環境省・新着情報
令和3年9月27日
地球環境
令和3年度「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」の採択案件の決定について
令和3年9月27日(月)、令和3年度「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」の採択案件として19件を選定しました。これまでに採択をした設備補助事業は194件となり、これらの事業から2030年までの累積温室効果ガス(GHG)削減量は、約1,920万トンを見込んでいます。 今後も、「環境省 脱炭素インフライニシアティブ」等に基づき、「二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)」を通じた環境インフラの海外展開を一層強力に推進していきます。
1.事業内容
本事業は、優れた脱炭素技術等を活用し、途上国等におけるGHG排出量を削減する事業を実施し、測定・報告・検証(MRV)を行っていただく事業に対して、初期投資費用の1/2を上限として補助を行います。
途上国等におけるGHGの削減とともに、JCMを通じて我が国のGHG排出削減目標の達成にも資することを目的としています。また、「地球温暖化対策計画」、「環境省 脱炭素インフライニシアティブ」、「インフラシステム海外展開戦略2025」及び「インフラシステム輸出戦略(平成29年度改訂。経協インフラ戦略会議決定)」に基づく「環境分野の海外展開戦略」に沿って、相手国のニーズを深く理解した上で先進的な優れた脱炭素技術等を普及・展開することにより、世界の脱炭素化に貢献することが期待されています。
2.採択した案件の概要
「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」の執行団体である(公財)地球環境センター(GEC)が令和3年4月7日(水)~同年10月29日(金)まで日本の民間企業等を対象に公募を行う予定でしたが、予算の関係上、今年度の公募は終了となりました。
この度、書面審査、ヒアリングによる二次審査及びその結果を踏まえた採否審査を実施し、下記のとおり19件を第二次採択分として選定しました。第一次採択分と合わせると計28件のプロジェクトを選定しております。
今後、交付決定の手続等を進め、JCMの実施に向けた手続きを進めていきます。
<第二次採択分の選定事業>
No. |
パートナ ー国 |
プロジェクト名 | 代表事業者 |
想定GHG削減 量(tCO2/年) |
1 | ベトナム |
商業・産業需要家への12MW屋根置 き太陽光発電システムの導入 |
丸紅株式会社 | 5,815 |
2 | ベトナム |
工業団地への9.8MW屋根置き太陽光 発電システムの導入 |
大阪ガス株式会 社 |
4,254 |
3 | ベトナム |
飲料工場への5.8MW屋根置き太陽光 発電システムの導入 |
アジアゲートウ ェイ株式会社 |
2,531 |
4 | ベトナム |
食品工場及び衣料品製造工場への 2.5MW屋根置き太陽光発電システムの 導入 |
関西電力株式会 社 |
982 |
5 | ベトナム |
ショッピングセンターへの高効率 チラー及び調光型高効率LED 照明導 入事業 |
東急株式会社 | 726 |
6 | ラオス |
シエンクワーン県における19MW太 陽光発電プロジェクト |
リベラルソリュ ーション株式会 社 |
7,861 |
7 |
インドネ シア |
ランプン州ベサイ川における6MW小 水力発電プロジェクト |
WWS-JAPAN株式 会社 |
20,307 |
8 |
インドネ シア |
輸液製造工場への高効率滅菌釜導 入による省エネプロジェクト2 |
株式会社大塚製 薬工場 |
8,796 |
9 |
インドネ シア |
ランプン州メレソム川における 2.3MW小水力発電プロジェクト |
WWS-JAPAN株式 会社 |
6,787 |
10 | チリ |
バルパライソ州カサブランカ市に おける9MW太陽光発電プロジェクト |
株式会社ユーラ スエナジーホー ルディングス |
8,527 |
11 | チリ |
ビオビオ州ユンガイ市における9MW 太陽光発電プロジェクト |
株式会社ユーラ スエナジーホー ルディングス |
8,476 |
12 | チリ |
マウレ州の農地を活用した3MW太陽 光発電プロジェクト |
ファームランド 株式会社 |
2,489 |
13 | タイ |
