外務省・新着情報

冒頭発言

(1)在日米軍の水際措置

【林外務大臣】私(林大臣)から、まず2件ほどございます。
 まず、キャンプ・ハンセンにおける水際措置の強化についてでございますが、一昨日、私(林大臣)から、在日米軍司令官に申入れを行ったところですが、その後、在日米軍とやり取りする中で、全ての在日米軍施設区域について言えることといたしまして、いくつか確認できましたのでご報告をいたします。
 米軍は、入国後の行動制限期間について、以前は14日間としておりましたが、本年10月1日に、日本国内で10日間に変更したことを受け、米軍側も同じく10月1日にワクチン接種済みを条件として、10日間に変更したということを確認をしました。
 その後、日本国内では、12月1日に14日間に戻したところでございますが、米軍側は、12月20日に14日間に戻したというところでございます。
 また、米国出国時の検査についても以前は実施をしておりましたが、米軍のワクチン接種が進んだことや世界的な感染状況の緩和を受けて、米国防省の方針に基づき、9月3日に免除したということが確認をされました。
 この点についても、一昨日の私(林大臣)からの申し入れを受け、米軍側は即日、出国時検査を改めて実施する方針を決定いたしました。
 いずれにいたしましても、米軍は、世界的な感染再拡大の動きも踏まえて、措置を強化しているところ、今後とも米側の措置が、日本側の措置と整合的であることを確保すべく、日米間での連携を、より一層強化していく考えでございます。

(2)シリア及び周辺国における人道危機、並びにエチオピア北部における国内避難民等に対する緊急無償資金協力

【林外務大臣】それから二つ目でございますが、本日、日本政府は、シリア及び周辺国における人道危機、並びにエチオピア北部における国内避難民等に対する人道支援として、合計4,135万ドル、うちシリア及び周辺国が2,895万ドル、エチオピア1,240万ドルでございますが、この緊急無償資金協力を行うことと決定をいたしました。
 長引く戦況によりまして、社会・経済が疲弊しているシリア及びその周辺国であるレバノンとヨルダンでは、新型コロナの感染拡大により、医療資源が逼迫し、人道状況が更に悪化をしております。
 こうした中、今回の緊急無償資金協力では、これらの国々に対し、国際機関経由で衣類等の生活必需品や食料、水・衛生、保健サービス等を提供いたします。日本は、こうした支援を通じまして、シリア等の人道状況の改善を図り、国連の下での政治プロセスを進展させるべく、シリア危機の解決に向けて、引き続き国際社会と緊密に連携をしてまいります。
 また、エチオピアでは、国防軍とティグライ人民解放戦線との武力衝突が長期化をいたしまして、人道状況が更に悪化をしております。そこで今回、エチオピアに対して、生活必需品や食料等を提供する支援を行います。日本といたしましては、エチオピアにおける平和と安定のため、引き続き、国際社会と連携して取り組んでいく考えでございます。
 私(林大臣)からは以上です。

在日米軍の水際措置

【読売新聞 阿部記者】冒頭ご紹介がありましたキャンプ・ハンセンの関係で、ちょっと確認を含めてなんですけれども、一昨日の申入れで、対策徹底を求めたと思うんですけれども、一昨日の段階では、キャンプ・ハンセンの基地に勤務する隊員たちが、米国からの出国時に検査をしていなかった、入国直後にしていなかった、という実態が明らかになったという説明だったと思うんですけれども、他の部隊、在日米軍の他の部隊でも同様の運用だったことが、今回明らかになったという理解でよろしいんでしょうか。

【林外務大臣】今、冒頭申し上げましたように、全ての在日米軍施設・区域についてでございます。
 一昨日のラップ司令官に対する申入れ、これは、キャンプ・ハンセンの事案を受けたものでございますが、私(林大臣)からは、水際対策には万全を期す必要があるという観点から、全ての在日米軍の施設・区域について、日本側の措置と整合的になるように求めたところでございます。

【読売新聞 阿部記者】その上でなんですけれども、これまで米側は、米軍の出入国に関しては、日本側の措置と整合的な措置をとる旨説明してきたかと思うんですけれども、それが実際は違った、ということになると思うんですけれども、改めて、それに対する所感、受け止めをお願いします。

