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2021年10月4日

10月4日、経済産業省は、第1回アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合を、オンライン形式で開催しました。
本会合は、アジアを中心とする20の国の閣僚と3の国際機関の代表の参加を得て、可能な限り早期の世界全体でのカーボンニュートラル達成に向け、グリーン成長の実現と、現実的かつ多様なエネルギートランジションを加速化していく必要性について議論を深めました。特に、カーボンニュートラルの実現に向けては、その道筋は一つではなく、各国ごとに異なる道筋があることや、イノベーションの促進、及びアジア各国への積極的なエンゲージメントが重要であることを確認しました。
また、本会合の成果を議長サマリーとして、発表しました。

会議の概要

本会合は、アジアにおいて経済成長とカーボンニュートラルを同時達成するためには、「グリーン成長」の実現と、多様かつ現実的なエネルギートランジションの加速化が必要であり、こうした考え方について参加国・国際機関の間で議論を深め、国際社会にも発信することを目的に日本主催で初開催されたものです。

会合には中東を含むアジア諸国、豪州、米国、ASEAN事務局、東アジア・ASEAN経済研究センター(ERIA)、国際エネルギー国際機関(IEA)の計23の国の閣僚並びに国際機関の代表が参加しました。

会合冒頭では、梶山経済産業大臣から、世界全体でのカーボンニュートラル実現に向けては、各国の努力・貢献が不可欠であり、アジアにおいても気候変動問題への積極的な対応を新たな機会として、グリーン成長の実現と、エネルギートランジションの加速化に取り組んでいく必要がある旨、ビデオメッセージで強調しました。

また、アジアにおけるカーボンニュートラルの実現に向けては、その道筋は一つではなく、各国ごとに異なる道筋があることや、イノベーションの促進、及び各国への積極的なエンゲージメントが重要であることを強調した上で、日本としては、本年5月に発表した「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)」に基づき、幅広い支援を提供していく方針であることを改めて表明し、個別の国とのロードマップ策定に向けた対話等、すでに具体化している協力の成果を紹介しました。

続いて、IEAのビロル事務局長からも冒頭挨拶があり、クリーンなエネルギートランジションに唯一の道筋は無く、その道筋は各国の事情や将来性に合わせて形作られるものであるとの発言がありました。加えて、ネットゼロの実現に向けては、二酸化炭素回収・貯留(CCUS)、水素やアンモニア等の低炭素燃料、LNGが重要な役割を果たすこと、また、アジアは今後も急速な経済成長が続く見込みであり、トランジションの速度と道筋は他の地域とは異なる可能性がある旨の説明がありました。

<参考>「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)」

  • カーボンニュートラルに向けたエネルギートランジションのロードマップ策定支援
  • アジア版トランジションファイナンスの考え方の提示・普及
  • 再エネ・省エネ、CCUS等のプロジェクトへの100億ドルファイナンス支援
  • グリーンイノベーション基金の成果を活用した技術開発・実証支援
  • 脱炭素技術に関する人材育成・知見共有・ルール策定

本会合では、各国の事情を考慮し、様々なオプションを活用した多様かつ現実的なエネルギートランジションの考え方やAETIに基づく日本の支援等について、各国・各国際機関から共感や歓迎の意が表されるとともに、それぞれのエネルギートランジションの推進に向けた取り組みが紹介されました。また、世界全体でのカーボンニュートラル実現に向けては、革新的なイノベーションと各国のエネルギートランジションを支えるファイナンスの必要性が強調され、国際社会からの協力に対する期待が述べられました。また、会合でのこうした議論を受けて、議長サマリーを発表しました。

議長サマリー骨子

  •  パリ協定の目標達成に向け、可能な限り早期に世界全体でのカーボンニュートラルを実現するため、すべての国が努力と貢献を行っていくことの必要性を認識。
  • カーボンニュートラルの実現に向けた唯一の道筋はなく、各国毎に多様な道筋があることに合意。
  • アジアのエネルギー需要の増加に対応しつつ、エネルギートランジションを促進するため、あらゆるエネルギー源、あらゆる技術を活用する重要性を共有。この目的を達成するため、革新的技術の研究開発や早期商業化への支援を通じ、エネルギートランジションに資する様々なイノベーションを促進することの必要性を確認。
  • 革新的技術の導入やファイナンス支援を通じ、積極的に発展途上国を巻き込んでいくことの重要性を確認。
  • 各国がそれぞれのエネルギートランジションの道筋を検討するにあたり、IEAやERIAなどの関連国際機関及び研究機関が、知見を共有し、支援を提供する用意があることを歓迎。
  • 幅広い支援を含む日本の「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)」を歓迎。
  • アジアにおいてエネルギートランジションを実現するためには、各国が示す道筋に位置づけられた、様々な低排出・省エネ技術やプロジェクトに投資や資金を呼び込む仕組みを構築することの重要性を認識。
  • エネルギートランジションに資する技術やプロジェクトをファイナンス面から支援する枠組みの確立、及び民間金融機関を中心とした「アジア・トランジション・ファイナンス・スタディ・グループ」による「アジア・トランジション・ファイナンス(ATF)」の考え方の検討が不可欠であることを認識。
  • アジアにおいてエネルギートランジションを加速するため、各国の産学官が連携することの必要性を認識。
  • 第1回AGGPMでの議論に基づく、グリーン成長に向けた様々な会合やワークショップを期待し、2022年に第2回AGGPMを開催するとの日本のイニシアティブに留意。

今後とも、アジアにおけるカーボンニュートラル早期実現に向け、多様な取組やプロジェクトを着実に実施・支援していくとともに、関係国とも緊密に連携しつつ、様々な機会を通じて、各国の事情に即したエネルギートランジションとその加速化の重要性について、国際社会に対して積極的に発信していきます。

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担当

資源エネルギー庁長官官房国際課長 小泉
国際資源エネルギー戦略調整官 早田
担当:下京田、嘉喜、稲垣、温井

電話:03-3501-1511(内線 4491~4494)
03-3501-0598(直通)
03-3595-3056(FAX)

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