外務省・新着情報

冒頭発言

(1)パラグアイ外相の訪日

【林外務大臣】おはようございます。私(林大臣)から冒頭2件ほどございます。
 報道発表でもご案内をしましたとおり、11月20日から22日まで、パラグアイのアセベド外務大臣が、外務省賓客として訪日し、22日には、日・パラグアイ外相会談を実施する予定でございます。
 今回の会談を通じて、我が国と基本的価値を共有するパラグアイとの間で、二国間の政治・経済関係の一層の強化を図るとともに、気候変動を始めとする各種国際課題への対応、地域情勢についても協議する考えでございます。

(2)日本によるワクチン提供

【林外務大臣】それから、もう一件は、日本によるワクチン提供でございます。
 COVAXファシリティを通じた新型コロナワクチンの供与に関し、調整が整えば、日本で製造したアストラゼネカ社製ワクチン合計370万回分を、カンボジア、ラオス、バングラデシュ、トンガ、バヌアツ、ニカラグア、エジプト、シリア及びイエメンに対して供与することといたしました。アフリカ大陸、中南米地域に対しては、初めての供与となります。
 これらのワクチンは準備が整い次第、輸送する予定でございます。
 また、現在、ベトナムへの追加の直接供与も調整をしております。
 日本は既に3,000万回分のワクチン提供を行ってまいりました。今後とも、国内のワクチン生産・使用状況、各国、地域における感染状況やワクチンのニーズ等を勘案しながら、供与を進めていく予定です。私(林大臣)からは以上です。

北京冬季オリンピック/パラリンピック

【日本経済新聞 三木記者】米国のバイデン大統領が、北京五輪に関して、外交的ボイコットを検討していると表明されました。日本政府の受け止めと、日本の北京五輪への参加などの調整状況についてお伺いします。

【林外務大臣】バイデン米大統領が、記者とのやり取りにおいて、そういう発言をしたということは承知をしております。北京冬季大会への各国の対応についてコメントをすることは、差し控えたいと思います。
 いずれにしても、我が国としては、北京冬季大会がオリンピック及びパラリンピックの理念にのっとって、平和の祭典として開催されるということを期待しておるところでございます。

経済安全保障法案

【毎日新聞 飼手記者】先ほど、経済安保の推進会議が立ち上がって、この後、経済安保法制の準備室も設置されます。改めて、経済安保の重要性と、今後の国家安保戦略の改定で、経済安保をどう位置づけるのか、あと、経済安保が、日米や日中など、外交に与える影響についてどのようにお考えでしょうか、お願いします。

【林外務大臣】今お話がありましたように、先ほど岸田総理を議長といたします第1回経済安全保障推進会議が官邸で行われまして、私(林大臣)も出席をしてきたところでございます。この経済安全保障を推進するための法案や、その検討の進め方も含めて、議論が行われたところでございます。
 こうした議論の背景でございますが、近年、この安全保障の裾野が、伝統的な分野に止まらず、経済や技術の分野に急速に拡大をしております。そうした中で、経済安全保障の分野で、国家間の競争が大変顕在化をしてきておりますので、そうした中で戦略的物資や重要技術の確保、それから技術の流出防止等が、今まで以上に重要さを増してきているところでございます。
 外務省としては、こういった経済安全保障の確保に向けた政府全体としての必要な取組を着実に進めていくべく、政府一丸となった取組に積極的に貢献していくとともに、米国をはじめ、諸外国との連携を強化していきたいと思っております。

日中外相電話会談(北京冬季オリンピック/パラリンピック)

【朝日新聞 佐藤記者】先ほど質問がありました、来年2月の北京五輪について関連しての質問なんですけれども、昨日の日中外相電話会談で、中国側の発表によれば、王毅外相は、北京五輪に合わせて、日中関係に前向きな世論を作るべきだと、くぎを刺したということなんですけれども、昨日の会談で、北京五輪については日本側から何かどのような考えを伝えたのか、先方の話の内容をご紹介いただくのは難しいと思うんですけれども、日本の方から、どのような考えを北京五輪に関してお伝えになられたのかということをお伺いします。

【林外務大臣】王毅(おう・き)国務委員からは、明年、中国が、北京の冬季オリンピック/パラリンピック大会を開催する旨、ご紹介がありました。ありましたが、それについての詳細なやり取りはございませんでした。

