外務省・新着情報

【冒頭発言】

【林外務大臣】先ほど、ドイツ時間12時から1時間半にわたって、G7外相会合に出席をいたしました。ウクライナ情勢について予断を許さない状況が続く中で、急遽設定された外相会合でありまして、先週末の日米豪印外相会合等のためのメルボルン、そしてホノルル出張に続き2週連続の弾丸出張ということとなりましたが、この機会に、G7の外相間で率直な意見交換を行うとともに、改めて連携を確認することができ、非常に有意義であったと考えております。
 本日の議論を通じまして、G7外相の間で、ウクライナの周辺におけるロシアの軍備増強についての重大な懸念を共有し、ロシアに対して、自ら発表した軍の撤収を実際に行うことを含め、緊張緩和に取り組むよう求めることで一致をいたしました。また、G7として、平和的・外交的な解決を追求するとのコミットメントを改めて表明し、ロシアに対して、米国、NATO、OSCEなどの対話の呼びかけに応じるよう求めることで一致しました。さらに、仮にウクライナに対する侵略があれば、ロシアへの制裁を含む甚大なコストを招くことを確認をいたしました。また、G7として、ウクライナの主権及び領土の一体性への支持を再確認するとともに、ウクライナの経済面・金融面での安定などを支援することの重要性を確認し、民主主義を強化するためのウクライナの努力への支持を再確認いたしました。
 私からは、現下のウクライナ情勢は、力による一方的な現状変更を認めないという国際社会の根本的な原則に関わる問題であり、欧州の安全保障の問題にとどまるものではない、日本としてもウクライナの主権及び領土の一体性を一貫して支持している旨述べるとともに、岸田総理からプーチン大統領に直接外交交渉による解決を訴えたことを紹介いたしました。そして、引き続きG7を始めとする国際社会と緊密に連携して対応していく旨を述べました。
 会合の最後にウクライナのクレーバ外相が立ち寄られまして、現状についてのウクライナの認識と立場についてご説明があったところであります。なお、現在G7外相共同声明を最終調整中でございます。
 今回のミュンヘン出張においては、G7外相会合に加えて、多くの国の外相が集まるこのミュンヘン安全保障会議の機会を活用し、各国とのバイ会談も行っております。既に、英国のトラス外相、EUのボレル上級代表、そしてラトビアのリンケービッチ外相と会談を行い、ウクライナ情勢について引き続き緊密に連携して対応していくことなどを確認いたしました。
 午後は、NATOのストルテンベルグ事務総長、ルーマニアのアウレスク大臣、エストニアのリーメッツ外相とのバイ会談を予定しているほか、ミュンヘン安全保障会議の「インド太平洋」セッションにパネリストとして登壇した上で、今夜のフライトで帰国の途につく予定でございます。私からは以上です。

質疑応答

【記者】今、大臣、ウクライナに対する侵略があればですね、ロシアへの制裁を含む甚大なコストを招くことを確認したとおっしゃいましたけれども、現段階のですね、G7としてのロシアへの制裁、これは決まったものはあるんでしょうか。

【林外務大臣】申し上げた通りですね、G7として、仮にウクライナに対する侵攻があれば、それはロシアへの制裁も含む甚大なコストを招くことを確認をいたしました。議論の詳細につきまして説明をすることは差し控えたいと思いますが、日本としても、実際に起こった状況に応じて、制裁も含め、G7をはじめとする国際社会と連携し、適切に対応していきたい、こういう風に考えております。

【記者】バイデン大統領は、ロシアがウクライナへの侵攻を決断したという風におっしゃっておりますけれども、今回G7の外相会合の中で、ロシアがウクライナに対してどのような対応をするかというような、認識の一致というのはあったのでしょうか

【林外務大臣】ご指摘のバイデン大統領の発言は承知をしております。ウクライナをめぐる情勢ですが、これは欧州にとどまらず、国際社会全体の秩序に関わる問題として、重大な懸念をもって注視をしてきております。日本はウクライナの主権及び領土の一体性を一貫して支持しており、緊張緩和に向けた粘り強い外交努力を続けていく考えでございます。引き続きG7をはじめとする国際社会と緊密に連携し、制裁を科すことも含め、実際の状況に応じて、適切に対応していきたいと考えております。

【記者】今度、週明け24日にもオンラインで首脳会談が行われる予定だと思うのですが、首脳会談に向けての調整状況とですね、首脳会合に向けて持ち帰った宿題などあれば教えてください。

【林外務大臣】はい。今調整中という状況だというふうに考えております。今日のG7状況等をですね、しっかりと持ち帰って、この調整を加速させていければという風に思っております。

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