経産省・新着情報
2021年9月30日
1.本事業の概要
施設管理、小売、食品製造等の人手不足が顕著な分野へロボットを導入していく上で、導入コストの低減につながるロボットを導入しやすくする環境、いわゆる「ロボットフレンドリーな環境(ロボフレ)」の整備が重要です。このため、経済産業省では、2019年秋に、「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース」を設置し、こうした環境に必要な要件等の検討・整理を進めているところです。(下記に記載の(参考)「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース」を参照)
今般、執行団体である一般社団法人日本機械工業連合会が、上記3分野を対象に研究開発を実施する事業者を募集した結果、以下の4社が採択されました。
- 施設管理分野:三菱地所株式会社、森トラスト株式会社
- 小売分野:ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社
- 食品製造分野:一般社団法人日本惣菜協会
(参考:(一社)日本機械工業連合会公表)
2.研究開発の概要
各分野で実施する研究開発の概要は以下のとおりです。
(1)施設管理分野(採択先2件)
1.採択先
三菱地所株式会社
(委託・請負先等:NECネッツエスアイ㈱、㈱セキュア、日本信号㈱、パナソニック㈱、㈱日立製作所等)
2.概要
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人手不足への対応や、遠隔・非接触によるサービス提供の実現に向けて、搬送・清掃・警備や消毒などの機能を持つロボットが施設内を稼働する際に、別フロアへの移動が最大の課題。
- そこで、様々なロボットが様々なエレベータに搭乗し、ドアとも連携していくための通信仕様等について研究開発を実施。様々なロボットがエレベータやドアと連携し、施設内の配送・清掃業務を自律的に実施するサービスの実現を目指す。
1.採択先
森トラスト株式会社
(委託・請負先等:㈱Octa Robotics、ソフトバンクロボティクス㈱、三菱HCキャピタル㈱)
2.概要
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少子高齢化社会における人手不足への対応や、非接触化を実現する観点から施設内へのロボット導入に期待が寄せられている。施設内へのロボット導入を実現するためには、施設環境の整備が必要。
- 施設内でロボットが円滑に稼働するためには、ロボットが稼働する際の物理環境が極めて重要であるため、段差、通路幅、床材、壁材、照度、通信環境等といった環境因子ごとにロボットが稼働しやすい仕様を特定する。あわせて、特定した環境因子の仕様にそったかたちで、ロボットに備えておくべき技術仕様を明確化する。
(2)小売分野
1.採択先
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社
(委託・請負先等:イオンリテール㈱、ソフトバンク㈱)
2.概要
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小売店舗において、決済や品出し・陳列、在庫管理等の業務を自動化するにあたり、ロボット等が膨大な数の商品を迅速かつ安価に認識するための手法として近年注目されている、商品画像データによる認識方法に関する環境整備を実施。
- ロボット等が認識した商品画像がデータベース上で常に最新データとして格納されるためのデータ流通基盤に関する研究開発を実施。具体的には、ある商品のメーカー、卸、小売りといったサプライチェーンにおいて、どの主体が商品画像を撮影し、どのようなかたちで流通させることが適切かといった点にフォーカスして研究開発を実施。
(3)食品製造分野
1.採択先
一般社団法人日本惣菜協会
((一社)日本惣菜協会が幹事会社となり、イチビキ㈱、㈱グルメデリカ、㈱デリカスイト、㈱ニッセーデリカ、㈱ヒライ、藤本食品㈱、マックスバリュ東海㈱による共同提案)
(委託・請負先等:㈱アールティ、㈱エクサウィザーズ、㈱FAプロダクツ、㈱オフィスエフエイ・コム、㈱グルーヴノーツ、コネクテッドロボティクス㈱、日本サポートシステム㈱、㈱ファミリーマート等)
2.概要
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食品の製造現場の中でも、特にお弁当などの中食の盛り付け工程は自動化の難易度が高く、現在、その工程の大半を人手で行っている状況。柔軟・不定形の食品を、迅速に見栄え良く盛り付けることは、ロボットにとって極めて難易度の高い作業であり、それをロボットで実現することとなれば、高度な技術を活用した高価格なものとなる。
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そこで、ロボットにとって盛り付けやすい盛り付け方法や、掴みやすい包装容器の在り方を整理しつつ、盛り付けロボットシステムの研究開発を実施。その際には、開発した成果が横展開されやすいよう、廉価なロボットや廉価なトップシール機等の開発もあわせて進める。
(参考)「ロボット実装モデル構築推進タスクフォース」
TFの設立について
TFにおける検討結果について
3.物流倉庫TCについて
2020年度から、TFを「ロボット革命産業IoTイニシアティブ協議会」(RRI)の下に位置付け、分野毎にテクニカルコミッティー(TC)をもうけロボフレ環境の実現に向けて検討を進めてきました。
今般、物流倉庫のロボフレ化、ひいては、物流倉庫の自動化を推進していくため、物流倉庫TCが立ち上がります。現時点で、物流倉庫TCに参画するメンバーは以下の通りです。
(五十音順)
各TCは、今後も、本事業における研究開発の取組とも連携しつつ、ロボットフレンドリーな環境の構築と、その普及のための標準化・規格化等の検討を進めていきます。
担当
製造産業局ロボット政策室長 大星
担当者: 福澤、秦野、二谷
電話:03-3501-1512(内線70286)
03-3501-1049(直通)
03-3580-6394(FAX)