日台関係

【産経新聞 千葉記者】台湾について伺います。台湾は、今、非常に安全保障上、世界的にも注目される地域になっているかと思います。日台関係でいうと、最近ワクチンのやり取りなんかもあって、かなり友好的なムードで終始推移してきたかと思うんですけれども、今回、伝統的に中国との関係を重視してきたと言われる宏池会の政権になりまして、また、中国に非常に通じられた林大臣就任がされまして、今後の日台関係、どうなっていくのかということも、また注目されているのではないかと思うんですけれども、大臣、今後の日台関係について、どのようなビジョンをお持ちなのか、またこれまでのキャリアの中で、台湾と何か関わり等ございましたら、ご紹介、併せてお願いします。

【林外務大臣】台湾との関係ということでございますが、従来どおり、原則にのっとって進めていければと思っております。また、議員になってすぐの頃に、台湾との、確か、民間が主催しておりますフォーラムというのがあって、そこに出席をして議論したと、こういうことは経験を記憶しております。

対東南アジア政策

【トリビューン・ニュース スシロ記者】おはようございます。大臣、おめでとうございます。インドネシアのメディア、トリビューン・ニュースのスシロと申します。
 昨日、だいたい7時ごろ、総理大臣とインドネシア大統領の電話会談、行いましたので、内容は、インド太平洋の協力とか、拉致被害者の協力とか、東・南シナ海の問題とか、ミャンマー、ASEANの、来年の2022年、インドネシアがG20の代表になりますので、日本・ASEANの50周年の友好協力なんですけれども、それ以外に、せっかく新しい外務大臣ですから、日本・インドネシア、日本・ASEANの方に、新しい政策とかありませんでしょうか。よろしくお願いします。

【林外務大臣】はい、ありがとうございます。東南アジア諸国ですが、日本にとっては、伝統的なパートナーでありまして、各国との良好な関係は、日本の平和と繁栄に不可欠であると考えております。
 また、東南アジア地域は6.7億人という人口を擁する世界の成長センターであるとともに、地政学的な要衝に位置しておりますので、「自由で開かれたインド太平洋」、この実現に向けた要であると考えております。
 こうした認識を踏まえて、我が国は、引き続きインドネシアを含む東南アジア諸国との間で、幅広い分野の協力関係を促進していく所存でございます。
 私(林大臣)自身、大臣になる前ですが、東南アジアの政治家の皆さんとの交流の枠組みを通じて、いろいろな議論をしてまいりましたので、そういう経験がいささかでも生かされればと思っております。

北京冬季オリンピック/パラリンピック

【時事通信 田中記者】また、北京の冬季五輪についての質問なんですけれども、米国が、その外交ボイコットを検討する背景には、中国の深刻な人権状況があります。日本として、この五輪大会に、例えば政府要人を派遣するかどうかなど、どのように対応するべきだとお考えでしょうか。

【林外務大臣】先ほど、北京五輪については申し上げたとおりでございますが、このオリンピック/パラリンピックへの外国要人の出席につきましては、各国・地域のオリンピック委員会及びパラリンピック委員会、ここが申請をしまして、そして、国際オリンピック委員会、国際パラリンピック委員会が認証する、こういう仕組みになっておりますので、北京五輪についても、こうした仕組みを踏まえて検討されることになると考えますが、現時点では、我が国要人の出席については、何ら決まっておることはございません。

日米韓次官協議

【テレビ朝日 澤井記者】今回ワシントンで行われた日米韓の次官級協議に関して、二つお伺いします。昨日朝に行われるはずだった三者の共同会見が、直前の韓国の警察庁長官による竹島上陸によって行われなかったと思うんですが、その背景と受け止めについてお願いします。
 また、日米韓の会談や一連のバイ会談の中で、朝鮮半島の非核化をめぐって、北朝鮮を対話のテーブルに引き出すために、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が提起している終戦宣言についても話し合われたというふうに、シャーマン氏が述べています。この終戦宣言をめぐって、今どういった議論が行われているのかということと、日本のスタンスについて教えてください。