スパンブリ県における35MW太陽光 発電・蓄電池導入プロジェクト |
株式会社兼松 KGK |
13,197 |
14 | タイ |
タイヤ工場群への23MW屋根置き太 陽光発電システムの導入 |
シャープエネル ギーソリューシ ョン株式会社 |
8,928 |
15 | タイ |
繊維工場及び食品工場への高効率 ボイラ、高効率ターボ冷凍機、太陽光 発電システムの導入 |
関西電力株式会 社 |
1,885 |
16 | タイ |
非鉄金属工場への2MW屋根置き太陽 光発電システムの導入 |
関西電力株式会 社 |
945 |
17 | タイ |
食品工場への1.85MW太陽光発電シ ステムの導入(JCMエコリース事業) |
東京センチュリ ー株式会社 |
858 |
18 | タイ |
自動車部品工場への0.13MW太陽光 発電システムの導入(JCMエコリース 事業) |
東京センチュリ ー株式会社 |
52 |
19 |
フィリピ ン |
ケソン市庁舎への省エネ型空調設 備の導入 |
株式会社オリエ ンタルコンサル タンツ |
780 |
【参考1】環境省 脱炭素インフライニシアティブ(令和3年6月)
環境省では、二国間クレジット制度(JCM)を通じた環境インフラの海外展開を一層強力に促進するため、「脱炭素インフライニシアティブ」を策定しました。
JCM により、2030 年度までに官民連携でGHG 排出削減量累計1億トン程度を目指し(資金の多様化による加速化を通じて、官民連携で事業規模最大1兆円程度)、4つのアクションによる条件整備を行います。
(参考サイト http://www.env.go.jp/press/109707.html)
【参考2】二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)の概要
JCMは、途上国等への優れた脱炭素技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策を通じ、実現したGHG排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価するとともに、パートナー国及び日本の削減目標の達成に活用するもの。
JCMの現状のパートナー国は、モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、コスタリカ、パラオ、カンボジア、メキシコ、サウジアラビア、チリ、ミャンマー、タイ及びフィリピンの17か国。
(参考サイト https://www.carbon-markets.go.jp/jcm/index.html)
【参考3】インフラシステム海外展開戦略2025(令和2年12月、経協インフラ戦略会議決定)
世界の脱炭素化をリードしていくため、相手国のニーズを深く理解した上で、風力、太陽光、地熱等の再生可能エネルギーや水素、エネルギーマネジメント技術、CCUS/カーボンリサイクル等も含めたCO2排出削減に資するあらゆる選択肢の提案やパリ協定の目標達成に向けた長期戦略など脱炭素化に向けた政策の策定支援を行う、「脱炭素移行政策誘導型インフラ輸出支援」を推進していくことを基本方針とする。
(参考サイト https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keikyou/dai49/siryou2.pdf)
【参考4】環境分野の海外展開戦略(平成30年6月、環境省策定)
我が国の幅広い技術・経験を活かし、各国の様々なニーズを踏まえ、インフラや人材づくりの面から各国のエネルギー転換を支援。我が国として再エネ・水素・省エネ等の脱・低炭素型のインフラ技術を核に、世界をリードできる強力な官民の連携体制を構築して対抗することが重要。
その際、二国間クレジット制度(JCM)等を活用して、我が国の先進的な脱炭素技術等を普及・展開し、災害に強い再生可能エネルギーなど、我が国が比較優位を有するインフラの海外展開を促進。
(参考サイト http://www.env.go.jp/press/105573.html)
添付資料
環境省JCM資金支援事業案件一覧(2013~2021年度) [PDF 376 KB]
連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8246
室長 井上 和也 (内線 7212)
国際企画官 小圷 一久 (内線 7771)
室長補佐 増田 正悟 (内線 6757)
担当 堀川 亮祐 (内線 7736)