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2021年9月17日

9月16日、ASEAN+3及び東アジアサミット(EAS)のエネルギー大臣会合が開催されました。両会合ともオンラインで開催され、ASEAN10か国に加え、関係国・国際機関が参加しました。両会合の成果は、「共同声明」としてとりまとめられました。

両会合は、エネルギー需要が増大するアジアにおいて、安定的なエネルギー供給及びエネルギーセキュリティ・気候変動対策を強化することを目的として、各国のエネルギー担当大臣が政策協調や国際協力に向けた議論を行う場です。

今年のASEAN+3エネルギー大臣会合には、ASEAN10か国に加え、日本、中国、韓国の3か国のエネルギー担当閣僚等が参加し、日本からは江島潔 経済産業副大臣が共同議長として出席しました。

また、東アジアサミット(EAS)エネルギー大臣会合には、上記13か国に加えて、オーストラリア、インド、ニュージーランド、ロシア、米国が加わり、日本からは江島副大臣が出席しました。

各会合のポイントは以下のとおりです。

1.ASEAN+3 エネルギー大臣会合

  • ASEAN+3各国が、経済成長を達成するためエネルギーの安定的かつ継続的な供給を確保するためには、各国が様々な選択肢を検討し、あらゆる技術や燃料を活用する必要性があるとの認識で一致しました。

  • 石油・天然ガスが、エネルギー安全保障を確保し、地域の経済発展を支える上で、引き続き重要な役割を果たすとの認識を共有しました。

  • また、低炭素経済を達成するための道筋は一つではなく、各国にとって多様な道筋があることに合意しました。

  • 活動報告では、エネルギー安全保障の強化に向けた石油備蓄や原子力安全の人材育成、クリーン・コール・テクノロジーやCCUS、カーボンリサイクルといった低炭素社会への移行に不可欠な役割を果たす技術の知見共有・研究協力、AJEEP(ASEAN-日本エネルギー効率パートナーシップ)等を通した省エネ協力など、日本からの継続的な支援と貢献について感謝の意が示されました。

  • また、CEFIA(Cleaner Energy Future Initiative for ASEAN)の第2回官民フォーラムの開催(本年2月)が歓迎されるとともに、官民協力の強化や活動の更なる発展に各国から期待が寄せられました。

2.東アジアサミット(EAS)エネルギー大臣会合

  • パリ協定の実施に向けた世界的な取組に従って、グリーン成長、持続可能な開発、エネルギー・トランジションと気候変動対策から生じる経済機会を促進することの重要性について議論しました。

  • 安価で信頼性のある、持続可能で近代的なエネルギーを全ての人に対して実現する道筋を進めるために、革新的で拡張性のある効率的な技術の開発と展開の加速が重要であるとの認識で一致しました。

  • また各国から、アジアの現実的なエネルギートランジションに向けた日本の支援である「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)」に対し、感謝の意が示されました。

  • 活動報告では、日本とERIA(東アジア・ASEAN経済研究センター)が主導する、地域全域でのCCUS活用に向けた環境整備や知見を共有するプラットフォーム「アジアCCUSネットワーク」について、今年6月に開催された第1回フォーラムにて成功裏に立ち上がったことが各国から歓迎されるとともに、この分野における人材育成活動やケーススタディについて期待が寄せられました。

  • また、低炭素社会の実現に向けた水素や運輸部門の脱炭素化技術に関し、日本が継続的に知見共有を行っていることについて、各国から歓迎されました。

  • さらに、「脱炭素化に向けたEASエネルギートランジション計画・政策対話」の議題の中で、グリーン成長、トランジション・ファイナンス、革新的技術開発などを含む脱炭素化の推進に必要な政策、地域協力について、意見交換が行われました。

  • 来年は、ASEAN議長国であるカンボジアが議長となり、両会合を開催する予定です。

  • 江島副大臣
    (東アジアサミット(EAS)エネルギー大臣会合)
  • 江島副大臣
    (ASEAN+3エネルギー大臣会合)

参考

1.ASEAN+3 エネルギー大臣会合とは

  • 2002年の第8回国際エネルギーフォーラム(IEF)会合(於、大阪)にて平沼経産大臣が提唱し、設立された。これまで計17回開催。その年のASEAN議長国が議長を務め、日本、中国、韓国の3か国が共同議長として参加。

2.東アジアサミット(EAS)エネルギー大臣会合とは

  • 2007年の第2回東アジアサミット(於フィリピン)にて安倍総理が提唱し、「エネルギー安全保障に関するセブ宣言」にて設置が決定。 これまで計14回開催。その年のASEAN議長国が議長。

  • ASEAN10か国に日本、中国、韓国、オーストラリア、インド、ニュージーランド、ロシア、米国の8か国を加えた全18か国がメンバー。

資料

担当

資源エネルギー庁長官官房国際課
海外エネルギーインフラ室長 星野
担当者:下京田、嘉喜

電話:03-3501-1511(内線4491~4494)
03-3501-0598(直通)
03-3501-0598(FAX)

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