外務省・新着情報

令和4年2月11日
記念撮影する日米豪印外相
日米豪印外相会談の様子
発言する林外務大臣

 現地時間2月11日午後4時(日本時間同日午後2時)から約4時間、オーストラリア・メルボルンにおいて第4回日米豪印外相会合及び夕食会が行われたところ、概要は以下のとおりです。現地訪問中の林芳正外務大臣のほか、マリズ・ペイン・オーストラリア連邦外務大臣(Senator the Hon Marise Payne, Minister for Foreign Affairs of the Commonwealth of Australia)、スブラマニヤム・ジャイシャンカル・インド外務大臣(H.E. Dr. Subrahmanyam Jaishankar, External Affairs Minister of India)、アントニー・ブリンケン米国国務長官(The Honorable Antony Blinken, Secretary of State of the United States of America)が出席し、会合後、共同声明が発出されました。

  1. 四大臣は、対面での日米豪印外相会合が実現したことを歓迎し、本年前半に日本で開催される日米豪印首脳会合の成功に向け、外相間でも緊密に連携していくことで一致しました。
  2. 四大臣は、一方的な現状変更の試みや、経済的威圧等、様々な分野で既存の国際秩序が挑戦を受けている中、基本的価値を共有し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の推進にコミットする4か国が果たす責任が一層増しているとの認識を再確認しました。
  3. 四大臣は、4か国が推進する「自由で開かれたインド太平洋」のビジョンが、世界中の様々な地域で共鳴し、ASEANの「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」や、EUや欧州諸国のインド太平洋戦略など、各地で主体的取組が進んでいることを歓迎し、このビジョンの実現に向け、各国・地域との連携・協力を更に深めていくことで一致しました。
  4. 四大臣は、ASEANの中心性とASEAN主導のアーキテクチャーへの揺るぎない支持を確認するとともに、地域の安定と繁栄の基礎となるAOIPの実施に向けASEAN諸国を引き続き支援していくことでも一致しました。また、四大臣は、本年ASEAN議長国を務めるカンボジアの重要な役割への期待を表明しました。
  5. 四大臣は、本年前半に予定される日米豪印首脳会合を見据え、新型コロナ対策をはじめとして昨年3月及び9月の首脳会合の成果を着実にフォローアップしていくとともに、海洋安全保障、サイバーセキュリティ、テロ対策、人道支援・災害救援を含めた様々な分野での実践的な協力を更に進めていくことで一致しました。この関連で、四大臣は、日米豪印4か国それぞれがトンガにおける火山噴火・津波災害への支援に取り組んでいることを歓迎しつつ、インド太平洋地域における人道支援・災害救援につき、今後一層連携して取り組んでいくことで一致しました。
  6. 東シナ海・南シナ海について、林大臣から、力を背景とした一方的な現状変更の試みへの深刻な懸念を表明し、四大臣は、ルールに基づく海洋秩序への挑戦に対抗するため、国連海洋法条約に反映された国際法遵守の重要性について一致しました。また、林大臣から、香港、新疆ウイグル、台湾に関する我が国の基本的立場を述べました。
  7. 四大臣は、国連安保理決議に違反し、地域を不安定化させる北朝鮮による弾道ミサイル発射を非難し、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化へのコミットメントを再確認しました。また、林大臣から、拉致問題の即時解決に向けた各国の理解と協力を求め、各国から支持を得ました。
  8. ミャンマー情勢について、四大臣は、現状への重大な懸念を表明するとともに、暴力の停止、被拘束者の解放を呼びかけ、民主的な体制の早期回復の必要性を確認しました。また、四大臣は、完全な人道アクセスへの確保を呼びかけ、ASEANの「5つのコンセンサス」の早期実施の重要性で一致しました。さらに、引き続きASEANによる取組を支援していくことで一致しました。
  9. 四大臣は、緊張が高まっている目下のウクライナを巡る情勢について意見交換を行いました。
  10. 四大臣は、今後も毎年会合を開催し、日米豪印協力のモメンタムを維持・強化していくとともに、幅広い分野の協力を通じて、引き続き地域に前向きな形で貢献していくことで一致しました。
  11. なお、日米豪印外相会合に先立ち、林大臣、ジャイシャンカル・インド外務大臣及びブリンケン米国国務長官は、モリソン・オーストラリア首相を表敬しました。同表敬では、モリソン首相から、各国外相の訪豪を歓迎する旨述べ、林大臣からは、今回の日米豪印外相会合は、大変時宜を得ており、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた日米豪印の協力に一層推進力を与える機会であり、岸田総理は日本での次回日米豪印首脳会合を楽しみにしている旨述べました。その後、日米豪印協力や地域情勢等について意見交換が行われました。

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