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令和3年12月15日
小田原潔外務副大臣は、核軍縮と核兵器不拡散条約(NPT)に関するストックホルム・イニシアティブ第5回閣僚会合にテレビ会議形式で参加1
小田原潔外務副大臣は、核軍縮と核兵器不拡散条約(NPT)に関するストックホルム・イニシアティブ第5回閣僚会合にテレビ会議形式で参加2
12月14日、小田原潔外務副大臣は、核軍縮と核兵器不拡散条約(NPT)に関するストックホルム・イニシアティブ第5回閣僚会合にテレビ会議形式で参加しました。概要は、以下のとおりです。
  1. 本会合は、アン・リンデ・スウェーデン王国外務大臣(H.E. Ms. Ann LINDE, Minister for Foreign Affairs of the Kingdom of Sweden)及びアナレーナ・ベアボック・ドイツ連邦共和国外務大臣(H.E. Ms. Annalena BAERBOCK, Federal Minister for Foreign Affairs of the Federal Republic of Germany) が共催したものです。
  2. 本会合では、第10回NPT運用検討会議に向けた見通しや各国の取組等について議論が行われました。
  3. 小田原外務副大臣からは、現実の安全保障上の懸念と核兵器使用の人道的結末の双方の観点を考慮しつつ、各国が共に取り組むことのできる共通の基盤となり得る具体的措置を見出していくこと、国際的な軍縮・不拡散体制の礎石であるNPTを維持・強化していくことの重要性を訴えました。また、12月9日に開催された第3回核軍縮の実質的な進展のための1.5トラック会合、国連総会にて採択された我が国提出の核廃絶決議といった共通の基盤構築のための日本の取組を紹介するとともに、ストックホルム・イニシアティブの成果を活用し、引き続き日本として貢献していく旨述べました。さらに、東アジアにおける厳しい安全保障環境に言及する中で、北朝鮮の核・ミサイル開発に対する我が国の強い懸念を改めて表明し、関連する安保理決議の完全な履行の重要性を強調しました。
  4. 各国は、第10回NPT運用検討会議に向け、引き続き協力して取組を進めることで一致し、閣僚級共同プレスステートメント(英文/PDF 別ウィンドウで開く ) が採択されました。
(参考1)核軍縮とNPTに関するストックホルム・イニシアティブ会合概要

 スウェーデンは、第10回核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議に向け、各国の閣僚レベルが積極的に関与し、行動することが必要との立場から、2019年6月11日、問題意識を共有する非核兵器国16か国(注)による「核軍縮とNPTに関するストックホルム会合」を開催(我が国からは河野外務大臣(当時)が出席)。2020年2月には、ベルリンにて第2回会合が開催され(我が国からは小笠原軍縮代大使が出席)、閣僚宣言及び附属文書を採択。同年6月には、テレビ会議形式で閣僚会合が開催された(我が国からは若宮副大臣(当時)が出席)。さらに、本年1月にはアンマンにて第3回閣僚会合及び7月にはマドリードにて第4回閣僚会合(対面式とオンラインによるハイブリッド方式)が開催された(我が国からは鷲尾副大臣(当時)が出席)。この間、具体的な核軍縮措置(「ステッピング・ストーンズ」)をまとめた文書や、核リスク低減に関する文書をとりまとめ、今次NPT運用検討会議の作業文書として提出。
 (注)アルゼンチン、インドネシア、エチオピア、オランダ、カザフスタン、カナダ、韓国、スイス、スウェーデン、スペイン、ドイツ、日本、ニュージーランド、ノルウェー、フィンランド、ヨルダン

(参考2)核兵器不拡散条約(NPT)

(1)概要
 1968年に署名開放され、1970年に発効(25年間の時限条約)。我が国は1970年署名、1976年批准。1995年にNPTの無期限延長に合意。NPTは、核軍縮・不拡散体制の基礎となる、核兵器国を含む最も普遍的かつ重要な条約となっている。
(2)条約の目的と内容
 ア 核不拡散:米、露、英、仏、中の5か国を「核兵器国」と定め、「核兵器国」以外への核兵器の拡散を防止。
 (参考)条約第9条3「この条約の適用上、「核兵器国」とは、1967年1月1日以前に核兵器その他の核爆発装置を製造しかつ爆発させた国をいう。」
 イ 核軍縮:各締約国による誠実に核軍縮交渉を行う義務を規定(第6条)。
 ウ 原子力の平和的利用:原子力の平和的利用は締約国の「奪い得ない権利」と規定するとともに(第4条1)、原子力の平和的利用の軍事技術への転用を防止するため、非核兵器国が国際原子力機関(IAEA)の保障措置を受諾する義務を規定(第3条)。
(3)NPTへの加入状況
 締約国は191か国・地域(2021年7月現在)。非締約国はインド、パキスタン、イスラエル、南スーダン。


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