外務省・新着情報

冒頭発言

ミャンマー国民に対する人道支援

【林外務大臣】私(林大臣)から1件ございます。
 昨年2月のクーデターによりまして、ミャンマーにおける人道状況は、悪化の一途を辿っております。国連は1月30日、国際社会に対して、今後1年間で8億2,600万米ドル規模の支援を求めました。
 更に、事態の打開を目指すASEAN各国からの人道支援の重要性が強調されていること、そして何より、クーデターを発端とする経済停滞で、ミャンマー国民の生活が困窮の度を増していることを受けまして、日本政府は今回、追加的に合計約1,850万ドルのミャンマーへの人道支援を実施することを決定いたしました。国際機関やASEAN事務局を通じて、食料、シェルター・マットレス等の生活物資、医療資材などをミャンマー国民に届けてまいります。
 日本政府として、今後も支援を必要とするミャンマー国民に届く人道支援を積極的に行い、困難に直面しているミャンマー国民にしっかりと寄り添っていきます。また、各国も、国連の呼びかけに応じた人道支援を実施して実施していくことを期待をいたします。詳しくは、この後に出す報道発表をご覧いただければと思います。私(林大臣)からは以上です。

林大臣の外国出張(日米韓外相会合、日米豪印外相会合)

【共同通信 前田記者】日米韓外相会合とクワッドの外相会合についてお伺いします。米側は、既に発表となっているようなんですけれども、今週末から、クワッドと日米韓の外相会合が開かれるようですけれども、大臣、ご参加されるかということと、そこで何を確認したいかということ、あと、その場でバイ会談というのが参加する国があると思うんですけれども、そこで確認したいこと等ありましたらお願いいたします。

【林外務大臣】この米国のご指摘の発表については承知をしております。諸般の事情が許せば、私(林大臣)が日米韓外相会合に出席する方向で調整中でございます。
 また、いずれにしても、北朝鮮への対応については、今後とも日米、日米韓で緊密に連携をし、国際社会とも協力しながら、関連する安保理決議の完全な履行を進めて、北朝鮮の非核化を目指して参ります。
 また、日米豪印に関する、米国の発表についても承知をしております。この日米豪印の4か国の間では、毎年、外相会合開催することで一致しております。今回の外相会合については、諸般の事情が許せば、私(林大臣)が出席する方向で調整中でございます。
 引き続き、各国と緊密に連携して、ワクチン、インフラ、重要・新興技術といった、様々な実践的分野での協力を一層進めて、自由で開かれたインド太平洋を共に力強く推進して考えでございます。

新型コロナウイルス(水際対策)

【NHK 青木記者】水際対策についてお聞きします。政府は現在、外国人の入国を、その事情に応じて、個別に判断していますけれども、経済界や学生などからは、開国を求める意見が相次いでいます。2月末までとしている現在の措置の骨格を、見直す余地というのは全くないのかどうか、ご見解を伺います。

【林外務大臣】オミクロン株への対応に当たっては、政府として、G7で最も厳しい水際対策を講じて、オミクロン株流入を最小限に抑えつつ、国内感染の増加に備える時間を確保できたと考えております。
 水際対策については、内外の感染状況の差が大きかったことや、オミクロン株に関する科学的知見の蓄積が十分ではなかったこと等を勘案して、当面の対応として、2月末まで、現在の水際対策の骨格を維持することとしておりまして、その上で、新規入国については、個別の審査を行って、人道上、国益上の観点から必要な対応をとることとされております。
 少しずつオミクロン株の知見が蓄積されてきておりまして、今後については、政府として、国内外の感染状況、オミクロン株の特性、そして、これまでの水際対策の実績等を踏まえて、必要かつ適切な対応を行っていきたいと、そういうふうに考えております。

ウクライナ情勢(駐日ロシア大使及び次期駐日米国大使の発信)

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 駐日ロシア大使はある会見において、日本がいかなる(対ロシア)制裁に参加することも逆効果であると発言しました。先週、駐日米国大使はツイッター上で、この発言は日本を脅している、米国は共有する価値観と原則のために日本と岸田首相と共にある旨述べました。これらのやり取りに対するコメントがあればお願いします。また、最近のウクライナ情勢に関する日本の立場も教えてください。

【林外務大臣】このウクライナをめぐる情勢につきましては、我が国としても、重大な懸念をもって注視をしております。先般の日米首脳テレビ会談や、日米外相電話会談では、ウクライナ情勢について、引き続き日米で連携していくということで一致したところでございます。
 こうした中で、今般エマニュエル大使が、共有する価値観と原則のために、米国は日本と岸田氏を支持する旨発信したことを歓迎しております、我が国としては、引き続き、米国を始めとする国際社会と連携し、適切に対応してまいりたいと思っております。

