外務省・新着情報

冒頭発言

 先ほど総理からの発表があった通り、「佐渡島(さど)の金山」につきましては、2月1日の閣議了解を経て、ユネスコに推薦書を提出することにいたしました。「佐渡島の金山」については、江戸時代に我が国固有の伝統的手工業を活用し大規模かつ長期に継続した稀有な産業遺産として高い価値を有しております。「佐渡島の金山」の文化遺産としてのすばらしい価値が評価されるよう冷静かつ丁寧な議論を行い、登録実現に向けて外務省としてもしっかり取り組んでいきたいと考えております。

質疑応答

【記者】先ほど総理の表明に対してですね、韓国の外務省が深い遺憾を表明すると、こうした試みの中止を厳重に求めるといった声明を出したようなのですが、このことに対する対応、受け止めをお願いします。

【林外務大臣】本日、韓国側の独自の主張が日本側として受け入れられないことについては、韓国側に対し申し入れを行ったところでございます。

【記者】これまで登録を目指す上で、いつが効果的かというのを考えるということをおっしゃってこられたと思います。来年度以降に見送るといった案もあったと思いますけれども、今年、推薦を決められた、このタイミングの方がよいと思われた理由について、改めてお願いします。

【林外務大臣】「佐渡島の金山」につきましては、文化遺産としてのですね、高い価値にもかかわらず、本件登録に向けては、様々な議論、意見があったということは承知をしております。「佐渡島の金山」の文化遺産としてのすばらしい価値が評価されるよう、冷静かつ丁寧な議論が求められると考えております。そうした中で、いつ申請することが最も効果的かにつき検討を重ねてきましたが、冷静かつ丁寧な議論を尽くしていくことが重要であり、このためには本年申請することが良いという結論に至り、2月1日に閣議了解を経て、ユネスコに申請することにいたしました。

【記者】2021年の7月に推薦書を提出する前の当事者間の対話を促すという作業方針があると思うのですけど、「佐渡島の金山」の登録実現に向けて、この作業指針にどう対応するか教えて下さい。

【林外務大臣】ユネスコの世界の記憶においては、ご指摘のように関係国間で合意を必要とするルールが日本主導で採択されております。世界遺産委員会でも、これを受けて、作業指針において関係国と対話を行うことが推奨されております。我が国としては、この指針にそって、韓国との間で誠実に対話を行い、かつ丁寧な議論を行って参ります。また、世界遺産委員会メンバー国に対しても、我が国の立場を冷静かつ丁寧に説明して参りたいと考えております。いずれにせよ、「佐渡島の金山」の文化遺産としての素晴らしい価値が評価されるように、冷静かつ丁寧な議論を尽くして参りたいと思います。

【記者】冒頭の、申し入れを行ったということなんですけども、韓国側が正式に抗議が来たのかというのと、この抗議、申し入れというのはどのレベルで行ったか、ということをお聞かせ下さい。

【林外務大臣】先程のご質問にあったように、韓国の報道官が、既に、遺憾の意なるようなものを表明されているというふうに承知をしておりますが、そういったものに対して、先程申し上げたような対応を取っている、そういうことでございます。

【記者】先程韓国から既に遺憾の意が示されているということで、今回申請することが日韓関係であったり、日米韓の連携に影響を与えるということはお考えでしょうか。

【林外務大臣】先程、韓国との関係については申し上げたとおりですが、米側とは常日頃から様々な外交案件について緊密に連携をしてきており、本件についてもやりとりをおこなっております。先方の反応等々につきましては、外交上のやりとりですので、詳細は差し控えたいと思っております。

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