【林外務大臣】これはもう昨日、申し上げましたように、私(林大臣)からも、強い遺憾の意を、直接ラップ司令官にもお伝えをしたところでございます。
今後とも米側の措置が、日本側の措置と整合的になるように確保すべく、連携を一層強化をしてまいらなければならないと思っております。

【朝日新聞 野平記者】確認させていただきたいんですけれども、キャンプ・ハンセンでは、行動制限期間中に、施設内を自由に行き来できる状態にあったというふうに、大臣、以前ご説明いただいたと思うんですけれども、他の米軍基地では、実際それと同じような状態だったのかどうかという点と、あと、出入国時の検査というのは、これは抗原検査のことでよろしかったでしょうか。

【林外務大臣】詳細は事務方から説明をさせますが、この日本の措置と整合性をもってということでございますので、日本の方の措置も、入国時は抗原検査ということであったと思っておりますので、そういうことを前提として、整合的な措置ということを求めております。

新型コロナウイルス(外交政策に与える影響)

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 最近は、日本政府の要職と、世界や中東の指導者との対面での交流が、あまり頻繁に見られませんが、新型コロナウイルス感染症パンデミックが与えた影響について伺います。これまで日本政府関係者による外遊がキャンセルされてきており、今でもキャンセルされていますが、こうした傾向は、日本外交にどのような影響を与えているでしょうか。今後も新型コロナウイルス感染症に翻弄され、こうした傾向は続くでしょうか。

【林外務大臣】今般のコロナ情勢が、外交政策、フォーリン・ポリシーとおっしゃいましたので、外交政策に与える影響につきましては、予断をもってお答えすることは差し控えたいと思います。
 その上で申し上げますと、先月、ここに参りましてから1か月余りでございますが、この間、対面とテレビ・電話会議を併せて延べ40回、27か国・地域の外務大臣等と会談をいたしまして、信頼関係の構築に努めてきたところでございます。先週には、英国で、G7外務・開発大臣会合に参加をいたしまして、全体の会合に加えて、全てのG7各国外相との直接の会談を含む、多くの二国間会談を行うことができました。やはり重要な外交課題について突っ込んだ議論を行うとともに、基本的価値を共有するG7が連携して、国際社会をリードしていくという意義を改めて確認をしました。
 そういった意味で、やはり各国の要人と直接お会いをして、国際社会が直面する課題について、時間をかけてじっくりと議論すること、そして、お互い理解を深めることが重要であるということを感じたところでございます。同時に、新型コロナの制約の中であっても、様々な工夫を凝らしながら、外交を最大限に効果的に進めてまいらなければならないと、そういうふうに考えております。
 引き続き、日本を含む各国の水際・防疫措置を踏まえて、適切に対応していきたいと思っております。

在日米軍の水際措置

【NHK 岡野記者】米軍の関連で、細かいところの確認なんですけれども、入国時の直後の検査というのも、全ての施設内で行われていなかったかというところと、あと、今回外務省として、その整合性はとれていないと判断されたのは、出国時の検査を行ってなかった、入国時の検査が行われていなかった、あと14日間隔離期間内で自由に施設内を移動できた、というこの3点が揃ったからということでよろしいでしょうか。

【林外務大臣】詳細は、事務方に確認していただければと思いますが、今おっしゃった3つのことを中心に、細かいところもいろいろあると思いますけれども、先ほど申し上げましたように、また一昨日も申し上げましたように、日本でとっている措置と整合的でなかったということが判明したと理解しております。

【朝日新聞 野平記者】経緯のところで確認させていただきたいんですが、岸田総理からの指示を受けて、21日に大臣はラップ司令官に遺憾の意を伝えられたと思うんですが、その後、他の在日米軍基地についても、日本側が照会したところ、こういった実態が分かったという経緯で良かったでしょうか。

【林外務大臣】今回の確認結果を受けて、改めて市川北米局長から在日米軍司令官に対しましては、強い遺憾の意を申し上げておるところでございます。私(林大臣)が、直接お話をした前後でも、こうしたように、事務方を通じて連絡を取り合っているということでございます。

