外務省・新着情報

米軍キャンプ・ハンセンにおける米軍関係者の酒気帯び運転(日本側の申し入れ内容と米軍司令官の反応)

【朝日新聞 相原記者】キャンプ・ハンセンについて伺います。コロナの大規模なクラスターが発生している中、キャンプ・ハンセン基地所属の兵士が酒気帯び運転の疑いで逮捕されました。午前の官房長官会見で、今朝、市川北米局長が在日米軍司令官に対して遺憾の意を伝えたということを言っていましたが、その詳細について、米軍の反応も含めて教えてください。

【吉田外務報道官】新型コロナの大量の感染者クラスターが確認されているキャンプ・ハンセンですが、感染拡大防止のために積極的に検査するとか、濃厚接触者の追跡、それから隔離措置の実施など、健康保護に関する措置のレベルを引き上げているという状況だと承知をしています。
 その上で、今、お尋ねがありました事案が、こういった感染症拡大防止に取り組む中で発生したという逮捕事案ですが、地元の皆様に大きな不安を与えるというものでありまして、日本政府として大変遺憾に感じています。ご質問ありましたように、この逮捕を受けまして、昨日21日に、まず、北米局の金井参事官から直ちにウェロンズ在日米軍副司令官に対して、遺憾の意を伝えました。更に、御指摘ありましたけれども、本日22日朝に、市川北米局長からラップ在日米軍司令官に対して、政府としての遺憾の意を伝えるとともに、綱紀粛正、それから再発防止、これを強く申し入れさせていただきました。やり取りについては、ここではご紹介を控えさせていただきますけれども、こういったことを踏まえて、米側に対しては、隊員の教育、綱紀粛正、さらなる努力を求めてまいりますし、また地元の地域の皆様に不安を与えることがないように、日米間での意思疎通、これを更に密接に行って、このような事態の防止に、全力で取り組んでいきたいとこのように考えます。

【朝日新聞 相原記者】沖縄県が、これを受けて、米国本土から軍人の移動を一時停止することとか、後、キャンプ・ハンセンの軍人軍属らの基地の外への外出禁止を要請しています。米国本土からの異動に関しては、ローテーションの関係あるので、難しいかもしれませんが、例えば、基地の外への外出禁止みたいなところは、今日の市川北米局長の要請では伝えているんでしょうか。

【吉田外務報道官】玉城デニー沖縄県知事から、今ご質問にあったご要請を小田原外務副大臣に対して、要請をいただきました。先ほど申し上げましたけれども、地元の方々の不安を解消するというために、感染の恐れがある関係者の基地内外における一層の行動制限、それから健康保護に関する措置の運用、更に厳格化すること、これが重要と認識をしておりまして、在日米軍側に対しては、そのような要請を行いました。
 在日米軍では、陽性者がオミクロン株の感染者である可能性なども十分踏まえて、積極的に検査をやりますと、それから濃厚接触者の追跡、それから感染の恐れがある関係者の隔離、マスク着用の徹底といった、健康保護に関する措置のレベルを引き上げ、措置を更に厳格化するという説明を受けています。

【朝日新聞 相原記者】先ほどの質問の確認なんですけど、移送の行動制限の厳格化は、いわゆる、その玉城知事が求めている、キャンプ・ハンセンに所属する軍人・軍属の基地の外への外出禁止というのとは違うんですか、イコールではないということですか。

【吉田外務報道官】今申し上げた、在日米軍から説明のあった措置の厳格化、健康保護の措置のレベルの引き上げ、こういったものの中に、濃厚接触者追跡、それから感染の恐れがある関係者の隔離とございます。これと玉城知事からご要請があった内容が、どの程度一致しているのか一致してないのか、これ必ずしもわかりませんけれども、知事からご要請があったということも踏まえて、政府としては、在日米軍と意思疎通しておりまして、その中で、そのような説明があったとこのように理解しています。

外交記録公開(ブッシュ大統領からの自衛隊の派遣要請)

【テレビ朝日 澤井記者】今日公開された外交文書の記録の件でお伺いします。1990年8月のイラクがクウェートに侵攻した、いわゆる湾岸危機についてですけど、翌月の9月に、ブッシュ大統領と海部総理の会談があって、その中のやり取りが外交部文書に載っておりまして、ブッシュ大統領の方が「日本が、軍隊を中東における国際的努力に参加させることは有益であり、世界からも評価されるだろう」というようなことを述べていて、当時これについて、外務省としては「自衛隊の派遣を米国に要請された事実はない」というふうに説明しているんですが、確かに要請かどうか微妙だと思うんですけど、当時のこの説明について適切だったかどうか教えてください。

【吉田外務報道官】ご指摘の本日公開された外交記録ですが、事実関係につきましては、そこの文書に記載されているとおりであります。公電が、そのまま開示されているかと思います。この中で、ブッシュ大統領の発言として、今お尋ねがあったような、ご指摘のあったような発言が記載されていると承知しています。これは一般論ですが、外交記録の公開そのものは、日本政府の過去の外交活動の成果を、歴史的検証に委ねるということを目的としています。従いまして、その当時は、いろいろな判断があって、それに対する報道であるとか、その報道に対して、どう対応するか、応答要領を作成したということだろうと考えますけれども、そういったものも含めて、公開した記録文書の記載事項について、我々の方から一つひとつ解釈すると、あるいは評価するということは、従来からしておりません。従いまして、今ご指摘のあった件につきましても、皆様の方において、それら文書を見て、あるいは研究者の方に、検証をお願いできればと、このように考えます。

【朝日新聞 相原記者】さっきの質問に絡んで、ただ、当時要請された事実はないというふうに言っているに拘わらず、それとは違うような文章が出ていたことに関して、歴史に委ねるというのは理解しがたいんですけど、外務省のスタンスとしては、今後こういうものが公開された後も、説明したことと違う事実が出てきても、そのようなスタンスでずっと通すんでしょうか。

【吉田外務報道官】ご指摘の、いわゆる対外応答要領と言われる書類であります。これは対外プレスラインとして、用意している類の文書でありますけれども、それそのものも、行政活動の一環であります。ですからそのような対応が、その当時あったと。それが一体どういう状況の中でそういうものが作成されたのかというのは、その時点での様々な状況踏まえてのものであろうと思いますし、これまでも、公開してきた外交記録の中にも、そのような類の文書は公開された記録の中に含まれていたと思いますけれども、それについて、一つひとつ解説であるとか、評価であるとかということを加えることは、私どもの方ではしておりません。そういうことを先ほどご説明させていただいたというものであります。

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