外務省・新着情報

令和4年2月8日

 2月8日(現地時間同日)、フィジー共和国の首都スバにおいて、我が方、川上文博駐フィジー共和国日本国特命全権大使と先方ヨゲシュ・カラン首相府次官(Mr. Yogesh Karan, Permanent Secretary for the Office of the Prime Minister)との間で、以下2件の無償資金協力(供与額計3億円)に関する書簡の交換が行われました。

  1. 対象案件の概要はそれぞれ以下のとおりです。
  • (1)産業の多角化のための支援(経済社会開発計画)(供与額:2億円)
     フィジー共和国は、新型コロナウイルスの感染拡大が始まると早々に国境封鎖等の措置を取り、一時首都のロックダウンも行いました。人的・物的往来が厳しく制限されたことで、同国の主要産業である観光産業は大きな打撃を受け、一つの産業に依存する同国の経済構造の脆弱性が浮き彫りとなり、国内事業支援を含む産業の多角化が喫緊の課題となっています。この協力では、フィジー政府に対し、農地・養殖場開拓関連機材を供与することにより、同国の産業の多角化を図り、もって社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。
  • (2)防災・減災能力強化のための支援(経済社会開発計画)(供与額:1億円)
     フィジー共和国において、一昨年12月に立て続けに直撃したサイクロンによる被害は甚大であり、10万人以上に影響を与えました。被害を受けた道路等の復旧や排水設備の整備が喫緊の課題となっていますが、重機の不足により、排水設備の整備・復旧作業が停滞または大幅に遅延しています。この協力では、フィジー政府に対し、防災・減災関連機材を供与することにより、同国の防災・減災能力の強化を図り、もって社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。
  1. 我が国は、昨年7月2日にテレビ会議方式により開催した第9回太平洋・島サミットにおいて、「持続可能で強靱な経済発展の基盤強化」及び「気候変動・防災」を含む支援の重点分野を表明しており、上記2つの協力は同表明を具現化するものです。
(参考1)フィジー共和国基礎データ

 フィジー共和国の面積は約1万8,270平方キロメートル(四国とほぼ同じ大きさ)、人口は約89万人(2019年、世界銀行)、一人当たりの国民総所得(GNI)は5,800米ドル(2019年、世界銀行)。

(参考2)第9回太平洋・島サミット

 昨年7月2日、テレビ会議方式により、菅総理とナタノ・ツバル首相の共同議長の下、第9回 太平洋・島サミット(The Ninth Pacific Islands Leaders Meeting:PALM9)が開催され、日本、島嶼14か国(ツバル、クック諸島、フィジー、キリバス、マーシャル、ミクロネシア、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン、トンガ、バヌアツ)、豪州、ニュージーランドに加え、ニューカレドニア及び仏領ポリネシアの2地域を含む19か国・地域の首脳等が参加した。フィジーからはジョサイア・ヴォレンゲ・バイニマラマ首相が参加した。
 我が国は、PALM9において、「太平洋のキズナ政策」の下、(1)新型コロナへの対応と回復、(2)法の支配に基づく持続可能な海洋、(3)気候変動・防災、(4)持続可能で強靱な経済発展の基盤強化、(5)人的交流・人材育成の5つを重点分野とし、今後3年間に、しっかりとした開発協力の継続と5,500人以上の人材交流・人材育成を実施することを表明した。


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