外務省・新着情報

冒頭発言

大臣の第12回WTO閣僚会議出席

【林外務大臣】私(林大臣)から冒頭1件ございます。
 11月29日から12月1日まで、ジュネーブを訪問いたしまして、WTO閣僚会議に出席するとともに、各国や国際機関の要人と会談を行うことを予定しております。
 4年ぶりに開催されます今次閣僚会議では、新型コロナ危機を踏まえて、WTOが貿易機関として果たしていく役割が議論されます。また、漁業補助金に関するルールについての交渉が行われる他、日本が主導してきておりますデジタル経済における「信頼性のある自由なデータ流通」の実現にも資する、電子商取引の交渉について、その進捗状況が発表される予定です。
 我が国としても、今次閣僚会議への出席を通じて、ルールに基づく、自由で開かれた多角的貿易体制の維持・強化に向けた具体的進展が図られるように、貢献していく考えであります。私(林大臣)からは以上です。

大臣の第12回WTO閣僚会議出席

【毎日新聞 飼手記者】冒頭のご発言の内容なんですけれども、過去のWTOの閣僚会議では、外務省からは、副大臣や政務官が出席されることが多かったと思います。今回、大臣ご自身で出席される、しかも、初外遊先ということで選ばれた理由、狙いについてお願いします。

【林外務大臣】WTOにつきましては、我が国としても、その重要性を深く認識をして、多角的貿易体制の中心たるWTOの維持・発展に尽力をしてきたところであります。
 一方で昨今、WTOのルール形成機能の停滞、それから紛争を解決するシステムの一部が機能を停止しているという状況を受けて、WTOへの求心力の低下、こういったものが多角的貿易体制自体を蝕みかねないと、こういうふうに懸念をしております。そういった意味で、4年ぶりに閣僚会議が開催されますので、ここへの出席を通じて、ルールに基づく、自由で開かれた多角的貿易体制の維持・強化に向けて、具体的進展が図られるように貢献していきたい、こういうふうに考えております。

日韓関係(竹島上陸への対応)

【産経新聞 千葉記者】竹島の件なんですけれども、韓国の警察庁長官の上陸を受けて、自民党の外交部会などでチームを立ち上げて、国際司法裁判所への提訴ですとか、経済制裁など、対抗策を検討するということなんですけれども、ICJへの提訴も含めて、政府としては対抗策をどのように検討されておるかをお願いします。

【林外務大臣】一昨日に、自民党の「領土に関する特別委員会・外交部会・外交調査会」合同会議において、今お話あったようなご意見があったということは承知をしております。
 一つひとつについて、政府としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、その上で、申し上げますと、今般の竹島上陸事案については、竹島が歴史的事実に照らしても、かつ、国際法上も明らかに日本の固有の領土であるということに鑑みますと、到底受入れられず、韓国政府に対して、強く抗議をしたところでございます。
 日本としては、竹島問題を含む様々な問題についての日本の一貫した立場に基づきまして、引き続き、韓国側に適切な対応を強く求めていくと、こうした考え方に変わりはないということでございます。

COVAXファシリティを通じたワクチン供与

【トリビューン・ニュース スシロ記者】COVAXの問題なんですけれども、高所得国の人々の64.99%が、ワクチン接種を受けています。しかし、低所得国は6.48%しか予防接種を受けていません。ワクチンの80%以上が、G20諸国に届けられたのに対し、低所得国には、わずか0.4%だけしかない。56か国が、2021年の9月までに人口の10%にワクチン接種するというWHOの目標を達成せず、80か国近くが、今年末までに40%のワクチン接種目標に到達しない可能性があります。
 一方、G7諸国では2021年度までに1億回分の支援量が無駄になり、2022年半ばまでに無駄になる支援量が、数は8億回分に増える可能性があります。
 ドナー国の一つである日本は、この問題を解決するために、どのような役割を果たすことができるでしょうか。よろしくお願いします。

【林外務大臣】このCOVAXファシリティを通じたワクチンの供給については、COVAXと非供与国・地域の間の調整に加えまして、WHOや、UNICEFといった、こうした関係機関も含めて、具体的な数量、それから供給スケジュールに関する調整を行っていると承知しておりまして、Gaviとしても、日本を含むドナーに、定期的に報告を行っておるところでございます。
 また日本は、COVAXファシリティの主要ドナーとして、Gavi理事会への参加を始め、ガバナンスにも、積極的に関与してきております。引き続きCOVAXファシリティを通じたワクチン供給、これが迅速かつ適切に行われますように、国際社会と連携しながら対応していきたいと考えています。

