外務省・新着情報

米中関係(オンライン首脳会談)

【NHK 青木記者】米国と中国の首脳によるオンラインの会談が始まりました。今回の会談を、日本政府として、どのように注視していくか、お考えをお聞かせください。

【林外務大臣】日本時間の本日朝から、米中首脳間のオンラインの会談が開始されたものと承知をしております。これは第三国間の会談でございますので、コメントを差し控えたいと思いますが、その上で申し上げますと、米中両国の関係の安定、これは国際社会にとっても極めて重要であるというふうに考えております。政府としても、今回の首脳会談も含めて、状況を注視してきておるところでございます。
 日本としては、引き続き同盟国たる米国と強固な信頼関係の下で、様々な協力を進めつつ、中国に対しても、大国としての責任を果たしていくように働きかけていきたいと、そういうふうに思っております。

NPT運用検討会議・核兵器禁止条約

【朝日新聞 菅原記者】NPT再検討会議についてお尋ねいたします。
 大臣、昨日、国連の中満事務次長と面会された際に、先方から来年1月の同会議に出席してほしいというふうに求められたかと思います。来年1月ですので、少し先の話にはなるんですけど、岸田総理ご自身が、核軍縮をライフワークと言っておられる政権にあって、大臣ご自身が、この会議について、どのように意味づけとして考えておられるか、また出欠についての在り方について、お考えを聞かせてください。

【林外務大臣】NPT運用検討会議は、来年の1月4日から28日まで、ニューヨークで開催されることになっております。まだ我が国の出席者については、何ら決まっておりません。
 いずれにしても、この会議が意義ある成果を収めるものとなるように、我が国としても、積極的な役割を果たしていきたいというふうに思っております。
 また、核兵器禁止条約についてですが、核兵器のない世界への出口ともいえる重要な条約であると思っております。しかし、現実を変えるためには、核兵器国の協力が必要ですが、この条約には、核兵器国は1か国も参加していないということでございます。
 従って、日本は唯一の戦争被爆国として、核兵器国を関与させるように努力をしていかなければならないと思っております。唯一の同盟国である米国の信頼を得た上で、「核兵器のない世界」の実現に向けて、共に前進をしていきたいと考えております。

【中国新聞 樋口記者】関連で、核禁条約の関係で、3月には、オーストリアのウィーンで、核禁条約の締約国会議が予定されております。昨日、中満事務次長と会談した岸田総理が、中満事務次長がその後のテレビ番組で、この締約国会議への参加には総理は慎重だったという趣旨の発言をされていますけれども、現時点で、外務大臣の林先生として、この締約国会議に政府が出張する必要性があるのか、また、出席する考えがあるのかというのを伺います。

【林外務大臣】もう総理もおっしゃったということでありますが、従来より、先ほど申し上げたように、核兵器禁止条約については、先ほど申し上げたような考え方を持っておりますので、この考え方の下で、総理おっしゃったことを踏まえて、対応していく必要があるというふうに思っております。

ミャンマー情勢(笹川日本財団会長のミャンマー訪問)

【ロイター通信 スロドコフスキー記者】昨夜ミャンマーで拘束されていた、米国のジャーナリストのフェンスター氏が釈放されました。それと同時に、昨夜、ミャンマーの国軍の、国が経営しているメディアで、国民和解担当の日本政府代表、日本財団会長の笹川会長が、それを要請していたというふうに報道をしています。
 大臣に対して、まず笹川さんが、どのように関わっていたか、その釈放についてどのように貢献されたかということについてお伺いしたいと思います。

【林外務大臣】日本財団の会長であられます笹川陽平氏が、13日に、ネーピードーにおいて、ミン・アウン・フライン国軍司令官と会談したと承知しております。
 今般の笹川氏の訪問ですが、政府代表としての立場で行われたものではないということでございます。その上で、政府として笹川氏との間で、従来から一定の連絡をとっておりますが、その内容等の詳細を明らかにすることは差し控えたいと思います。
 政府としては、ミャンマー情勢の改善、打開に向けて様々な外交努力を続けていく方針に変わりはないということでございます。

G7外相会合

【読売新聞 阿部記者】G7の外相、外務大臣会合が、12月にASEANにも呼びかける形で開催されると報じられていますが、大臣としてどのようなことを伝えて、どういうことに期待するか、お考えをお聞かせください。出欠についてもご意向を。

【林外務大臣】年内に、2回目のG7外務・開発大臣会合、これを開催するということは、5月のこの会合の際にG7の間で一致をしているわけでございますが、日程や議題等の詳細については、議長国の英国が調整中だと承知をしておりまして、具体的なことを私(林大臣)から申し上げるのは控えたいと思います。
 その上で申し上げますと、英国政府は、この会合にASEANを招待する意図を表明しておりまして、日本としては、これをインド太平洋への関与を強化する意欲の表れということで、歓迎をしておるところでございます。
 なお私(林大臣)の出席については、まだ現時点では決まっておらないというということでございます。

ミャンマー情勢(笹川日本財団会長のミャンマー訪問)

【ロイター スロドコフスキー記者】先ほどの質問で、関連したいんですけれども、笹川代表が、今回のミャンマーの訪問が、日本政府の代表として行かれたわけではないというふうに大臣がおっしゃったんですけれども、しかし、このタイミングとしては、すごくやっぱりセンシティブなタイミングでもありまして、ASEANがやはりミャンマーを会談に招待していないし、今、ASEANが、その自分のエンボイ(特使)を、ミャンマーに送ろうとしているんですけれども、やっぱりすごく緊張した状態が続いておりまして、スー・チーさんに会えるかどうかということがやっぱり接点となっていると思うんですけれども、このタイミングで笹川さんは、スー・チーさんには会っていないと思いますけれども、このタイミングで、そのまま行かれることについて、大臣のご見解と、あとはやっぱり、笹川さんも健康担当大臣ともお会いになって、ワクチンの話も何らかの話をされている、交渉されていると思うんですけれども、日本としてミャンマーにワクチンを寄付する予定はあるかどうか、そして、それが、今回の笹川さんの、あるいはフェンスター氏の釈放との関係についても教えていただきたいと思います。

