外務省・新着情報

冒頭発言

【林外務大臣】本日、16時頃から日米豪印外相会合が約2時間開催されました。この会合に先立ってブリンケン米国務長官との会談、また日米印外相によるモリソン豪首相の表敬、ジャイシャンカル印外相との会談を行ったところでございます。
 日米豪印外相会合については、共同記者会見でも述べましたけれども、対面できわめて率直な意見交換を実施し、個人的な信頼関係が構築できました。非常に有意義であったと考えております。日本で本年前半に開催する日米豪印首脳会合の成功に向けて、様々な実践的な協力の一層の推進も含めて、外相間で緊密に連携していきたいと考えております。
 次に、日米外相会談ですが、特に地域情勢、そして経済を始めとする共通の課題について、これまで以上に率直かつ充実した議論を行ったところでございます。今回の会談は、私の就任以降早くも5回を迎えた会談となりました。信頼関係の確実な深まりを感じられたところでございます。ブリンケン国務長官とは引き続き緊密に意思疎通をいたしまして、日米関係を着実に前進させていきたいと考えております。
 モリソン首相への表敬においては、モリソン首相から、「自由で開かれたインド太平洋」に豪州もコミットし続けるという力強い言葉をいただきまして、私からは、次回日米豪印首脳会合に向けて、さらに連携を強化していきたい旨を伝えました。
 最後に、初の対面での機会となりました日印外相会談ですが、二国間関係及び地域情勢等について率直な意見交換を行いました。日印国交樹立70周年の節目に、幅広い分野で重層的に協力を深め、日印関係を盛り上げていくことで一致をしたところでございます。また、双方の都合のよい適切な時期に岸田総理の訪印を実現し、首相の年次往来を再開する重要性、これを改めて共有したところでございます。
 明日の朝、今度はペイン豪州外相と会談を行い、その後ホノルルに向けて出発する予定でございます。

質疑応答

【記者】先ほどのブリンケン長官の共同記者会見の中でのご発言についてお伺いするんですけども、ブリンケン長官はウクライナ情勢に関して近日中にも侵攻する可能性があると強い認識を示されました。また同時にインド太平洋についても重要な問題だというような認識を示されたことについて、大臣としてもどのような認識をしていらっしゃるのでしょうか。

【林外務大臣】そうですね。この会合においても地域情勢をこの議論する中で、ウクライナ情勢についても議論を行なったところでございます。この日本としてはウクライナの主権と領土に関して一貫して支持してきておりまして、このことそれから国際社会、みんなで連携して適切に対応していこう、そういうことについて一致したところでございます。あのアメリカのブリンケン長官のコメントについて、私の方から発言することは差し控えさせていただきたいと思います。

【記者】先ほどですね、大臣きわめて率直な意見交換がなされたというふうに仰っておりました。ただ、共同記者会見の方でもですね、たとえばブリンケンさんがロシアに対してかなり強く仰ってたのに対し、インドの外相は私たちは誰かに対峙するとかそういうことではないと、わざわざ付け加えて仰っていました。やはり若干ですね、たとえば対ロシア、対中とかですね、4カ国の中でちょっと足並みがそろわない部分があるというところを感じたところがあったら教えていただけますでしょうか。

【林外務大臣】これは私の方からもですね、お答えする形や冒頭の形で一致したと、いうふうに申し上げている時と、いろんな議論をするということで、一致した部分とそれぞれのご意見だ、という部分については、それぞれ分けてご報告をしているわけでございますが、当然、日米豪印4カ国ですから、全てのことについて全てが一致するということでは必ずしもないという部分もありますが、多くのことを一致する、または同じ方向に向かっているということについて確認できたということがあったと思います。特にこのクアッドについてはインド太平洋について主に議論しようということもあってですね、インドのジャイシャンカルさんはそういう意味でのご発言であったと、私は認識しております。

【記者】明日ですね、日米韓に向けて出発されますが、日米韓ではですね、北朝鮮に対して具体的にどのようなメッセージの発信していきたいのかということ、あと日韓の外相会談が開かれるとしたらですね、どういったテーマでどういったことを韓国に提起したいとお考えですか。

【林外務大臣】日米韓の外相会合ですが、北朝鮮から、かなり度重なってですね、弾道ミサイルが発射されてきていると思います。またこのIRBMといった状況になってきているということでございますので、最新の北朝鮮情報について意見交換を行うということと、それから国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化の実現に向けて、今後の北朝鮮政策についてすりあわせというものをですね、三カ国間で行いたいというふうに思っております。またそれ以外の地域情勢、グローバルな課題についても意見交換を行いたいと思っております。こうした議論を通じて、拉致問題を含む北朝鮮への一連の対応を中心に、日米韓での連携を新たに確認していきたいと思います。

【記者】今の質問に関連してなんですけど、日韓のバイ会談が行われた場合にですね、佐渡島金山の話がテーマとして挙がってきた場合には、大臣どのような姿勢で臨まれるか、どのようなですね、日本の立場を説明なさるのか、教えていただけますでしょうか。

【林外務大臣】日韓バイの会談についてはまだ行うことが決まっていない状況でございますが、このあいだ、東京において、日韓の、電話での外相会談とうものを行わせていただきました。基本的にはいろいろなイッシューについて基本的な立場をそのときにもお伝えしたとおりですが、今回の会談も、そうした基本的な立場を踏まえ、もし日韓外相会談があれば臨みたいと思います。

【記者】ちょっとウクライナの方に戻るんですけど、先ほど質問のあったところで、日米豪印というのはインド太平洋について議論するところであって、全て一致しているわけではないということだたったんですけど、大臣として、特に対ロ、対中ということが念頭にあるかもしれないんですが、これほど意見が異なっているということに関して、どのように受け止めていらっしゃいますか。

【林外務大臣】必ずしも意見が一致していないということを申し上げようと思ったわけではなくて、この日米豪印がですね、主にインド太平洋に関して議論をしようという大きな枠組みでございますので、そういった趣旨での発言ではなかったかと、私は、ジャイシャンカルさんの発言はそういうふうに受け止めていると申し上げたところでございます。

【記者】先ほどの今回のクワッドの外相会合に関してですけども、北朝鮮のことについて、あまり言及がなかったようですけれども、北朝鮮や拉致について具体的なやりとりがあれば伺いたい。

【林外務大臣】北朝鮮による国連安保理決議に違反し、地域を不安定化させるミサイル発射、これを非難してですね、国連安保理決議に従った北朝鮮の完全な非核化へのコミットメント、これを再確認したところでございます。それからこれに加え、私から拉致問題の即時解決にむけた各国の理解と協力、これを求めまして、各国からその私の発言に対して支持をいただきました。

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