外務省・新着情報

冒頭発言

 キャンプ・ハンセンの件についてご報告をいたしたいというふうに思います。
 今回、感染者が発生をいたしました部隊に対する水際措置につきまして、米側に照会をいたしました結果、昨夜、日本の措置と整合的とは言えない運用実態、これが明らかになったところでございます。この点につきまして、岸田総理の指示に基づき、ただ今、私からラップ在日米軍司令官に対して、強い遺憾の意を申し入れたところでございます。

 その上で、自分から、以下の3点を、申し入れました。
 まず今回の感染者が発生した部隊に対して、アメリカ側は入国後5日目にPCR検査を実施する一方、ワクチン接種完了済みであることを前提に米国からの出国時及び日本への到着直後ともに検査を実施していないということが判明をいたしました。こうした運用は、日本側措置と整合的とは言えないことから、今後は、全ての日米地位協定対象者の我が国への入国に際しまして、出国前及び入国時の検査の実施を徹底するように求めたところでございます。また、米側は、行動制限期間中に施設・区域内では全ての施設にアクセス可能としていたことも判明したところでございます。この点については、既に米側は一部行動制限を強化しているところでございますが、より一層の制限強化、そしてその制限の徹底、これを求めたところでございます。

 さらに、オミクロン株の検査については、日米間の協力により、米側による変異型PCR検査実施に向けて動き出しておりまして、米本国におけるゲノム検査も実施することになった、これは評価しながら、今後のコロナ対策においては、オミクロン株の感染力の強さを念頭に置いて対応していく、ということを確認をいたしました。

 最後に、このように感染症の拡大防止に取り組む中で、一昨日発生いたしましたキャンプ・ハンセン所属の海兵隊員による飲酒運転逮捕事案、これは地元の皆様に大きな不安を与えるものであり、遺憾の意を伝えるとともに、綱紀粛正と再発防止、これを強く申し入れたところでございます。

 これに対し、ラップ司令官からは、自分としても今回のキャンプ・ハンセンの事案については深刻に受け止めているとされた上で、
 まず、出国前検査については、日本に入国する日米地位協定対象者全員に対して、出国前検査を行わせることとした。
 二番目に、入国時の検査については、従来、入国後3日から5日目までの間に実施することとしていたが、追加的に何かできないか検討することとしている。
 三つ目、入国後の行動制限期間については14日間とすることとした。
 四つ目ですが、キャンプ・ハンセンで発生した陽性者については、日本側の協力を得て実施している変異株PCRの結果が判明し次第、日本側に提供したい。
 こういうことでご説明がありました。
 さらに、ラップ司令官からは、飲酒運転の件については深刻に受け止めており、綱紀粛正を図り再発防止に努めたい、こういう発言がございました。

質疑応答

【記者】沖縄県の玉城知事がですね、クラスターが起きているキャンプ・ハンセンの軍人や軍属の方に対して基地からの外出禁止を求めていますが、大臣からこういった外出禁止の要請は行ったのでしょうか。 2点目ですけれども、朝の長官会見で、今朝の時点で215名の感染者が確認されたと説明されていますが、その後は情報の更新はあったんでしょうか。

【林外務大臣】まず一つ目でございますが、政府といたしましては、地元の方々の不安が解消されるよう、米側に対して、感染のおそれがある関係者の基地内外における一層の行動制限とその徹底、これを要請したところでございます。
 これに対しては、先程申し上げましたように、入国後の行動制限期間については、14日間にすると、いうことがあったところでございます。
 それから感染者数でございますが、この日本政府はアメリカ側と緊密に連携しておりまして、12月22日朝の時点について、215名の新型コロナ感染者が確認されているということですから、この、先程、官房長官が仰ったことと同じ時点の数字ということでございます。

【記者】先程、行動制限期間を14日間にすると回答があったとのことですけれども、一層の強化というのは具体的には何を指すのでしょうか。

【林外務大臣】こちらからですね、この基地内外における一層の行動制限と、それから行動制限、こういうルールでやっているということがですね、徹底されていない、というような、この報道がありましたので、この制限について、その徹底をしていただきたい、ということを要請したということございます。

【記者】因みにどのようなルールでキャンプ・ハンセン内では行動制限が行われていたのでしょうか。

【林外務大臣】先程申し上げたかもしれませんが、この行動制限期間中に、この施設区域内では全ての施設にアクセス可能だと、していたことが判明いたしましたので、この点については、既にアメリカ側は一部行動制限を強化しているようだが、より一層の制限強化を求めたと、これはこちらから申し上げたことでございます。

【記者】昨晩整合的とは言えない実態が明らかになったのですが、日本側に対してどういった経路で伝わったのかという点と、先程も仰られた日米地位協定によって日本側の検疫を受けられない、受けずに基地に入るという運用事態があったが、こういった構造的な問題について大臣としてどういった問題意識をお持ちですか。

【林外務大臣】経緯については先程申し上げたところでございます。今回感染者が発生した部隊に対して米側に照会した結果、昨夜わかったということは最初申し上げたとおりでございます。そして、この日米合同委員会の合意で米軍関係者が直接米軍施設区域内に入国する場合は、米国が検疫手続き等を行うことでございますので、従ってまさにその部分についてですね、照会を申し上げ、今回のような日本側の措置と整合的でないことが判明しましたので、先程申し上げたとおりの申し入れをしたと、そういう経緯でございます。

【記者】米側に対しては日本と整合的な水際措置を求めるにとどまる訳ですが、現状、地位協定の壁というのがあると思うのですが、地位協定が充分なのか、また改善の必要はないのかについてお考えを教えてください。

【林外務大臣】先程申し上げましたように、整合的といえない状況があった、ということで申し入れをし、レベルを上げて私からラップ司令官に申し入れをし、先程の対応ぶりをするということであったということでございます。そういう状況の中で、今後、引き続きですね、緊密に連携を取ってしっかりとこちらから要請しなければならないことは、緊密に連携をとって要請をし、答えを一つずついただいていきたいと思います。

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