【林外務大臣】まず、共同会見中止についてですが、この御指摘がありましたワシントンでの共同記者会見については、今般の竹島をめぐる事案に関して、我が国の立場に鑑み、到底受入れることができず、韓国側に強く抗議をしている中でございますので、そうした中で、この共同記者会見を実施することは不適当と判断したところでございます。
 また、終戦宣言についてですが、北朝鮮への対応については、一昨日のワシントンDCでの日米韓次官協議を含めて、日米韓の間で緊密に意見交換を行ってきております。詳細については、外交上のやり取りで、お答えを差し控えさせていただきますが、従来からの我が方の立場を踏まえまして、日米韓の間で、やり取りを行ってきております。
 北朝鮮への対応については、引き続き日米韓で緊密に連携していきたいと思っております。

WTO閣僚会議(大臣の出席)

【読売新聞 阿部記者】今月末にWTOの閣僚会議が予定されていますが、どのような議論を期待するかと、ご自身、出席されるお考えあるかどうかについてお聞かせください。もし、出席されるとなれば、外務大臣として初めての外遊ということになると思いますが、意気込みなどありましたら教えてください。

【林外務大臣】第12回のWTO閣僚会議への私(林大臣)の出席については、現時点では決まっておりません。その上で申し上げますと、WTOというのは、ご案内のとおりですが、多角的貿易体制の礎であります。一方で、新しい課題への対応や、このWTO自身の改革というのが喫緊の課題になっております。そうした中で、4年ぶりとなる今回の閣僚会議は、パンデミック対応、それから経済回復に向けて、WTOが果たす役割を示す重要な機会だと考えております。ルールに基づく、自由で開かれた経済貿易秩序を重視する我が国として、各国と緊密に連携して、議論を主導して貢献を示す、そうした必要があると考えております。

2023年G7サミット(開催地)

【中国新聞 樋口記者】2023年に、日本で開催されるG7サミットについて伺います。現在、広島市と広島県が開催誘致の方向で動いているということが判明しましたけれども、市民の間では、被爆地での開催ということで、平和の尊さを世界に幅広く発信するチャンスじゃないかという期待が高まっております。大臣として、まず広島のその開催地としての魅力、可能性、これについて、どういうふうにお考えかというのをお聞かせ願えますか。それと併せて、今後、福岡市も誘致に名乗りを上げておりますけれども、どういった観点で、いつ頃までに、その開催地を決めていくかということについても伺います。

【林外務大臣】現在2023年のG7サミット、開催地選定については、各自治体に対して、誘致希望を募っているところでございます。広島県、広島市についても、報道で、サミットの誘致を目指しているということを承知をしております。開催地選定については、宿泊施設や会議場、それから交通アクセス、警備等、あらゆる観点から、総合的に検討を行った上で判断をするということになります。サミット開催には、この福岡県、福岡市が、既に対外的にこの誘致を表明しているということは承知をしております。

日本の脱炭素の取組

【ビデオニュース・ドットコム 神保記者】今日から会見に参加させていただきます。大臣、もしかしたら先週も出たかもしれないんですが、COP26について、岸田大臣(ママ)が、講演をされて、非常に強いコミットメントを示す一方で、日本の石炭火力については、基本的に削減の意思を示さなかったと。それで、その後帰ってきて、総理の会見でも、やはり同じことを繰り返して、アンモニア、水素を使えば、使うことによって、当初のターゲットである46%、2030年まで、あるいは、2050年までのカーボンニュートラルは可能だという立場を崩してないんですが、むしろ世界からは、そのアンモニア、水素を使って技術云々というところが、むしろその非現実的で、逆にやる気のなさじゃないかと問われていると。
 それで、これ本来、外務省そのものの管轄じゃないかもしれませんが、是非大臣にお伺いしたいのは、実際日本は、温暖化対策としては、1人当たりの排出量等を見ても、世界の中でそれほど本当は、言い方次第ですけど、悪者ではない、GDPに対する排出量としては。にもかかわらず、石炭火力を続けているがために、特にそれが、今こんなに大きな争点になってしまったから、日本が化石賞をNGOからもらうように悪者に回るものになっていると。
 しかも、外交上、今、米中で本当に仲良くできるのは、この分野だけだ、みたいなところもあるわけで、非常に重要な外交案件になっている中で、日本が果たして、本当にこのままでいいのかどうか、石炭火力を維持するがために、なぜかこの分野で日本が遅れて、実際の努力が認められない状態になっている、それから外交的にイニシアティブを取る上でも、それが足かせになっているのではないかという指摘もあるんですが、もし大臣のお考えがあればお願いします。