大臣の外交ビジョン

【朝日新聞 佐藤記者】先ほど、WTOの閣僚会議出席の発表がございましたんですけれども、大臣、11日の就任会見では、更なる日本外交のフロンティアを切り拓いていきたいとおっしゃいました。今回の初外遊を皮切りに、どう林外務大臣の描く外交というものを仕上げていくのか、今後の外遊先となる地域に関するアイディアなどもありましたら、それも含めて大臣の全体的なビジョンをお伺いしたいんですけれども。

【林外務大臣】ありがとうございます。ジュネーブを最初の外国訪問としたということについては、先ほどお答えしたとおりでございますので、それぞれの会議等の重要性に鑑みて、今後も積極的な外交活動を展開していきたいと思っております。前回も申し上げましたが、低重心の外交ということも申し上げておるところでございます。そういった考え方や、総理が既におっしゃっている三つの覚悟等を踏まえて、しっかりやってまいりたいと思っておりますが、まだ始まったばかりでございますので、仕上げというのは相当まだ先になるかなと思っております。

新型コロナウイルス(変異株への対応)

【時事通信 田中記者】新型コロナウイルスの変異株への対応についてお伺いしたいんですけれども、南アフリカ、アフリカ南部で、新たな変異株が見つかって、感染力が強いということで、英国政府は、渡航制限などの措置も打ち出していますが、日本として、現在その水際対策など、どのようにお考えかということを教えてください。

【林外務大臣】英国政府においては、現地時間の26日金曜日の正午から、南アフリカ、ジンバブエなどアフリカ6か国からの外国人の入国を原則禁止した上で、当該国からの旅客機、これの運行を一時的に停止をしまして、28日午前4時以降は、これらの国からの渡航者について政府指定施設での隔離を命じたと承知をしております。
 我が国ですが、特段の事情がある場合を除いて、これらの国々を含めて、全ての国・地域からの外国人の新規入国を原則として一時停止をしておると、こういう状況でございます。危機管理の要諦は、最悪の事態を想定するということでございますので、水際対策についても、新たな変異株の感染が拡大するなど、状況が悪化する場合には、機動的に対処していくということとしておりまして、本件についても、迅速かつ適切に対応していく考えであります。

在日米軍駐留経費交渉

【共同通信 前田記者】在日米軍の駐留経費負担の関係でお伺いをします。在日米軍の経費というものを日本側で一部負担するということに関しては、厳しい財政状況の中、国民から厳しい指摘というのもあると思います。政府として、在日米軍の駐留経費というのを負担することの意義と、今回は交渉でそれをどういったものにしていきたいかというところの考えをお願いいたします。

【林外務大臣】政府といたしましては、日本を取り巻く安全保障環境、これが一層厳しさを増す中で、在日米軍駐留経費は、我が国の安全保障にとって不可欠な在日米軍の円滑かつ効果的な運用を確保する上で、重要な役割を果たすものであると認識をしております。現在、日米両政府は、今年の2月の合意に基づきまして、来年4月1日以降の新たな特別協定の合意に向けて、交渉を継続してきておりますが、詳細については相手との関係もありますので、お答えは差し控えたいと思います。交渉に当たっては、一層厳しさを増すこの地域の安全保障環境、そして日本の厳しい財政状況などを踏まえて、引き続き適切に対応したいと思っております。

北京冬季オリンピック/パラリンピック

【テレビ朝日 澤井記者】欧米を中心に検討されている北京五輪への外交的ボイコットの流れや、それを受けて自民党の保守層を中心に、大臣ご自身への中国訪問に関して慎重論が起きていることについて、昨日、中国の外務省の報道官が、「スポーツを政治問題化するもので、オリンピック精神に対する冒涜だ。また中国は東京五輪の開催を全力で支持してきたんだから、信義を重んじるべきだ」など述べていますけど、このことへの受け止めと、改めて日本の北京五輪への対応について教えてください。

【林外務大臣】ご指摘の中国外交部報道官の発言については承知をしておりますが、これらの発言の一つひとつにコメントすることは差し控えたいと思っております。北京冬季大会への日本政府の対応については、今後、適切な時期に、諸般の事情を総合的に勘案して判断をいたしますが、現時点では何ら決まっておりません。いずれにしても、日本としては、北京冬季大会がオリンピック及びパラリンピックの理念に則って、平和の祭典として開催されると、こういうことを期待をしております。

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