外務省・新着情報

冒頭発言

ロシアによる衛星破壊(ASAT)実験の実施

【吉田外務報道官】モスクワ時間の11月15日、ロシア政府が、自国の衛星をミサイルで打ち落とすという衛星破壊実験を実施いたしました。その結果として、多数のスペース・デブリと言われる宇宙ゴミが発生いたしました。
 同じ日に、日本も参加しています国際宇宙ステーション(ISS)に、多数のデブリが接近して、搭乗員がISSに係留されている宇宙船内に退避するということもありました。
 運用を終えた人工衛星、それからロケットの切り離した上段部等、地球の周りを回っている宇宙ゴミの数は、他の国が行なった衛星破壊実験であるとか、人工衛星の衝突などによって、大量飛散も加わって、年々増加しています。
 地球を高速周回するこういった宇宙ゴミが、人工衛星に衝突することとなりますと、大きな被害をもたらす可能性があります。その結果、宇宙空間の安定的利用に対する大きな脅威になっています。
 日本としては、宇宙空間の持続的かつ安定的利用の確保であるとか、安全保障上の観点から、引き続き、関係国に対して、宇宙空間における責任ある行動を求めていきたいと考えます。私の方からは以上です。

ロシアによる衛星破壊(ASAT)実験の実施

【朝日新聞 安倍記者】今の報道官のお話の中で、宇宙ゴミ、スペース・デブリの発生ということで、大きな脅威になるということですね。政府として、今回の件について、ロシア政府に対して何らかの働きかけですとか、また、抗議などはされたのでしょうか。

【吉田外務報道官】現在、日本政府の中でも関係府省で連携をしながら、今回の事案について情報収集、それから鋭意分析を行っているところです。こういった情報収集や分析の結果であるとか、この事案に係る様々な内外の状況を勘案しながら、申入れをどうするか等については、今後検討していきたいと考えています。

韓国警察庁長による竹島上陸

【朝日新聞 安倍記者】別件ですけど、韓国の警察庁の長が竹島に上陸したということで、午前の官房長官会見では、上陸が事実であれば極めて遺憾というようなコメントがありました。上陸が事実であれば、ということでしたけれども、韓国政府とのやり取りの中で、この警察庁長の上陸というのは確認できているんでしょうか。

【吉田外務報道官】お尋ねのありました件について、官房長官、午前中の会見で、報道が事実であれば、竹島が、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに日本固有の領土であることに鑑み、到底受け入れられないと、極めて遺憾であるというふうに発言されたと承知します。
 今回の状況につきましては、15日に事前の報道がありましたので、それを受けて直ちに、まず計画をやめろと中止の申入れを行いましたし、それから上陸したとの報道がありました16日も、改めて厳重に抗議をいたしました。
 今回の事案については、上陸が事実であればという状況については、依然として、状況は同じですが、諸般の状況から上陸が行われたものと考えられるという判断をして、以上のような申入れ等を行ったということであります。

ニューヨークにおける小室さん夫妻への対応

【朝日新聞 安倍記者】全く話題が変わるんですけど、このたび結婚された小室圭さんと眞子さんが、ニューヨークで新たな生活を始めたということが注目されていますけれども、ニューヨークには日本総領事館がありますが、この2人の生活のために領事館として何か対応されていることというのはあるんでしょうか。

【吉田外務報道官】小室夫妻、ニューヨークに到着されたということでありますので、今後、必要があれば、当然我々は在留邦人に対して、領事関係の行政サービスは提供しておりますので、そのような形で必要に応じて対応していくということであろうと、このように考えます。

北京冬季五輪

【産経新聞 豊田記者】来年2月の北京五輪に関しまして、バイデン政権が外交的ボイコットを近く発表するとの現地報道がありましたけれども、まずこのことについての受け止めと、日本政府の対応方針について、併せてお聞かせいただきたいと思います。

【吉田外務報道官】報道等で、米国政府の北京オリンピックに対する対応が報道されているのは存じ上げています。他方、これは米国政府の考え方、しかもまだ報道されている段階ということですので、直接コメントするような段階にはないのかなと、このように考えます。
 他方、北京オリンピックへの対応につきましては、これまでもご説明させていただいているとおりですが、オリンピック・パラリンピックの外国要人の出席については、それぞれの国・地域のオリンピック委員会、NOCといいますが、それからパラリンピック委員会、NPCから申請を、国際オリンピック委員会や国際パラリンピック委員会に行って、これをIOCやIPCが認証するというのが仕組みになっています。
 北京五輪についても、こうしたシステムを踏まえて検討されているということになろうかと思いますけれども、現時点では、日本のそういった要人の出席については、特に何か決まっているということはありません。
 日本としては、これまでも申し上げてきていますけれども、北京の冬季大会、オリンピック・パラリンピックの理念・精神に則って、平和の祭典として、開催されると、そのような環境になることを期待しておるところです。

ロシアによる衛星破壊(ASAT)実験の実施

【共同通信 松浦記者】冒頭ご発言いただきました、ロシアの衛星破壊実験ですが、この意図について、現在どのように分析されていますでしょうか。

【吉田外務報道官】先ほど申し上げましたけれども、現在、関係府省の間で、様々情報を集約して、分析を行っているところであります。従いまして、現段階でどういう背景であるとか、そういったことについては、まだ申し上げられる段階にはありませんし、ましてや、そういった実験を行ったロシアの意図を、我々が予断するという立場にはないと、このように考えます。

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