外務省・新着情報

冒頭発言

日本によるワクチン提供

【林外務大臣】私(林大臣)から1件ございます。
 今般、イランに対しまして、70万回分のアストラゼネカのワクチンを追加供与することを決定をいたしました。COVAX経由で供与を行うものでございまして、現在関係機関等と最終調整中でございます。今般の供与によりまして、日本からイランに対するワクチン供与、これは合計で約360万回になります。
 また、これにより日本は、本年6月にワクチンの供与を開始して以降、23か国・地域に対して、合計約3,600万回分のワクチン供与を行うことになります。
 来年も、合計6,000万回を目処としたワクチン供与や、ワクチンを一人ひとりに届けるための「ラスト・ワン・マイル支援」等必要な支援をしてまいります。私(林大臣)からは以上でございます。

在日米軍の新型コロナウイルス感染事案

【読売新聞 阿部記者】在日米軍の新型コロナウイルス感染についてお聞かせください。米側による、そのゲノム解析の結果については、どのように今現在伝えられているのでしょうか。まだ、結果がまだということであれば、いつごろなのか、見通しも含めてお聞かせください。

【林外務大臣】この変異株PCR検査でございますが、米国側からは、先週末にかけて、変異株PCR検査を実施したという旨の連絡を受けております。現在米国側で、検査結果の最終の取りまとめ中であると聞いておりますので、米側から、この最終取りまとめ・結果の供与を受けた段階で、適切な形で公表することにしたいと思っています。

台湾情勢(日米共同作戦計画)

【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 渡会記者】12月23日以降、自衛隊と米軍が台湾有事を想定した、日米共同作戦計画の原案を策定していることが、報じられています。それは有事の初動段階で、米海兵隊が南西諸島に攻撃用軍事拠点を置き、住民が戦闘に巻き込まれるものです。
 玉城デニー知事が、24日に防衛省を訪れ、台湾有事によって、沖縄が再び攻撃目標になるようなことがあってはならないと危惧を表明し、詳細を明らかにするよう求めています。
 来年1月に、開催予定の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会、「2+2」での正式な計画策定以前に、米国側の意向に押されるようにして計画が進行していることを、外務省としては、どうお考えでしょうか。
 外交において防衛すべき日本、守るべき平和と安全には、南西諸島とその161万人住民は含まれないのでしょうか。また、自衛隊は住民の避難を助けないのでしょうか。大臣のご意見を賜れれば幸いです。

【林外務大臣】ありがとうございました。報道については承知をしております。2015年に策定をされました、この日米防衛協力のための指針の下で、日米両政府は共同計画を策定・更新することとしておりますが、この策定状況や具体的内容等の詳細については、事柄の性質上お答えは差し控えたいというふうに思います。
 これ以上の詳細に関しては、防衛省の方にお尋ねをいただければと思います。

【司会】席にお戻りください。

イスラエルによるゴラン高原併合

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 中東について伺います。イスラエルはゴラン高原をシリアから奪い、国際法に反して占領を続けていますが、報道にも出ているように、イスラエルはゴラン高原の入植者を5年間で倍増させることを決定しました。日本はゴラン高原の占領が続く現状に反対しておりますが、本件に関する大臣のコメントをお願いします。

【林外務大臣】12月26日でございますが、イスラエル政府が、ゴラン高原の人口、これを5年間で倍増させることを含む、ゴラン高原の開発計画を承認したというふうに承知をしております。
 我が国は、イスラエルによるゴラン高原併合、これを認めない立場でございます。また、入植活動、これは国際法の違反でございまして、我が国は、イスラエル政府に対して、入植活動の完全凍結、これを繰り返し呼びかけてきております。
 我が国は、このような措置が、域内の緊張を更に高めることを憂慮しておりまして、本件をめぐる動向を、懸念を持って注視をしていきたいと考えております。

NPT運用検討会議

【中国新聞 樋口記者】来年の1月4日に開幕が迫りましたNPT再検討会議について伺います。総理は、ビデオ演説というのを模索をされているようなんですけれども、まず、林大臣の出席について、今、どういう状況で調整がなされているのかということ、オミクロン株の状況なんかもあると思います、それを伺いたいのと、やはり、前回、会議が決裂しているということもありますので、会議の重要性だとか、今回、目指すべきゴール、そういったところについて伺えればと思います。

【林外務大臣】まず、NPTでございますが、国際的な核軍縮不拡散体制の礎石でございます。核兵器国も参加をするNPT運用検討会議、これが「核兵器のない世界」に向けて前進するための貴重な機会であります。日本政府からの出席者については、現在検討中でございます。
 核軍縮を前に進めるためには、核兵器国と非核兵器国、双方の関与が必要でありまして、政府としては、国連総会の核兵器廃絶決議案の提出と、こうした取組を通じて、国際社会として直ちに取り組むべき共同行動の指針、これ具体的に提示をして、未来志向の対話を呼びかけるなど、共通の基盤の構築に、これまで務めてきたところでございます。
 今お話がありましたように、6年前の前回会議では、中東の非大量破壊兵器地帯、これの設置構想をめぐって、関係諸国間の溝が埋まらずに、最終の文書を採択できなかったわけでございますので、次回の運用検討会議では、「核兵器のない世界」に向けて、意義ある成果が得られるよう、関係国と緊密に連携して、取り組んで参りたいというふうに思っております。

2022年の外交政策

【朝日新聞 野平記者】来年のことについてお伺いしたいんですけれども、年明けにはNPTですとか、日米2プラス2始め、来年、日中国交正常化50周年の節目でもあると思います。大臣として特に来年、どういった点に重きを置いた外交政策を進めていきたいと考えているか、また特に注視している国や地域、国際会議などあれば合わせて教えてください。

【林外務大臣】就任以来、新型コロナの制約がある中でありましたけれども、対面、それからテレビ・電話会談、併せて延べ41回、27か国・地域の外務大臣等々と会談をして参りました。12月には英国出張で、G7会合に加えまして、多くの二国間会談を対面でやることができまして、国際社会の諸課題について、各国大臣と非常に率直な突っ込んだ議論ができたと思っております。
 そういった中で、国内政策と外交、これを俯瞰的に見ていく必要というのを改めて感じております。また同時に、いろんな国とバイで、また数か国でやるG7等に加えて、地球規模課題といった横串で対応すべき課題の重要性、強く感じておるところでございまして、来年も引き続き、諸先輩の努力で得られた日本外交に対する信頼、こういうものを受け継いで、しっかりと対面外交を復活させていく中で、信頼関係を構築していければというふうに思っております。

【朝日新聞 野平記者】今、大臣、おっしゃられた中で、「国内政策と外交を俯瞰的に見ていく必要がある」というふうにおっしゃられたと思うんですけれども、もう少し詳しくご説明いただけないでしょうか。

【林外務大臣】これは、私(林大臣)の拙い記憶では、田中角栄総理が、閣僚であった頃、日米繊維交渉というものがございまして、これに当たって、国内の説得も目途をつけた上で、確か米国であったと思いますが、交渉に臨んだということがございました。これ、一つの例でございますが、やはり外交を外交だけでやることは、あまりないわけでございまして、いろいろな国内政策と外交というのは繋がってくると、こういうような視点で、やはり見ていかなければならないと、こういう意味で、先ほど申し上げたということでございます。

【林外務大臣】今年もお世話になりました。良いお年をお迎えください。

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