【林外務大臣】はい、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電の逓減に向けた努力を加速するということは、COP全体決定など、文書に盛り込まれております。内容は、国内政策とは整合的で、日本も着実に脱炭素を進めていかなければならないと思っております。
 エネルギーをめぐる状況というのは千差万別で、特に我が国の場合は資源が乏しく、周囲を海で囲まれておりますので、安全性、それから、自給率、経済性、また環境適合を満たす単一の完璧なエネルギー源というのはない現状で、多様なエネルギー源を活用することが重要であると思っております。しかしながら、今お話があったように、石炭火力というのは、二酸化炭素の排出量が多いということですから、電力の安定供給を確保しながら、石炭火力の発電比率をできる限り下げていくことが必要だと考えております。従って、そのため2030年に向けて、非効率な石炭火力のフェードアウトをやっぱり着実に進めていかなければなりませんし、それとともに2050年に向けて、やはり、水素、アンモニア、CCUS等を活用することで、脱炭素型に変えていく取組を、引き続き推進していくということを努力を傾けないといけないと思っております。

中東地域の核問題

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 国際原子力機関の発表、主張によれば、イランは2015年の核合意で認められている基準を超えた高濃縮ウランの製造を続けています。他方でイランは、イスラエルが核兵器不拡散条約の非締約国であり続けていることを世界が黙認していると、引き合いに出すことができます。中東における核問題に対する日本の立場を教えてください。

【林外務大臣】我が国は、国際的な核不拡散体制と中東の安定に資する核合意を支持していると、こういう立場でございますので、イランによる累次にわたる核合意のコミットメントを低減する措置というものを強く懸念をしております。これまでもイランに対しては、核合意上のコミットメントへの早期復帰に向けまして、建設的に取り組むよう強く求めてきております。また、イスラエルに対しては、我が国は、非核兵器国として、NPTに加入することを求めてきております。
 我が国としては、引き続き、中東の安定に関係する各国と良好な関係を築いている日本ならではの立場を生かしながら、核問題の解決に向けた取組も含めて、地域の緊張緩和と、そして情勢の安定化に向けた粘り強い外交努力を継続していきたいというふうに思っております。

日中関係

Cewing News 青山記者】ちょっと改めてで恐縮なんですけれども、昨日も電話、日中外相会談があったということで、中国の脅威への認識について、大臣のご認識をお伺いしたいと思います。大臣、4月15日の衆院選への鞍替え出馬会見のときも、やっぱり中国の台頭と国際社会の、この状況の変化を、この衆議院へ鞍替えすることの理由として挙げていたと記憶しておりますので、外務大臣になられて、改めてその脅威について、どのような認識を現在持っていらっしゃるか、伺えればと思います。よろしくお願いします。

【林外務大臣】鞍替えの会見のときに、鞍替えの理由として申し上げたかどうかはちょっと記憶が定かではありませんが、先ほど日中外相電話会談の中で申し上げましたように、昨日概要について発表しております。まずは、やはり国交正常化50周年に言及しながら、建設的かつ安定的な日中関係の構築を含めて、10月8日に首脳電話会談も行われております。ここで両首脳が一致した共通認識の実現のために王毅さんと、共に努力をしていきたいという旨を述べて、賛意の表明があったところでございます。
 その上で、この尖閣諸島巡る情勢、また、東シナ海、南シナ海、香港、新疆ウイグル自治区などの、状況に対する深刻な懸念を表明するとともに、台湾海峡の平和と安定の重要性につき、述べたところでございます。こうした、問題を含めて今後、対話や協議を重ねていきたいと述べたところでございます。そういった意味で率直なやり取りを行うことができたと考えております。

大谷選手のMVP受賞

【ビデオニュース・ドットコム 神保記者】折角なので、大臣、米国通ですので、大谷選手がMVPを取ったことにコメントあればお願いします。

【林外務大臣】大変な偉業で、一国民として、非常に勇気づけられたというか、元気をもらったと思っております。国民としても大変誇らしく思っておるわけでございまして、今後の更なるご活躍を大いに期待したいと思っております。

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