米国による鉄鋼・アルミ追加関税措置(日米交渉の結果)

【時事通信 田中記者】先ほど経産省から、日米の、米国が日本の鉄鋼にかける関税に関して一部免除する、ということで妥結したと発表がありました。この受け止めと、アルミの関税に関しては、引き続き、協議ということなんですけれども、これにどのように対応していくかについてお願いします。

【林外務大臣】2月8日、これ日本時間ですが、米政府から、日本から輸入する鉄鋼製品に関する米国の「通商拡大法第232条関税の部分的撤廃」を発表したと承知をしております。
 我が国は、232条の関税は、WTOルールに整合的ではない可能性があると考えておりまして、鉄鋼・アルミへの同関税について、完全な形での解決を求めてきたところでございます。今般の米国の対応は、そうした解決に向けた一歩であると考えておりますが、米国に対しては、引き続き、完全解決を強く求めてまいります。
 また、鉄鋼・アルミ産業に関する共同声明を発表して、鉄鋼・アルミニウムの過剰生産能力や、炭素強度に関するグローバルな枠組みに向けた議論を開始することなどを確認をしております。
 今般、こうした協力について一致したことも踏まえて、経済分野での日米協力を一層拡大・深化させていきたいというふうに思っております。
 なおアルミについては、日本の輸出実績は、2020年で2万トン程度ということで、EUの同年の28万トンとは大きな差があって、単純に比較することは適当ではありませんが、今回は、米国側が、何らの措置もとらないことを残念だと思っております。
 鉄鋼についても、アルミについても、引き続き、完全解決に向けて働きかけていきたいと考えております。

ウクライナ情勢(対露制裁)

【共同通信 前田記者】ウクライナ情勢に関して、ロシアへの制裁について、お伺いをします。一部報道等で、ウクライナに侵攻した際のロシアへの制裁というのを検討に入ったというのがあるんですけれども、こうした制裁を含めた、ウクライナ侵攻時の、日本の対応についての検討状況をお伺いしたいのと、あとは、こういったものというのは、先日の日米の首脳テレビ会談の中で、強い行動をとる、ということを調整することで一致したと思うんですけれども、日米でも協議をしているという認識でよろしいでしょうか。

【林外務大臣】そういう報道は、承知をしております。
 先日の日米首脳会談で、仮に、ロシアによるウクライナ侵攻が起きた場合には、どのような強い行動があり得るのかという点について、米国とも緊密に調整しつつ検討する旨既に確認をしておりますが、その検討や調整の内容については、事柄の性質上差し控えたいと思っております。
 いずれにしても、ウクライナをめぐる情勢については、我が国としても重大な懸念を持って注視をしておりまして、米国を含むG7を始めとする関係国と連携しつつ、適切に対応してまいりたいと思っております。

日本産食品に対する台湾の輸入規制緩和

【時事通信 田中記者】台湾の日本産食品に対する禁輸措置に関してなんですけれども、報道によると、本日にも台湾側が解除を発表するということなんですが、その受け止めをお願いします。

【林外務大臣】台湾側からは、日本産食品に対する輸入規制の見直しにつきまして、本日午前に、対外発表を行う予定との連絡を受けております。
 台湾の輸入規制措置につきましては、これまでも日本台湾交流協会等を通じて、科学的根拠に基づく日本産食品の安全性を説明し、規制の撤廃を働きかけてきたところでございますが、台湾側による今般の規制の見直しに関する政府としてのコメントは、台湾側の発表を確認した上で行うこととしたいと考えております。

ウクライナ情勢(台湾海峡情勢への影響)

【インディペンデント・ウェブ・ジャーナル 濱本記者】先ほどの質問と若干被るところがあるんですけれども、米国の制裁外交と、日本の姿勢について質問いたします。
 2月4日、習近平国家主席とプーチン大統領が会談し、米国を批判した上で、中露両国の幅広い協力関係をアピールする共同声明を発し、それを受けて、米国は、対露制裁を回避する中国企業に対し、代償を支払うことになる、と強い警告を発しています。
 米国のロシアへの制裁が、かえって中露を接近させ、台湾海峡の緊張を高めているのではないでしょうか。また、RCEPが先月発効されたばかりですが、米国の中国への制裁強化により、日中貿易が後退すれば、日本経済の致命的なダメージになりかねません。林大臣の現状認識についてご教授ください。

【林外務大臣】現在、ウクライナの国境周辺地域では、ロシア軍の増強等により緊張が高まっており、予断を許さない状況が続いております。今後、事態が急変する可能性もあるわけでございます。こうした状況を踏まえて、米国を始めとする国際社会は、緊張緩和に向けた外交努力を行ってきているところであり、今おっしゃったような御指摘は当たらない、というふうに考えております。引き続き、G7を始めとする国際社会と連携し、適切に対応していきたいと考えております。

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