令和3年9月30日

 9月30日、午後9時頃から、茂木敏充外務大臣は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に関する国連総会ハイレベル・サイドイベントを共催し、ビデオメッセージの形で出席したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 本イベントは、日本がG7議長国を務める2023年に開催が予定されている国連総会UHCハイレベル会合(9月下旬を予定)に向けて、世界でUHCを実現するための国際保健分野の連携・協力等について議論することを目的に開催されました。参加者からはワクチンや保健システムを含む新型コロナ感染症対策の教訓が共有され、2023年のハイレベル会合に向け強靭で誰でもアクセスできる保健システムやプライマリ・ヘルス・ケアの強化などを通じたUHC推進の重要性などについて議論されました。
  2. 茂木大臣は、新型コロナ感染症の克服や将来のパンデミックへの備えは、UHCの達成に向けた取組を通じて達成されるものである旨述べた上で、COVAXファシリティへの資金拠出、ワクチンの供与、ワクチンを一人一人に確実に届けるための「ラスト・ワン・マイル支援」などの世界全体におけるワクチンへの公平なアクセスの確保に向けた我が国の取組に触れつつ、ポスト・コロナの新しい時代におけるより強靱なUHCの達成の重要性や保健分野にとどまらない幅広い分野での連携の必要性を呼びかけ、UHCの達成に向け、日本としてリーダーシップを発揮していく決意を述べました。
  3. 本イベントには、共催国であるタイのドーン副首相兼外相及びジョージアのガブニア第一次官の他、各国の保健大臣や政府高官、またモハメド国連副事務総長、テドロスWHO事務局長などの国際機関の代表や市民社会等が参加しました。

[参考1]ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ
 全ての人が負担可能な費用で質の確保された保健サービスを受けられ、経済的リスクから保護されること。

[参考2]国連総会UHCハイレベル会合
 2019年9月、第74回国連総会において第1回UHCハイレベル会合が開催。2030年までに全ての人々に基礎的医療を提供すること、医療費支払いによる貧困を根絶すること等の目標を含む政治宣言が採択された(日本からは、安倍総理大臣(当時)が出席)。日本は同ハイレベル会合を契機に設立された国連UHCフレンズ・グループの共同議長を務める。また、日本が共同ファシリテーターを務めた国連総会決議により2023年の9月の国連総会において、第2回となるUHCハイレベル会合を開催し進捗を確認することが合意された。

[参考3]COVAXファシリティ(COVID-19 Vaccine Global Access Facility
 新型コロナワクチンへの途上国を含めた公平なアクセスの確保のため、Gaviワクチンアライアンス主導の下、立ち上げられた資金調達及び供給調整メカニズム。ワクチンの購入量と市場の需要の保証を通じ規模の経済を活かして交渉し、迅速かつ手頃な価格でワクチンを供給する仕組み。