在日米軍駐留経費

【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 濱本記者】外交方針についてお伺いします。12月21日の定例会見にて、2022年から26年度の5年間の在日米軍駐留経費、いわゆる「思いやり予算」改め、「日米同盟強靱化予算」の負担額を米側の増額要求を受入れ、1兆551億円、2016年の年から20年度の5年間と比べると750億円の増額となる旨林大臣より報告がありました。
 日本は現在、史上最高額の赤字国債を発行しており、歳出と税収の差が拡大し続けています。いわばワニの口が、大きくなり続けているような状態です。そのような状況下で、なぜ他国の軍事費を日本が負担しなくてはならないのでしょうか。
 米中対立の末、戦争となれば、強靱化された同盟国として、日本も参戦を余儀なくされます。そうなれば、日本は最大の市場を失うことになり、日本経済は大打撃を受けます。米国抜きの日本独自の外交方針をイマジンすることはできないんでしょうか、大臣のご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。

【林外務大臣】日本を取り巻く安全保障環境が、一層厳しさを増す中で、日米同盟及び在日米軍は日本の防衛のみならず、インド太平洋地域の平和と安定のために、なくてはならない存在だと考えます。
その上で、今般、実質合意に至った同盟強靱化予算は、在日米軍の円滑かつ効果的な活動、また米軍の地域への前方展開、これを確保する上で、重要な役割を果たすものであると同時に、在日米軍のみならず、自衛隊の即応性、及び米軍との相互運用性の強化にも資するものとなっております。
 日本の負担規模については、厳しい財政状況を踏まえ、メリハリをつけた経費負担としたものでございまして、適切な水準であると考えております。

大臣の資産公開

【共同通信 前田記者】閣僚の資産公開についてお伺いをします。資産公開制度に則り、大臣の資産も公開されると思うんですけれども、ご自身の資産への評価と、あとこの資産公開の制度自体は、不正の蓄財を監視するという目的があると思うんですけれども、この制度自体の考え方についてお聞かせください。

【林外務大臣】この資産については、何か他と比較するというような性格でもないと思っておりますので、特に感想はございません。資産公開制度そのものについてでございますが、政治と行政への国民の信頼確保することを目的とするものであると考えております。政治家として国民、大臣等の公職にある者として、その目的に沿って適切に対応したいと考えております。

岸田総理の講演(「新時代リアリズム外交」)

【読売新聞 阿部記者】岸田総理が、一昨日、講演で、宏池会という政策集団は、「リアリズムの外交」を掲げてきたということをおっしゃって、これから「新時代リアリズム外交」を進めていきたいという旨、発言をされました。林外務大臣として、「新時代リアリズム外交」とは、どういうものをイメージされているのか、あと、どうやって、それを大臣として具現化していくかについて、お考えください。

【林外務大臣】岸田総理は、総理と私(林大臣)が一緒に育ってきました宏池会、この宏池会が掲げてきました「リアリズムの外交」、これをバックボーンに受け継ぎながら、複雑化する21世紀の国際情勢に対して、未来への理想の旗をしっかり掲げて、そして、日本として主体的な外交展開していくこと、これを「新時代リアリズム外交」と述べられたと承知をしております。
 そういった意味では、岸田総理の講演の中では、日中国交正常化を行った大平外交や、PKO法を作った宮沢政権ということを例に引かれておるわけでございます。そうした岸田内閣の外務大臣として、やはり、日米同盟を基軸に、世界の日本への信頼と3つの強い覚悟、こういった、普遍的価値を守り抜く覚悟、我が国の平和と安定を守りぬく覚悟、地球規模の課題に向き合い国際社会を主導する覚悟を持って、対応力の高い、低重心の姿勢で、国益を守り抜く毅然とした外交、安全保障を展開し、「自由で開かれたインド太平洋」、これを強力に推進していきたいと考えております。この低重心という姿勢は、リアリズムということにも繋がっていくのかなと考えています。

山口県副知事の書類送検

【文化放送】文化放送と申します。昨日、大臣からお話があったかと思うんですが、改めまして、山口県の副知事が、公職選挙法違反で書類送検されたことにつきまして、改めて受け止めと、何故そういうことになってしまったのか、どのように思いなのか、お聞かせください。

【林外務大臣】昨日、既に申し上げておりますが、私(林大臣)の選挙に関連しまして、書類送検される事案があったということは大変残念でございまして、皆様をお騒がせしておりますことを申し訳なく存じております。また、応援していただいた方々にも、ご心配をおかけし、お詫びを申し上げるところでございます。

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