【林外務大臣】先ほど申し上げたとおりでございますが、笹川陽平氏が、ミン・アウン・フライン国軍司令官と、13日にネーピードーにおいて会談したことは承知をしておりますが、政府代表としての立場で行われたものではないということでございます。
 笹川氏との間では、従来から一定の連絡をとっておるわけですが、今般の笹川氏の訪問について、日本政府は、ミャンマー側との調整は行っていないということでございます。そして、今般の笹川氏の訪問は、政府代表としての立場で行われたものではないということを申し上げたとおりですので、この訪問について、政府としてコメントする立場にないということでございます。
 ワクチンの件につきましては、日本として、本年2月以降、ミャンマーへの人道支援、これは実施をしてきております。今後も現地の事情と人道上の必要性、緊急性、こうしたものを踏まえて、国際機関とも連携しながら、人道支援を検討していくということでございます。
 日本政府として、困難に直面しているミャンマー国民に、しっか寄り添っていきたいというふうに思っております。

日米外相電話会談

【テレビ朝日 澤井記者】週末に行われた米国のブリンケン国務長官との電話会談についてお伺いします。お互いにバンドマンということで意気投合したというふうに聞いておりますが、お互いの呼び方ですね、ファーストネームとかニックネームとか、何か決めたことがあれば教えてください。
 あと、早期に対面で会談を行うことで一致したということですが、先ほどの質問で出ました、来月上旬にも英国で、G7の外相会合が行われるとなれば、そこでのバイ会談というのを調整されるのでしょうか。

【林外務大臣】今月の13日ですが、ブリンケン長官との間で、日米外相の電話会談を行ったということでございます。この日米同盟、日本の外交安全保障の基軸でございまして、私(林大臣)が外務大臣に就任して初めての電話会談の相手が、ブリンケン長官であったということは極めて意義深いと思っておりまして、ブリンケン長官と信頼関係を築く上で、重要な一歩になったと思っております。
 ニックネームですが、私(林大臣)からは「トニー」というふうにブリンケン長官のことを呼ばせていただくと、ブリンケン長官からは私(林大臣)のことを「ヨギー」というふうに呼んでいただくことになりました。「ヨギー」というのは米国のアニメで、「ヨギー・ベア」というのがございますが、私(林大臣)が、サラリーマン時代から米国に行ったときに、ずっとつけられたニックネームでございます。
 また、今ご指摘いただいたように、私(林大臣)は「ギインズ」というバンドを組んでおりますが、ブリンケン長官も実はバンドを組んでいたということがありますので、そういうことでも、お話が出たところでありますので、同盟の一層の強化に向けて、ブリンケン長官との間で、良いハーモニーを奏でていければと思っております。
 早期に対面での外相会談を行うということで一致しておりますが、まだ先ほどお尋ねのあった会合も含めて、具体的な日程については現時点では決まっておりません。

シリア情勢

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 まずは、英語で質問することを引き続き認めていただき、外務省に感謝申し上げます。大臣は日本語でお答えになるということですが、それで構いません。最近、シェイク・アブダッラー・アラブ首長国連邦外務・国際協力大臣が、シリアを訪問したことに関連して伺います。ダマスカスにある米国大使館(ママ)は再開しています。現在のシリア情勢に関する日本の立場をお聞かせください。具体的には、シリアにおける日本大使館を再開する予定があるのか、もしくはダマスカスにある他の大使館を通じて領事サービスだけでも再開する予定は日本政府にありますでしょうか。

【林外務大臣】Thank you.
(以下は日本語にて発言)
 ご指摘のUAEをはじめとする、一部アラブ諸国によるシリア等との、ハイレベルでの交流等の動きにつきましては、シリア危機の発生から11年、既に経過をしている中で、停滞する政治プロセスに影響を及ぼしうるものかどうか、注視をしておるところでございます。
 日本は既に困難に直面しているシリアの人々のために、2012年以降、合計31億ドル以上の人道支援を実施してきております。日本としては、こうした人道支援を通じて、人道状況の改善を図りつつ、国連の下での政治プロセスを進展させるべく、シリア危機の解決に向けて、国際社会と引き続き、緊密に連携をしていく所存です。
 また在シリア日本国大使館を一時閉館し、隣国のレバノンのベイルートに移転させたのは、主として現地の治安状況の悪化を理由とするものであります。大使館のダマスカスにおける業務再開につきましては現地の情勢を注視しつつ、判断することになると思っておりますが、現時点ではこうした再開の計画はございません。

米中関係(オンライン首脳会談)

【共同通信 前田記者】大臣、冒頭の米中のところで、日本の果たすべき役割というところをお伺いしたいんですけども、先ほど冒頭の質問でおっしゃったように、米中の関係の改善というのは世界の安定にとっても重要だというようなお話あったと思うんですけれども、大臣、中国のことも良くご存じの中で、これまでの働きかけ以上に、大臣が新たな戦略というか、どういう働きかけをすればいいかというお考えをお伺いしたいんですけども。

【林外務大臣】この会談について、まさに本日、開催をされたということですので、今後、関連情報、これを分析させたいと思っております。
 いずれにしても、米中両国の関係の安定というものは、米中二国間に留まらず、国際社会にとっても極めて重要であると考えておりますので、我々政府としても、今回の首脳会談を含めて状況を注視してきているところでございます。

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