガバナンスや規制アプローチなどの様々なアクションが取られていることを留意。G20参加国のアジャイルな規制に関する調査の他、国際機関の関連作業を認識。
関連資料
関連リンク
担当
商務情報政策局 総務課 国際室長 松本
担当者: 菅野、明石
電話:03-3501-1511(内線 3991~3992)
03-3501-1843(直通)
03-3501-6639(FAX)